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洗われるアメルーミラ


 アメルーミラの髪の毛を、アンジュリーンが、手櫛でほぐしながら、髪の毛に温水をなじませてくれている。


 目を瞑りながら、その手の感覚をアメルーミラは、感じていると、頭皮を軽くマッサージする様に擦ってくれる。


 それを、アメルーミラは気持ちよさそうに、そのまま、されるがままにしている。


 シャワーの暖かさと肌に当たるお湯、それと手櫛で擦られる頭皮が心地よく感じているのだ。


(何と幸せな感じなの。)


 アメルーミラは思いつつ、されるがままにしていると、アンジュリーンが声をかけてくる。


「石鹸を使うから、目は絶対に開けないでね。」


 シャワーの湯が滴っていたので、目は閉じていたのだが、それでも目を閉じろと注意を受けたのだ。


 アメルーミラは、頭が、何かモコモコといって何かふわふわした物が頬を伝わる様な感じがするのだが、それが何なのかと不思議に思っている様だ。


(何だろう? )


 アメルーミラは、思わず、目を開くと、その水が目に入ったのだ。


 その瞬間、アメルーミラの目に激痛が走る。


「痛い! 」


 そう言って、指を目に持っていこうとすると、誰かに手首を掴まれる。


「ごめん。 石鹸は目に入ると、とても痛いのよ。 でも、それを手で擦ると、もっと痛くなるから、ちょっと我慢して。 自分の涙で石鹸の泡を目から出すまでの辛抱だから。」


 だが、目の激痛は治らない。


 手首を抑えられてしまって、どうしようも無いと思っていると涙が出てくる。


 涙が目から零れる程出てくると、目の激痛は和らいでいき、徐々に痛みも引いてきた。


 言われた通りに涙が目に入った石鹸の成分を流してくれたのだ。


「目の痛みは、無くなりました。」


 アメルーミラは、ごくわずかの痛みになり、僅かに残った石鹸の成分なら、もう直ぐに引くだろうと思ってそういった。


「石鹸は目に入ると痛いのよ。 だから、石鹸を使っている時は目を開けないでね。 それと目の周りを拭う時は表面を軽く撫でる様にしてね。 強く目を撫でると目に入ることがあるから、気をつけてね。」


 アメルーミラは、その注意事項を心に焼き付ける。


 奴隷紋の痛み程では無いが、目の痛みも相当なものだった様だ。


 自分で注意すれば、回避できる痛みなら回避したい。


 アメルーミラは、そう思って、言われた通りにしている。




 アメルーミラは、頭を洗われているので、目を閉じていると、体にも布の様なもので擦られる感覚を感じるのだった。


(何? 布の様なのだけど、表面がゴワゴワした感じ。 でも、痛みは感じないわ。)


 その布がアメルーミラの肌を擦る様に流れていくのだ。


 それは、シュレイノリアとアリアリーシャが、アメルーミラの両脇に座って、タオルで体を洗っているのだ。


 自分の使う布では無いが、そのゴワゴワしたものが、自分の肌を流れる様に滑っていくのがとても心地が良いと、アメルーミラは感じている。


 強い力ではなく、絶妙な力加減で擦られるのは、マッサージでもされる様な感覚になるのだ。


 その心地よさに、うっとりとしてしまい、2人の女性にされるがまま、手を出したり、足も伸ばされたり曲げたりするのだが、アメルーミラは、彼女達にされるがまま、体を洗われる感覚に酔っている様だ。


 その時に、そのゴワゴワとした布が擦れる心地よさを味わうのだった。


(世の中に、こんなに気持ちの良くなることがあるのかしら。)


 そう思いつつ、時々、くすぐったく感じるが、脇の下や胸や太腿の内側なので、それは仕方が無いと思う事にした様だ。


 時々、軽くツボを押されると、疲れが抜ける様な感覚になり、とても気持ちが良いのだろう。


 口がだらしなく開いてしまったりしている。


 くすぐったさは、そのツボを押される時の、気持ちよさには叶わないのだ。


「じゃあ、一度石鹸を流すわね。 それと、あなたの髪の色がとっても綺麗だから、もう一度髪を洗うわね。」


 アンジュリーンが、そう言うと、頭にシャワーを当てられ、頭の石鹸が、シャワーの温水とともに流される。


 アメルーミラは、顔を伝わって流れていくのを感じるが、今度はしっかりと目を閉じて目に入らな様にしている。




 アメルーミラは、今まで、体を洗うにしても、桶の中に夏は冷水を入れて、その中に入って体を洗い、冬は流石に冷水では無理なので、手桶の中にお湯を入れて、タオルを濡らして体を拭う程度しか体を洗う事はできなかった。


 だが、今は、存分なお湯を使って、更に、石鹸というものを使って体を洗ってもらっているのだ。


(何だか、とても気持ちが良い。)


 体から疲れが抜けていく感覚に襲われて、一緒に、ここ数日の過去の記憶も流れる様な気分になる。


 男たちの嫌らしい顔が、何度も自分の前に現れては、自分の体で男たちの欲求を満たしていたこと、また、新たな男が欲求を満たした男は去り、また、新たな男が現れては同じ事をしていったのだ。


 アメルーミラも、最初は抵抗したのだが、何人もの相手をさせられると、抵抗することも叶わず、殴られたりと、痛い思いをするなら、男達の欲求を早く終わることだけを考えて、ただされるがままに一日中男達の相手をさせられたのだ。


 そんな記憶を、自分の周りに居る3人の女性が、全て洗い流してくれる様な感覚をアメルーミラは感じているのだ。


(なんだか、心も洗われる様な感じ。 幸せって、こんな感覚なのかもしれないわね。)


 アメルーミラは、とても清々しい気持ちになった様だ。


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