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初めてのコアの換金


 アメルーミラは、南門を抜けると、そのまま、ギルドに向かう。


 目的は、ギルドでコアの換金をして、何か武器を購入する事ができればと期待をする。


 そう思うと、足早になってしまったのだ。


 だが、そのことで奴隷商の目に止まる事も無かった。


 もし、奴隷商の目に止まったとしても、奴隷紋を刻まれた亜人であれば、捉えても奴隷紋を刻まれた亜人では、奴隷紋の解除に時間も労力もかかり、奴隷紋の解放の際に、自分の奴隷紋と異なる場合、術式解除のプロテクトに触れて仕舞えば、長く奴隷紋解放の苦痛を与えてしまい、最悪の場合は奴隷が死ぬ事もある。


 それで、奴隷を死なせてしまえば、奴隷商は大損になってしまう。


 捉えた奴隷を転売する事で、奴隷商は利益を得るが、奴隷を死なせてしまっては、死体の処理もだが、奴隷を捕らえた実行部隊への、賞与の支払いと出費のみが嵩んでしまう。


 特に、アメルーミラが、足早に移動した事が、アメルーミラにも奴隷商にも功を奏した。




 アメルーミラの奴隷紋は、一般の奴隷紋とは異なり表に見えない奴隷紋となっている。


 それに気づかずに奴隷紋を描いてしまった場合、魔法紋のセキュリティーが発動する事になるので、魔法紋を刻む側にも被害が及ぶ事も有る。


 奴隷商の実行部隊に、見つかる事が無かったのは、お互いにとって良い結果を生んだ。


 ただ、フゥォンカイは、ヲンムンにアメルーミラを販売した後、奴隷商の仲間達には、アメルーミラを帝国軍諜報部に売った情報を流している。


 万一、他の奴隷商にアメルーミラを拉致された場合、ジューネスティーン達に不和を生せられればと考えて、アメルーミラを送り込んだのだ。


 帝国軍にも、上手く動いて貰わないといけないので、下手な横槍が入らない様に、情報は流しているのだ。




 アメルーミラの格好が、汚れていることから、周りからジロジロと見られるのだが、大通りの真ん中を歩いてギルドに向かう。


 帝国では、一人で亜人が歩くと、亜人を攫う連中に出会すかもしれないので、一目の多いところを選んで進む。


 幸い、歩いた所には人目も多い所だったので、亜人攫いに出会う事もなく、ギルドのツ・バール支部に着くことができた。




 その頃には、服もある程度乾いていたので、入り口で埃を払ってから、ギルドの玄関を入る。


 先程の受付嬢の所に行くと、恐る恐る声を掛ける。


「コアの換金を、お願いしたいのですが。」


 そう言って、先程手に入れたコアをカウンターの上に置く。


 受付嬢のルイゼリーンは、コアを手に取ると、何のコアなのか見た目で確認する。


 そのコアを見たルイゼリーンは、少し表情を変える。


 アメルーミラは、その間が気になっている。


 何か問題が有ったのではないかと心配になる。


 ルイゼリーンは、コアの鑑定をするとアメルーミラに声をかける。


「かしこまりました。 換金の手続きを行います。」


 そういうと、コアを正式な鑑定の魔道具に置く。




 鑑定は直ぐにでる。


 鑑定結果を見ると、手に取ってコアの傷などの確認を行うと、アメルーミラに鑑定結果を伝える。


「キツネリスの魔物ですね。 珍しいコアをよく手に入れられました。 でも、愛玩用にしか使えませんが、レア種のコアは、ペットとして扱われるので、このクラスの魔物の中では、買取価格も高くなります。 では、換金させて戴きますね。」


 そう言いつつ、ルイゼリーンは、アメルーミラの事を考える。


(この娘、運が良かったの? それとも誰かに狩ってもらったのかしら。 弱い魔物ではあるけど武器も無く倒せる魔物じゃないのに。)


 ルイゼリーンは、中銅貨2枚をカウンターの上に置く。



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