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パワードスーツの腰周りを確認するチェルエール

 

 チェルエールは、身長150cmの自分は、人を見上げる事はあっても、人を見下ろす事は無かったなと思い、成人女性に見上げられる感覚に新鮮さを感じた様だ。


「あのー、私のぉマントはぁ・・・。」


「ああ、ごめんなさいね。 直ぐに取り掛かるわ。」


 チェルエールは、作業台の上にあるアリアリーシャのマントを手に取ると、パワードスーツの前に立つ。


 搭乗用に開いているパワードスーツにどうやって羽織らせようかと考えていると、アリアリーシャが、その様子を見て、気を利かせて、背中にてを添えるとパワードスーツの背中を閉じる。


 直立状態にすると、左手で持っているホバーボードを、アリアリーシャが、受け取って床に下ろしてくれたので、チェルエールは、持っていたマントを、パワードスーツに羽織り首元の紐を結ぶ。


 流石に、首の部分が太いので完全に覆う事はできなかった。


 チェルエールは、仕事モードに戻った様である。


 それを見てアリアリーシャは少し安心する。


 アリアリーシャの身長が130cmなのだが、パワードスーツによって、足の裏の厚みと、ヘルメットの高さによって、生身の身長より、10cmとまではいかないが、少し高くなっている。


 また、130cmの身長には考えにくいほど、両胸の膨らみは大きい。


 チェルエールは、Hカップのアリアリーシャの胸を見る。


(羨ましい。 せめて、半分で構わないから、私に分けて欲しいわ。)


 チェルエールは、少しやりきれない気持ちになる。




 さっき、パワードスーツの内側を見た時に、その形に合わせた様に、作られているのを確認した。


 それに生身の胸に影響を出さない様になのか、胸の表と裏の装甲の厚みがある分、裾が床から高くなる。


 裾の高さが、膝より少し下までになっているのを見て、走る事を考えると、少し長すぎる様に思えた様だ。


 チェルエールは、自分の体で蹲み込んでみて、腰・膝の高さとマントの裾の長さを確認する。


 膝と腰の曲がり具合にもよるが、戦闘用に使うなら、膝下まで伸びているマントは、最低でも10cmは短くして膝の高さ程度にする必要が有るだろうが、あとは、好みの問題になる。


 チェルエールは、アリアリーシャに話しかけた。


「ねえ、あなたは、どの位の長さにしたいの? 」


 裾を眺めていたチェルエールがアリアリーシャに尋ねてきた。


「そうですねぇ・・・。 腰の垂れと同じ位で良いかと思います。」


 腰の垂れは、腰の外装骨格と股関節の関節部分をガードする為に、腰に取り付けられた金属の板が何枚か重なって取り付けられており、太ももを覆う筒状の金属の着けられない部分を隠す様に覆われており、大きなヒダの入ったミニのプリーツスカートの様になっている。


 腰の垂れの下、太ももの装甲が付いてない部分は、腰の金属パーツに取り付けられているインナーが気になって触ってみると、動物の皮膚の様なのだが、表面の肌触りが違う。


 かなり、すべすべとしており、何かの皮なのか布なのかは分からないが、強く触ってみると、内側には、織込まれた繊維がある様に思える。


 不思議な感触なのだが、その材質が何なのか、自分の知らない素材を使っていることだけは理解できる。


 ただ、側面からの攻撃では、腰の垂れを貫通するような攻撃は難しいが、足元から槍で刺される様な攻撃には弱い様に思えたのだ。


 しかし、落とし穴の様な罠にでも掛からない限り、下からの攻撃は有り得ないので、除外して動きを重視しているのだろうと、チェルエールは考えた様だ。




 マントの位置は、分かったので、チェルエールは、その長さのところに、白墨で線を入れる。


 腰の垂れがミニのプリーツスカートみたいだと思ったのだろう。


 パワードスーツの垂れを気にしつつ、マントの長さを確認している様だった。


 チェルエールは、思った以上に切るのかと感じてマントの中のパワードスーツを見て、ふと、腰から足がどうなっているのか気になったのだ。


 マントを持ち上げて、パワードスーツの腰を覗いている。


 チェルエールは、腰の垂れを持ち上げようとするが、自分の力では少し重いと感じたのだろう。


 諦めた様子で、パワードスーツの下から覗き込んでい。




 下から覗くと、T字の下着の様な感じの腰骨が金属で作られていた。


 そのT字の下着の様な腰骨を覆うようにU字の金属パーツが、左右から挟まるように取り付けられ、足の外側を沿うように一本の太い金属の棒が下に降りている。


 また、前から見て人の恥骨の部分に左右に二つ2本の分厚い金属が、シリンダーの様な突起に刺さっており、それが、腰回りを覆うU字の金属と繋がっている。


 後ろについては、手探りで触ってみると、金属の板は、腰を覆う様にU字に曲がって、尾骨の辺りで、前と同じ様に腰のT字の下着の様な金属に取り付けられていた。


 向こう側もT字の腰を覆う金属側にはシリンダーが付いており、腰を覆うU字の金具を差し込んで有った。


 足を開く際、このシリンダーを中心に動くのだろうと想像がつく。




 そのU字の外側には、太ももにいく金属棒が下に伸びており、気になって、腰の垂れを大きく広げて確認すると、U字の金具をレール代りに動く様に工夫されている。


 U字の金属を足に伸びた金属棒のパーツが動く事で、足を開いたりできるのだと、チェルエールは思った様だ。


 このU字の部分で、足を上手く動こかせるようにしているのかと思ったのだろう、更に腰の外側に目を向けた。


 U字のレールに取り付けられた足に向かう金属棒がどうやって取り付けられているのだろうかと気になったのだ。


 覗き込むと、U字のレールの直ぐ下に、取付けられたパーツには、かなり太いシリンダーが取り付けられて太ももに向かって伸びている金属棒が取り付けられている。


 足を前後ろに動かす為にシリンダーにリングが差し込まれているので、前後に動かす事も可能なのだ。


 でも、足を動かすのに蝶番を応用すれば良いが、足を捻る方向にも動かせる様に工夫されている事が凄く斬新な考え方だとチェルエールは思ったのだ。


 チェルエールは、マントの事を忘れて、パワードスーツの構造を確認してしまっていた。


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