表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1031/1356

アリーシャのリクエストとマントの取付位置


 チェルエールは、アリアリーシャのリクエストの、腕が出る部分として、マントの前に回ると、腕の手前に、二の腕の真ん中辺りから、裾まで、縦に白墨で直線を描く。


「これでどうかしら? 剣を出しやすい様になら、腕の手前辺りに切れ込みが入っている方が、具合がいいと思うけど、どうかしら?」


 マントに縦の切れ込みの入る部分に線が描かれているのを、アリアリーシャは見て、自分の戦闘スタイルを頭の中でイメージしているのだろう、その部分をジーッと見つめている。


「多分、それでいいと思います。」


「じゃあ、このマントの要求は、こんなところね。」


 そう言って、マントを外して、作業台の上に広げて、全体を眺める。


 左右対称になる様にと考えつつ、表側のラインを確認して、裏を確認する。


 背中の開く位置が若干ずれている様に思えるので、その辺りを修正して、肩甲骨のジョイント部分についいては、少し広めに開ける様にして多少のズレにも対応する。


 これで、このマントは左右対称に加工を施してと思うのだが、最後に大事な事を思い出した。


「あっ、取り付け方法。」


 そう思ってパワードスーツを見てからジューネスティーンを探す。


 ジューネスティーンは、ボタンを決めて、作業台の方に戻ってくるところだった。


 それを見て、丁度良いと思ったのだろう、ジューネスティーンに声をかけてきた。


「忘れていたわ、取り付け場所を決めないといけないから、ちょっと話をさせてもらえるかしら。」


「なら、取り付け用の突起をつけますので、パワードスーツに印でもつけてもらえませんか? 」


 チェルエールはジューネスティーンに促されてパワードスーツの後ろに来る。


 140cm弱のパワードスーツなので、チェルエールにも肩の部分は見る事が可能なので、2人で後ろに立つとチェルエールは指示を出してくる。


「肩のジョイント部分で開く様にしますから、ジョイント周りに前後に2箇所ずつ有れば、それと、背骨の付け根と、開閉部分の首回りに1箇所、あとは、前にマントの端を止める場所が有れば良いかな。」


 チェルエールは、話ながら、パワードスーツのボタンを取り付けて欲しい位置を、白墨で印をつけていく。


「それで、形はどうする」


 ジューネスティーンは、聞かれると、チェルエールが指示した場所に手を当てると、錬成魔法を発動させて直径1cm、長さ2cm程の突起を作っていく。


 背中のパーツに4箇所、肩には3箇所と顎の下の首元に1箇所右半身に付けるとチェルエールに聞く。


「こんな感じでよろしいでしょうか? この突起にマントを差し込んだら、後で、突起の頭を潰して固定します。」


 チェルエールは、ジューネスティーンが手を触れただけで、金属の形が変わってしまった事に驚くが、思った場所に突起ができたので頷いた。


 それを見て、ジューネスティーンは、左半身にも同じ加工をする。


「できました。」


 ジューネスティーンは、あっさりとパワードスーツに加工を施してしまった。




 ジューネスティーンは、無詠唱の錬成魔法で加工をあっさりと行ってしまったのだ。


 チェルエールは、作業台に置いてあったマントを取って、もう一度パワードスーツに当てて、位置を確認する。


 白墨で印を付けて元に戻す。


 錬成魔法なのだろうとは思うのだが、簡単に加工を終わらせてしまったので、チェルエールは、言葉を失ってしまった。


「これで、このパワードスーツは、終わりにしてよろしいでしょうか? 」


 アリアリーシャのパワードスーツへ取り付けるマントの設計は終わった。


「ああ、大丈夫だ。」


 チェルエールは驚きのあまり、軽いショックを受けている。


 これ程の能力を持った冒険者が、自分の店を利用してくれた事で、新たな顧客を得られたと思ったのだ。


 この加工を縁に、常連客に育てたいと思った様で、徐々にやる気が戻ってきた。


「よし、それじゃあ、残り4台も進めてしまおう。」


 やる気が戻る様に自分に言い聞かせるように言ったのだった。


 その調子で、残りも進めることができた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ