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帝都

 

 カミュルイアン、アンジュリーン、シュレイノリア、3人のパワードスーツの組み立てが終わった翌日は、朝食をとった後には、金糸雀亭を出てイスカミューレン商会を目指した。


 金糸雀亭の前の通りを抜けて、南門から皇城に向かう大通りに出る。


 帝都は、南門から、真っ直ぐに進むと、皇城に行けるのだが、第九区画の金糸雀亭から進むと、南大通りを真っ直ぐに北へ向かうことになる。


 その際、第二区画へ入る時と、第一区画へ入る時に、旧門をくぐることになる。


 大ツ・バール帝国の帝都は、徐々に広がっているので、各区画が出来るたび城壁を作り、魔物の侵入を防いでいた。


 また、戦争になってしまった際に、皇城を守る為の城壁にもなっているので、どの区画に入るにしても、強固な城壁と門になっている。


 ただ、その二つの門は、現在は、帝国を攻撃する様な情勢にはなっていないので、どの門も、門番は居るようだが、門を抜ける際に呼び止められる事はなく、ただ、門の管理の都合上、詰めているだけの様だった。


 南大通りは、何処も同じ作りになっており、通りの中央に運河が流れており、その両脇を馬車用の車道と歩道が運河と並行して作られている。


 門の手前は道幅と同じだけの広さの広場が設けてあり、その先から、運河が門とほぼ同じ幅で作られているので、門をくぐるときは、大通りをまっすぐ進んで、門の手前のクランクを曲がって入る必要がある。


 ジューネスティーン達は、観光がてら、徒歩で進んで街並みを見ながら進んでいった。


 ただ、南大通りの建物は、東西に走っている大通りに面して建っている建物とは異なり、南大通りに面する建物は、すべて同じ作りの3階建てになっており、建物の高さもすべて一緒になっている。


 そして、南通りに面している建物に屋根は無く、屋上の様な作りになっている。




 3階は一般的な窓になっているのだが、2階と1階については、大きく異なっている。


 1階は縦長の細い窓が、床から天井まで連なる様に何本も壁にあり、その細さは、人の子供がやっと頭を通す事ができる程度にしかない。


 そして、建物の入り口はどれも一つだけで、入り口には、頑丈そうな金属の外扉が付いている。


 その外扉は、今は、外に開いており、扉は、壁に固定されている。




 また、2階の窓については、一般的な窓になってはいるのだが、外扉が金属製でできており、開いて、外壁に張り付いたように止まっている。


 ただ、そんな重圧的な作りになってはいるのだが、壁や扉は、白を基調として、塗られており、所々に花や木々の絵が描かれていて、構造の重圧感を抑える様になている。




 帝都は、北に東西に流れる川に面して作られている。


 帝都の北は、その北の川を利用した自然の堀として使って、城壁を築いていて、帝都の東西と南の堀には北の川の水を引いており、その河川を使った簡易的な上水道と下水道も築かれている。




 帝都の北の中央には、皇城があり、その皇城の周りは、貴族街となっているのだが、第一区画と貴族街の門は、門番が立っており、通行には許可が必要となる。


 貴族街は、ちょうど、コの字型に皇城を東西南を覆うように配置されているのだが、高い城壁に囲まれているので、第一区画からは見る事ができない。


 その周りを覆っている城壁は堅牢で、城壁の四隅には、高い櫓が備わっている。


 また、南側の城壁には、四隅の櫓の他に、南門と四隅の櫓の中央に2箇所、同じような櫓が備わっている。




 帝都は、城塞都市としての機能も備わっており、有事の際は貴族街を中心に皇城の防衛がおこおなわれる様になっている。


 皇城と貴族街の周辺は、平民の民家・集合住宅の住宅地と、商業区、工房区など、丁寧に区画を区分して造られている。


 かなり大掛かりな防衛システムになっている。




 貴族街の南に東西に同じ幅で、わずかに皇城より南北は狭い敷地になり、面積としては、皇城の6割程の第一区画、更にその手前に第一区画と同じ面積の第二区画、皇城の西にほぼ正方形の第三区画、東ににも第三区画と同じ様に第四区画、更に第三区画と南の第一・第二区画に面した部分が第五区画、東の第四区画と南の第一・第二区画に面した部分が第六区画となる。


 大ツ・バール帝国は、建国後364年を経過しており、その間に大量の人口流入があったので、その都度、帝都の区画を拡張してきたのだ。


 現在では、ギルドの支部の建設のために新たに、第二区画と第五区画の手前に、第九区画まで広がっている。




 なお、城下町の第6区画までは戦争に備えた城壁なので石造りで完成しており、塀の手前には深い堀もある。


 平地に作られた城塞といった出立になっているが、第7区画から第9区画までは残りの区画の開発も、完全に済んでないこともあり、城門付近以外は魔物が入る事が出来ない様に、木製の城壁になっている。




 第二区画から第六区画までは、同時期に開発が進められた、その時期は、帝都周辺の農地の所有を目的とした農民の流入で、移民による帝国への人口増加が急激に増えた時期であった。


 そのことによって、一気に帝国を他国に知らしめた時期といえる。


 なお、流出した国に於いては、自国の住民を賄える程の、農業生産量が、確保出来なかった時期でもあり、帝国の住民引き受け、特に農家の三男以下の移住に協力したという。


 人口増加に伴って、帝国の商業・工業の需要が増えたことで、皇城を中心に城下町が発展した。


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