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 地図ワープで共通棟2階にやって来ました。


 共通棟は各課に関係ないスキルについての授業を行ったり、学園長室や職員室があったりする校舎のようです。


 さっそく薬草学の授業が行われる教室……ええと、ここかな。


 うわ、結構な人がいますね。

 デフォルトのブレザー制服とマントじゃない格好した人たちは、ダンジョンで装備をゲットしたのかな?


 とりあえず好きな席に座ればいいと思うので、テキトーなとこに座りましょうかね。


 すみません、ここ空いてますか?


「え、ああ。空いてますよ」


 ありがとうございます。


「すみません、そのアバター凄い小さいですけど、年齢っていくつですか?」


 え、はい。

 12歳ですよ。


「12ぃ!?」


 いまザワっとしましたね、教室全体が。


 ちょっと、なんですか。

 みんなこっち見るの止めましょうよ……。


「掲示板だと最年少は14歳だったんですよ。一気に更新しましたね」


 ま、まあそのようですね。


 ……始めの方から視聴している方は知っていると思いますけど、学園長から最年少だと言われましたからねえ。

 まあ後続のプレイヤーが記録更新してくれるのを期待しておきましょうか。


 うう、なんかスクショ撮られてるっぽいですねえ。

 落ち着かない……早く授業始まれ。


 お、先生が来ましたね。


 エルフのお姉さんですよ。

 細いフレームの眼鏡がキマっててデキる女って感じですね、憧れます。


「私の名はセシーリア。薬草学を担当しています。それでは早速、薬草学の授業を始めます。今期初めての薬草学ですね。以降ずっと休まずに出れば、単位がもらえるからサボらないように」


 ほほう、単位?

 大学みたいな感じですね、後で調べておきましょう。


「まずはこれを見てください。最も基本的な薬草であるヒール草の現物です」


 ヒール草って……また雑なネーミングですね。

 いや分かりやすいので楽でいいですけど。


「森の迷宮である初心者ダンジョンによく生えています。持ち帰れば受付に学内通貨で買い取ってもらえますし、【錬金術】や【調合】のスキルがあるならポーションの材料にすることもできますね。ポーションのレシピは初心者ダンジョンに入れば入手できるから、ここでの紹介は省かせてもらいますが」


 ほほう、レシピはダンジョンに行けば手に入るとは、いい情報ですね。


「ヒール草を見つけたら、採取用ナイフを使って葉の部分を取ってください。一つの茎から2~5枚程度を採取できます。全て葉を取っても、生命力の強いヒール草はすぐに葉が生えてくるのでご心配なく」


 なるほど、葉っぱが必要なんですね。


「次に……これが毒消し草です。初心者ダンジョンの中層以降で目にすることになるでしょう」


 ドクダミっぽい見た目ですね。

 えー、これ形を覚えておかないといけないんでしょうか。


 私、あんまり記憶力には自信がないのですが。


「毒消し草はやはり葉の部分を採取してください。これはそのまま食べても毒を回復することができます。ただしとても苦いので敢えてオススメはしませんが念の為、覚えておくといいでしょう。ちなみに解毒ポーションの材料になります。解毒ポーションは苦くないですし、しばらく毒を防ぐ効能もあります。スキルで自作するか、購買などで購入することをオススメします」


 ほうほう、ポーションにすると耐性がつくんですね。

 入手難度も高くなさそうですし、【調合】を取っておいて良かったですね。



 ううーん、じっと座っていたからちょっと疲れましたね。


 メニューのアイテム図鑑にヒール草と毒消し草が登録されたので、形を忘れたらこれを見れば大丈夫ですね。

 いやあ一安心です。


 さて、早速ダンジョンに……行こうかと思いましたけど、ちょっと購買に行って課金アイテムを購入してきますね?

 パッケージタイトルに課金するのって抵抗ある人も多いと思いますけど、『マグ学』ではひとつ確実に課金しておいた方がいいものがあるので、それを紹介がてらもうちょっとガチャを引いておきたいと思います。


 ええそうですよ、ガチャも引きますよ!


 どうせソロならパートナーは3体まで出せますから、最低2回は回さないと……。

 できればモフい奴が出てくると嬉しいんですけどね。


 さあて、ちょっとヘルプを確認しますね。

 課金……と。


 ああ、購買に行けば購入できるみたいですね。

 共通棟の1階ってことはこの下ですか。


 同じ校舎内とはいえ広いので結構な距離を歩かされそうです。

 地図ワープで購買に直接飛べるので使わない手はないですね。


 はい、着きました。


 うわあ、混んでますねえ。

 初日ですからこんなもんかもしれませんが。


 直接店員のNPCと会話しながら買い物するのは諦めて、ウィンドウ越しにやりとりしましょうかね。

 リアルマネーが絡みますから、分かりやすい方がいいですしね。


 ええと、この「特別な品揃え」というのが課金アイテムの購入メニューみたいですね。


 これ、このアイテムが超重要なんですよ!

 見えます?

 『高度な知性』というアイテムなんですが、……1000輝石/月、つまり月額1000円のアイテムです。


 せっかく月額無料で遊べるのにわざわざ月額課金するのには理由があります。


 実はこのアイテム、パートナーにAIを割り当てることができるものなんです。

 つまりサーバーレンタル代なんですね。


 『高度な知性』をもたないパートナーは基本アルゴリズムに従って行動するそうです。

 PVを見た感じ、そう悪い動きはしなさそうですが……それでも学習能力のあるAIを組み込むメリットの大きさはディレクターが語っています。


 なんと『高度な知性』を導入したパートナーとは、会話をすることができるようになるのです!


 もちろん戦闘時の行動も学習し、敵に対する効果的な行動などを覚えていくのだとか。

 いやあこれもう、導入しないわけにはいかないでしょう!?


 というわけで『高度な知性×3 お得セット』とマナ金貨500枚を購入します。

 5回も回せば私好みのモフモフが出てくるでしょう。


 正直、沢山のパートナーがいても戦闘に出せるのは3体までなので、ガチャをあまり引きすぎると持て余すだけなのは目に見えてます。


 というわけで早速、ファンタズム召喚課の校舎に行ってきます!


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