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アメルーミラのスリングショット

 

 アメルーミラは、スリングショット用のゴムと、フェーミラからもらった、固定用の革を持って、店を出ると、そのまま、南門に行って門の外に出る。


 さっき、歩いた時西門の方に林が有った事を思い出す。


 ただ、街中を歩く事で、人目につくより、早く帝都を出て、移動することにしたのだ。


 アメルーミラは、南門を出て、西門の先の林を目指した。


 それは、キツネリスのコアを手に入れた付近が、ちょうど、南側をずーっと西に向かって歩いていた時に確認していたので、林の方が、スリングショットの支柱になる素材を見つけられ易いと考えたからなのだ。


 それに、帝都の北には、大きな川が流れているのは、有名な話なので、河原に行けば石も手に入ると考えられるので、手頃な石を手に入れるには、丁度良い場所なのだ。




 アメルーミラは、林の入り口付近に入ると、手頃なY字の木を探す。


 落ちている木を探すが、使えそうな木が見当たらない。


 落ちている木は、木の皮が付いていたものばかりなので、ほとんどが朽ちかけているので、使い物にならない。


 少し力を入れると直ぐに折れてしまった。


 木の皮を剥がして乾かしたり、地面に接しない様に置いてあるなんて事は無かったので、地中の微生物や、虫の幼虫などによって、落ちている木々には、食い荒らされてしまった物ばかりしかなかった。




 アメルーミラは、林の奥に入った場合は、魔物の危険も有るので、林の浅い部分で探すが、落ちている木では、手頃な物が見つからないので、止むを得ず立っている木の枝を折ることにしたのだ。


 森の奥には、強力な魔物と遭遇する可能性も高くなると考えれば、この林の入り口付近の木の枝を折って使う方が無難である。




 アメルーミラは、上を見て手頃な枝を見つけることにすると、自分の力で折れる程度の枝で一番太い所を探す。


 それに合いそうな枝を見つけたので、木に登ってその枝にぶら下がり、反動を付けて一気に木の枝を折る。


 自分の思っていた部分より長く折れてしまった。


 支柱にしようと考えていたY字の付け根の部分が、5cm程の太さの枝なのだが、折れたところは、そのY字の部分から、1.5m程のところで折れてしまった。


 折れた部分も木の繊維に沿って折れてしまったので、折れた部分は、30cm程の所まで、中央で縦に割れてしまってから、もう一度折れて引きちぎられた様になってしまった。


(道具も無い状態で、枝を折ったんだから、上出来よね。)


 後は、手で折れそうな部分の枝を折っていき、持ち運びができる程度にすると、その枝持って、アメルーミラは林をでる。


 持っている枝を見ると、スリングショットと言うより杖になってしまったのだ。




 アメルーミラは、枝を用意できたので、その枝を加工するため、その折れた枝を持って、今度は石を探すため北に向かう。


 北に帝国を東西に流れる川があるので、その川に行くと川沿いに流れ着いた石を手に取る。


 長細い石を手に取り、上に持ち上げてから、足元の大きな石に思いっきりぶつける。


 投げ付けた石は、大きな石に当たって割れる。


 それを何度か繰り返し、手頃な石斧を作るのだ。


 何度か行うとそれらしい石に割れたので、石斧として使うことにする。




 刃物とまではいかないが、その石斧を使って、持ってきた枝を整える。


 見すぼらしいがそれでも、Y字の部分が出来た杖が出来た。


 杖の上のY字の部分をある程度整えたが、下は太さが7cm程有るので、木の皮を剥いてそのままにした。


 棒の長さが、120cm程度になる様にすると、枝分かれした部分の加工を行う。


 Y字の長さを左右同じにする様に、石斧で切れ込みを入れると、河原にある、大きな石の隙間を利用して枝を入れて折り曲げる。


 枝は、切れ込みを入れた所で上手く折れてくれた。


 杖は、自分の肩程の長さになってしまったが、それを持ち上げてかざしてみる。


(考えてみたらこん棒として使えるかもしれないわね。)


 そんな事を考えつつ、買ってきたゴムと貰った革の当て物をポケットから取り出す。


 ゴムを革の穴に通してから、ゴムをY字の上に結んで取り付ける。


 引っ張ってみて、ゴムが緩まないか確認する。


 引っ張っている間にゴムの結び目が取れないのを確認できたので、アメルーミラは、実際に撃ってみることにする。


 近くにある小石を手に取ってスリングショットの試し撃ちを行う。




 杖を地面に付けて左手で押さえてゴムを引っ張る。


 手を離すと小石は一気に飛び出す。


 30m程先で石が地面に落ちるのをみて、今度は、大きさを変えて色々と試してみる。


 小さければ遠くに飛ぶが、威力が落ちるが、大きければ、初速も遅く飛距離も延びない。


 何度か、スリングショットを試して、使い勝手を確認すると、使う石の大きさも決まってきた。




 その後は、目標に当てられるかの確認を行う。


 最初の数発によって、狙った場所に当てるのは、かなり困難だと、アメルーミラは思ったようだ。


 ただ、使う石を可能な限り表面が滑らかな物の方が、的に当たりやすい様に感じたようで、次に拾う石は、表面が滑らかな物を用意した。


 今度は、先程より、命中率が上がった様だ。


 アメルーミラは、目標の的に対して、誤差が、20cm以内になった事で、実戦に入ることにした。


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