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アリーシャのマントの寸法合わせ


 チェルエールは、シュレイノリアが飾りボタンの材質について、最初は、何か必要な条件が有るかと思ったのだが、話を聞いているうちに、何でも良いと分かって、少し気が抜けた。


 それをボーッと、男子3人が見ていたので、少々、八つ当たりをしてしまった様だ。


 作業台に戻ると、チェルエールは、アンジュリーンとアリアリーシャを呼ぶ。


 デザインについて何か要望は無いか、実戦用に何かリクエストは無いか確認する。


 そんな中でアリアリーシャを見てから、作業台の上に乗ったマントを見て、丈の長さが気になる。


「ねえ、あんたのマントの丈だけど、少し長すぎないか? 」


「はい、私の身長だと、子供用になってしまったので、流石にデザイン的にも子供用でしたので、遠慮させていただきました。大人用は少し長いので、後で切って使おうと思ってましたぁ。」


「そうかい、じゃあ、一緒にそれも直しておくか。 鎧は着てないけど、とりあえず身につけてみてくれ。」


「わかりましたぁ。」


 アリアリーシャはマントを羽織ると、裾はくるぶし近くまで有り、そのまま歩くと、裾を踏んでしまいそうな感じだった。


「ねえ、これだと、戦闘中に裾を踏んで倒れてしまう事も有るわね。」


 それを見ながら考えるチェルエールは、アリアリーシャのマントの肩の部分を、摘んでみては、裾の長さを確認するのだが、胸や背中の厚みとかも考えつつ、裾の長さを確認していると、どうしても部分的に見ることは出来ても、上手く全体を見る事ができない事がもどかしく思った様だ。


 一旦、離れてから見て、どうしたものかと考えるが、答えは一つしかないと思い、ジューネスティーンに話をする事にすると、ボタンの棚に居るジューネスティーンをみる。


「ねえ、このままだと、上手くマントを取り付けられないかもしれないわ。 この子のマントだけど、裾の長さを、どうするか考えてたのだけど、肩・胸・背中にどの程度の鎧の厚みが有るかとか考えてみたのよ。 でも、その微妙な厚みとかを考えてみると、実際に見て当ててからの方が良いと思うのよ。 例えば、帝都の中でこれを着て歩く程度なら、多少の長さの違いは問題にはならないと思うのだけど、あなた達はこれを着て戦闘をするのなら、走る事も考えなければならないでしょう。 少し前傾姿勢で飛び出そうとした時に、裾を踏んでいて躓いたら作戦が台無しになってしまうわ。 それなら、実際にマントを鎧に当てて、寸法を決めた方が良いと思うの。」


 ジューネスティーンは、言われてみればその通りかと思う。


 見た目だけの問題では無く、行動中に邪魔にならないというのは重要な話だと考える。




 それなら、実際にパワードスーツを出して、マントを当てて寸法を決めたり、開閉部についても、背中だけでなく、肩と腰についても開閉することを考えたら、その方が良いと思う。


「そうですね。 実際に細かな部分の細工とかを考えたら、実際に当ててみて加工してもらった方が早いですね。」


 ジューネスティーンが、パワードスーツを見せようか考え出した様だ。


 それを見て、チェルエールは、新たな発想から作られたフルメタルアーマーが、見られるかもしれないと思い、嬉しそうな顔をしている。


 石板に描かれた鎧が、どう見ても、一般的なフルメタルアーマーとは異なり、かなりの重装備なので、重さから、全く機能しないのでは無いかと考えていたのだ。


 それを見れると思うと、自分の疑問が晴れると思うと、心がウキウキしてしまうのだった。


 だが、そんなに大掛かりな物であれば、手ぶらで入ってきたジューネスティーン達では、今直ぐにとはいかないと思うのだった。


「じゃあ、鎧を着けてうちの店に来てくれません。 一旦、戻ってから来る事になると思うけど、5人分の装備の時間とか考えたら、かなり時間が掛かりそうだから、寸法合わせは明日にしようか? 」


 チェルエールの言葉にジューネスティーンは、すぐに出すことができるのだから、その提案を否定する。


「いえ、明日にする必要はありません。 今、出しますので、それでマントを当てて、寸法や切り込みを入れる箇所とかを、現物合わせで加工する箇所を決めてください。 それにパワードスーツの方に取り付け箇所を決めてから、その部分を自分が加工して、マントを取り付けられる様にします。」


 本来なら、パワードスーツを見せる様な事はしないのだが、自分達でマントの加工をする事を考えたら、慣れてない縫製作業を自分達が行うよりチェルエールに頼んでしまった方が簡単かと、ジューネスティーンは考えたのだ。


 ただ、チェルエールは、今、出すと言っていたジューネスティーンが何を言っているのかと思った様だ。


「いや、今は流石に無理だろ。」


 マントを持ってはいたが、それ以外は、手ぶらで何も持っていない。


 フルメタルアーマーを6人分となれば、手で持ち歩く様なレベルでは無く、馬車の中に入れて移動となる。


 この工房区の中でも、馬車の移動は、許可制で、店に荷物の搬入の為なら許可は出るが、ジューネスティーン達の様な、一般的な顧客に、工房区内を馬車で移動する許可は、そう簡単には出ない。


 また、店の外に馬車を止めているとは到底思えないし、入ってくる前に馬車の止まった形跡も無かったのだ。


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