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買い物の予定


 また、帝都で買い物に行けると思うと、アンジュリーンとアリアリーシャは、笑いがとまらない様だ。


 この前のルイネレーヌの話から、1人で帝都を歩き回るのは、危険が多いので、1人2人で出歩く事はできないと思って、買い物をするにも、ジューネスティーンに伺って、カミュルイアンやレィオーンパードの事も考えなければならなかったのだ。


 そんな事もあり、買い物については遠慮気味にしていたのだが、ジューネスティーンが、買い物に出かけようと言ってくれたので、2人は、大喜びとなった。


 ただ、大っぴらに、気持ちを表すと、レィオーンパードやカミュルイアンから、何を言われるか分かったものではないので、表情や態度は抑え気味にしていた。


 しかし、堪えきれずに、アンジュリーンが、アリアリーシャに声をかけた。


「なんか、あのマント可愛かったんだよね。 縁の刺繍なんて、生地と同じ色の糸で出来ているから、何だか見えないところまでお洒落に気を遣っているって主張しているみたいで気になっていたんだよね。」


「私も少し味気ない感じだったので、良いと思いますぅ。 それにマントの下に剣を隠して忍び寄るのって、ちょっと、カッコイイですぅ。」


 その話を聞いてジューネスティーンは、レィオーンパードとカミュルイアンを見ると、マントを付ける事には微妙な反応をしている。


「俺は前衛だから、音が消せるのは有り難いけど、何だか邪魔になりそうな感じもするんだよな。 でも、ヒットアンドウエイの攻撃がメインだから、相手に構えられると、攻撃を避けながらになるから命中率も下がる。 気付かれずに近付けるのは、有り難いかもしれない。」


「オイラも弓を引く時に引っ掛かる様な気もするけど、弓を引く時に出る弦の音とか、静かに狙撃する時とか結構気になるんだよな。 それも合わせて、音が消えてくれるなら、その方が有難いけど・・・。」


 疑問に思っていた部分を聞いてみる。


「マントの外に出た腕の音も同様。 自分の周辺の音を拾って、逆相の音を出す。 弦の音も同様だ。」


「なら、カッコいいと思うから、マント付けるよ。」


 全員マントを付ける事で納得した。




 4人が、マントを付ける事に同意してくれたので、ジューネスティーンは、実際にマントを取り付ける時の事を少し考える。


 マントは有難いのだが、背中のアタッチメントをどうするかと思ったのだが、直ぐにシュレイノリアのパワードスーツを見て、スリットを入れてアタッチメントを外に出せば問題無いと気付く。


「じゃあ、明日は買い物に行くか。」


 それに、アンジュリーンが反応した。


「じゃあ、じゃあ、デザインとかも気になるから、最初にブティックに寄って、色々、見てからにしましょう。 せっかく作るなら、カッコいいのとか、可愛いデザインにしたいじゃない。 それに、パワードスーツのサイズの物が有れば、そのまま使えるかもしれないし、そうなら、縫製作業も飾りボタンの取付だけで済むから短時間で済むわよ。」


 そういうとカミュルイアンが、ジト目でアンジュリーンを見る。


「おまえ、本音は、帝都のお店を見て回りたいだけじゃないのか。」


 図星を突かれたアンジュリーンは、困った様な表情をするが、それを何とか隠そうと、自分の買い物に行けるので嬉しいという表情を押さえ込もうと必死になる。


「なっ、何を言っているの。 上手く行けば作業時間の短縮になるからよ。」


 ちょっと顔を赤らめている。


「俺もデザイン、色々、見てみたい。 音が消せるけど腕が伸ばしにくいとか引っ掛かるとかは困る。 前衛でマントが引っ掛かって、刃が当てられなかったなら、本末転倒だから、色々、見て使い易そうなデザインにしたい。」


 レィオーンパードがそういうと、ジューネスティーンも、時間の短縮になるなら、既製品を使うのも有りだと思った様だ。


「まぁ、既製品でまかなえればそれに越した事は無い。 大きめのサイズが有れば良いけどな。」


「私ならサイズ的に既製品でも間に合いそうですぅ。」


 身長130cmのアリアリーシャは、自分の身長なら、既製品でも使えそうな物があるだろうと思った様だ。


 周りは、アリアリーシャを見て、その言葉に納得する様な表情をしていた。


 そういう事で、話が決まって翌日は、パワードスーツのマントを用意する事にする。




 その話を聞いたカインクムが、ジューネスティーン達に提案する。


「なら、旧市街にイスカミューレンの商会が良いぞ。 帝国貴族なのだが、爵位を持たない変わり者貴族で、俺たち平民にも気軽に接してくれる。 あの人が、いなかったら帝国の商業も、ここ迄発展はしなかった。 帝国一の大商会だから、お目当ての物が見つかるかもしれない。 行ってみたらどうだ。 帝国に来てイスカミューレンの商会に、立ち寄らない人は居ないと言われる程の店だ。 冒険者だって、立ち寄る事もあるのだから、兄ちゃん達が行っても気にする人は居ないさ。」


 そう言われて少し安心する。


「じゃあ、明日、イスカミューレンさんの商会に伺ってみます。」


「南門から真っ直ぐ皇城に行く道を行けば直ぐに分かる。 第一区画の門をくぐって、すぐ、右側になる。 その一画は運河で覆われている。 その区画がイスカミューレンの商会だ。」


 ジューネスティーンは、カインクムの説明を聞いて、第1区画の中にも運河で覆われた区画が有ると聞いて不思議に思った様だ。


「へーっ、何だか、皇城を守る為の出城みたいな作りですね。 ・・・。 分かりました。 行ってみます。」


 ジュエルイアンは、イスカミューレンの商会の話が出てきたので、少し困った様な顔をする。


 しかし、不用意に自分からイスカミューレンの話をしてボロが出ても困ると思ったのだろう。


 黙って聞いているだけだった。


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