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拍子抜けするシュレ


 一方、ジューネスティーンは、シュレイノリアが、音を相殺するボタンを人数分用意していたことについて話していた。


「おまえ、用意が良いな。」


 ドヤ顔をして胸をそるシュレイノリアが一言言う。


「何事も一手二手先を見て行動する。」


 ちょっと、してやられたという顔をするジューネスティーンに、追い討ちをかける。


「あんたの口癖だ。」


 完全に、してやられたと思うジューネスティーンが、少し引きつり気味にジューネスティーンは答える。


「ありがとう。 シュレのおかげで、問題が一つ解決できた。」


「どうした? 何だか、素直だな。」


 シュレイノリアは、ジューネスティーンが、素直にお礼を言ってきたので、少し拍子抜けした様だ。


 シュレイノリアとしたら、ジューネスティーンが、何か言い訳の様な事を言ってくるだろうと思っていたのだ。


 それを言いくるめるために、何か反論する内容を用意していたのだろう、それが、素直にお礼を言われてしまったので、考えていた言葉を使う必要がなくなってしまったのだ。


「それだけなのか? 」


「ああ、本当に助かったよ。 シュレのおかげで、音の問題がクリアーした。」


 ジューネスティーンは、シュレイノリアの思惑を、裏切ってしまったのだが、その事には気が付かなかったのだ。


 シュレイノリアは、ジューネスティーンを言い包める機会を失って、少しがっかりしている様だ。


 そんなジューネスティーンとシュレイノリアの、やり取りを聞いていたアンジュリーンが、音を消すボタンについて意見を言ってくる。


「ねえ、そのボタンなんだけど、装甲に直接付けたら良いんじゃ無いのかしら? それなら、直ぐにパワードスーツに取り付けられると思うのだけど。」


 横から口を出してきた。




 それを聞いたシュレイノリアが、勝ち誇った様な態度をする。


 シュレイノリアとしたら、その質問が来るだろうと思っていたのだろう、笑いを堪える様な表情で、アンジュリーンの質問に答える。


「音は振動が空気を伝わっていく現象、振動を作るには、金属に固定されているより、宙に浮いていた方が振動しやすい。 だから、マントが最適、ヴイ!」


 そう言って右手でVサインを出す。


 シュレイノリアの話を聞いた、ジューネスティーンは、振動させるボタンの事を考えていた。


 パワードスーツが出す、音の周波数を考えると、金属に固定されているより、マントの様なもので固定されている方が、音の振動を出すには都合がよいと思った様だ。


「確かにそうだ、音は空気の中を伝わる振動だし、波は同相なら2倍になるが、逆相の波形が来ると打消してゼロになってしまう。 それに音を出すために振動させる物なら、それは硬い物に固定されているより宙に浮いた物に付けておいた方が効率よく出せるだろう。 中々、理に叶った方法だと思う。 完全に音を打ち消せなかったのは、拾う音と出す音とのタイムラグか、音の出た位置と飾りボタンの位置のズレによるものだろう。 それで、生地が必要になるのか。」


 そういうと、ジューネスティーンは、結論を出す。


「じゃあ、全員のパワードスーツにマントを付ける事にしようか。」


 それを聞いて喜んだのは、アンジュリーンとアリアリーシャで、男2人同様に、ジューネスティーンがシュレイノリアをパワードスーツから出される一部始終を見ていたのだが、全く声を出せずにいたのだが、横に出ているシュレイノリアのパワードスーツのマントがとても素敵に見えていた。


 特に、金属剥き出しなので、アンジュリーンとアリアリーシャには、機械的な外装がどうも好きにはなれなかったので、少しでも何か綺麗に見える様にできるのは嬉しいのだ。


 それに、また、買い物に出れると思ったら、嬉しさが込み上げてきた様だ。


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