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倒した時の状況と購入可能な武器


 カウンターの上に置かれたお金を見ると、アメルーミラは、このお金で何か武器を手に入れないかと、考えている。


 アメルーミラは、カウンターに置かれた中銅貨2枚を凝視していた。


 その表情を見て、ルイゼリーンは気になり声をかける。


「あのー、どうかなさいましたか。」


 ルイゼリーンは金額に不満なのかと思い声をかけた。


「いえ、このお金で、手に入る武器は、何かと考えていたのです。」


(武器の心配をするということは、仲間が居るわけでは無さそうね。 運が良かったみたい。)


 流石に、中銅貨2枚で買える武器は何も無い。


 せめてこの10倍の銀貨2枚も有れば、使い古された中古の短剣なら買えるかもしれない。


「流石に、この金額では、手に入れられる武器は無いでしょう。」


 そう言われて、がっかりするアメルーミラに、ルイゼリーンは自分の疑問を聞いて見る事にする。


「ところで、そのキツネリスはどうやって倒したのですか? 」


「えっ! 」


 アメルーミラは、下を向いたまま、何かとんでも無いミスを犯してしまったのではないかと焦る。


「あー、ごめんなさいね。 見たところ武器も無しで、どうやって、キツネリスのコアを手に入れられたのか、気になったのです。」


 ルイゼリーンが、何か疑っているのではないかと思っていたが、コアを手に入れた時の事を聞いただけなので安心すると、倒した時の事を話し始める。


「帝都の外壁沿いの、堀の脇を歩いていたんです。 何か武器になりそうな物を探していたら、突然、何かが襲いかかってくるのに気がついて、とっさに手で、顔をガードしたところに噛み付かれてしまったみたいだったのです。 それで、そのまま堀に落ちてしまったんです。 水の中で、左手に噛み付いた魔物は、そのままだったので、右手で引き離そうと、思いっきり掴んで握りしめたんです。 それが水の中での出来事で、そのうち、息が出来なくなって、水面に顔を上げて、気がついたら、右手に硬い物を握りしめてたんです。 それが、さっきのコアです。」


 話を聞いたルイゼリーンは、偶然でも、キツネリスを、握り殺してしまった、このアメルーミラの握力に驚いた。


 剣を使わせたら、それなりに使えるのかもしれないと思いつつ、このアメルーミラの才能が気になった。




 今回は、運が良かったのだが、素手で次の相手も倒せる様な偶然は、今後は、有り得ない。


 ギルドから剣を貸し出す事も可能だが、この娘の素質を面白いと思うルイゼリーンと、この娘は、恐らく帝国が雇った、ジューネスティーン達の密偵の下請けであると思われるのだから、ギルドとして、このアメルーミラに協力する様な事は、行えないと思っているのだ。


 ただ、ルイゼリーンは、彼女が、どれだけできる様になるのか気になった。


 剣を貸し出そうか、帝国の密偵として活動している、この猫の亜人なのだが、それと冒険者になったら、どれだけの才能を示してくれるのかが気になった。




 ルイゼリーンは、この相反する二つの課題をどう片付けるか考える。


 ジューネスティーン達の事を考えれば、この娘には死んでもらった方が良いので、このまま何もせずに素手で戦って死んでもらう方が良い。


 しかし、初戦でキツネリスを倒したこの娘の才能も見てみたい。


 恐らく、剣を貸し出せば、この娘は生き残るだろう。


 でも、立場上、そう言った事をすることはできない。




 なら、この娘の運に任せってみることにして、剣を貸し出す以外の提案をする事にしたのだ。


「スリングショットって、ご存じですか。 これも立派な武器になりますけど。」


 ルイゼリーンが言うと、アメルーミラはルイゼリーンの顔を見る。


 ルイゼリーンが笑顔で、声をかける。


「はじめて私の顔を見てくれましたね。」


 アメルーミラは、ルイゼリーンに言われて、はじめて気がつく。


 エルフの耳を持つルイゼリーンの顔を、アメルーミラは、初めて、しっかりと見た、その顔は、笑顔をアメルーミラに向けていた。


「何があったかは存じませんが、何も無い状態で、は魔物を倒すことができませんし、その予算では武器を購入する事もできないでしょう。 スリングショットも、買う事は出来ないでしょうが、スリングショットなら、ゴムだけあれば、自分で作る事も出来ますよ。」


 何も武器を持たない自分に、何か出来る可能性が出てきた。


 そう思うと、アメルーミラの表情が明るくなる。


「あのー、詳しく教えてもらえないでしょうか。」


「分かりました。」


 そう笑顔で答えると、ルイゼリーンは、スリングショットについて、簡単に説明を始める。


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