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古(いにしえ)の薔薇  作者: Kazu
33/38

焦る気持ちと・・・・(前編)

いつもありがとうございます。


よろしくお願い致します。


 ジョシューの部屋を出る前、アゼリアードに万全を期したいので数日に1度ジョシューに魔力を使うため、薬草室に迎えに来るよう伝え、アゼリアードは深く頷き、ローズの指示に従うことを約束した。



 あれから数日後、約束通りアゼリアードはローズを迎えに薬草室を訪れた。


「薬もできているから、持って行こう」

「ローズ様の治療の始まりですね」


 アゼリアードは何処となく嬉しそうだ。


 長く前国王(ジョシュー)に仕えたのだ。少しでも長く生きていて欲しいと思うものだろう。

 ローズが治療に関わることで、前国王(ジョシュー)への負担が減ることはよく分かっているのだから尚更だろう。

 辛くなく、少しでも長く生きてもらえる。

 長く仕える者にとってこれ以上のことがあるだろうか。



 アゼリアードに案内され、ジョシューの部屋を訪れ、微量の魔力を流し約束の薬を内服させる。


「この前会った時から少し体調が良いように思う」


 ジョシューの声音はまだまだ力ないものだったが、前回より言葉数が多いように感じた。


「それは何より」


 ローズは残りの薬をアゼリアードに渡し、1日1回飲ませるように説明した。

 今のジョシューの状態から考えると体力の回復は身体に負担がかかりすぎる。今ある体力を温存して、魔力で体調を整える日にほんの少し体力を回復する薬を使うというのが1番であろう。

 無茶な治療計画だと死期を早めるだけである。


「アゼリアード。他の薬師の処方している薬を見せもらえるだろうか?」


 チラリとアゼリアードに視線を向ける。

 ローズの意味することが分かったのか、静かに頷くと、幾つかの水薬の入った瓶を持ってきた。


 数本の瓶を受け取り、1つずつ蓋を開けては臭いを嗅いでいく。数本の薬瓶のうち2本だけを別にし、その2本の薬瓶を交替で目の高さまで掲げ光に透かしてみる。


「・・・・・なるほど・・・・・」


 今いる薬師の中にもローズのお眼鏡に適う者がいたのだろうか、2本のうちの1本だけをアゼリアードに渡し、問うた。


「この薬を処方したのは誰だ?」


 ローズの表情からは何も読み取れず、アゼリアードも困惑した様子で返答に困る。どうしたものかとローズを見返していると、ローズはアゼリアードの瞳から聞きたいことを読み取る。


「・・・・・ゼーダか・・・・・。あの男は室長・・・・か?なるほど」


 ローズの言葉にも驚くことなく、只々話さなくてよくなったことにアゼリアードは安堵した。


「ゼーダ様の薬が何か?」

「この薬だけ、出来が違うからな。かなり勉強をしているのだろうと思って・・・・

 只なぁ・・・・この薬では役に立たん。

 問題なのはこちらの薬だ」


 そう言って、臭いを嗅いで選り分けた2本のうちのもう1本を指示(さししめ)した。


「この薬は誰が処方した?今、この薬は飲んでいるのか?・・・・・・・・・・」


 ローズはアゼリアードに詰め寄り質問を浴びせる。チラリと薬瓶を見た後、ローズに視線を移すが何処となく言いにくそうに()を伏せる。


「・・・・・その薬は・・・・・トルトリーア様の処方でございます」

「・・・・トルトリーア・・・・・」


 小さく口の中で籠るように発した後、最近の記憶を手繰り寄せる。

 トルトリーア・・・・聞いたことがある名だと、それも極最近聞いた名だ。


「そうか。ルーシュに聞いたんだ」


 薬草室にローズの部屋を用意してもらい、薬草室のメンバーを紹介してもらった時に聞いたことを思い出した。名前だけで顔は見ていない。殆ど与えられた部屋に籠り出てくることがないということだった。

 薬草に関しては独学だが、ゼーダ同様かなり勉強しているようでとても詳しいということだった。


 手に持つ薬瓶を眺める。


「その薬に何かござますのでしょうか?」


 ローズの様子にアゼリアードは不安げな表情で問いかける。

 ローズは薬瓶から視線を外すとアゼリアードに落ち着いた口調で問いかける。


「薬の減りは少ないが・・・・どれくらい内服した?」

「1日1回、3日ほどでございます」


 不安を隠し答える。


「3日か・・・・。それくらいなら、そこまでは・・・・

 状況の説明をしておきたい。ゼーダが室長・・・・薬草室の管理者なのだろう?

 ここへ呼び出してくれ」


 ローズの様子にアゼリアードは頷くと女官を呼び、薬草室にゼーダを呼びに行かせた。


 ローズは部屋の片隅に置いてある花瓶に目を向ける。

 花瓶には数本の薔薇の花が挿してある。


「・・・・約束・・・・守られているのだな・・・・」

「はい。それは勿論でございます。この国の為ですから」


 ローズの呟きに律儀に返事を返す。


 薔薇の花から視線を外し、アゼリアードを振り向くと前国王(ジョシュー)の部屋の扉を控えめに

ノックする音が聞こえてくる。


「ゼーダだ」


 薬草室長であるゼーダの気配を感じ取り呟く。アゼリアードに扉を開けるように促すと、扉の前には(こうべ)を垂れたゼーダがいた。


「ゼーダ様。どうぞこちらへ」


 アゼリアードに促され、ローズの目の前に連れてこられる。


「・・・・どういうことだ?

 前国王陛下が呼んでいると聞いたから慌てて来たというのに、何故この新人が?」


 ローズの前に連れてこられたことを不審に思いアゼリアードを睨みつける。



お読みいただきありがとうございます。


本日更新は前編となっております。

続きは早々に更新したいと思います。


遅筆ですが頑張りますので宜しくお願い致します。


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