施す治療は・・・・
週一の更新に間に合いました〜
宜しく御願い致します。
数時間後、用意された薬草室のローズの部屋は思っていた以上に快適なものだった。
高い位置にある窓からは十分な光が降り注ぐ。しかし、薬草棚までは届かず、良い具合に陰になってお右派り保存する薬草を選ばない、合理的な設計になっていた。
調合する道具も数百年前からは想像もつかないほど進化していた。
大凡でしかなかった秤も、細かい重さまで量れる分銅が出来ており、抽出時温度管理が出来るように温度計が取り付けられるようになっていたり・・・・・
「・・・・あの男、私が教えたこと細かくメモしていたからなぁ・・・・。それでも、ここまでとは。努力してきたのだな・・・・」
呟いた声にロウが鼻を鳴らす。
『ローズは甘いからな』
薬草室を見渡し、『薬草室がこれだけ進歩しているのもローズのおかげだ』と数百年前のことを思い出しているようだった。
ロウの様子にローズはクスクスと笑いながら、ロウの頭を優しく撫でた。
「取り敢えず、必要な薬草を集めようか~」
ローズは与えられた部屋を出て、薬草棚に向かう。薬草棚の前で、ジョシューの状態を思い出し、保存されている薬草を1つずつ吟味し選んでいく。
体力を温存させ、削られる命を繋ぎ止める・・・・
薬草だけではやはり難しいという結論しかない。
「魔法を混ぜ込むしかないかぁ・・・・・」
小さく呟き、吟味していた薬草を棚に返す。
「ここにある薬草だけでは難しいなぁ・・・・・。家にある薬草も使わないとなぁ・・・・・」
ローズが魔法で保存している薬草が自宅の薬草棚にある。
普段は使うことのない、市場にも出回ることのない貴重な薬草をローズは何十年もかけて採取し、魔法で保存している。薬草の効果が切れないように・・・・・
その薬草っをどうやって王城に持ち込むかということが問題だった。
市場にも出回らない、認知度も低い薬草。毒がある物もある。使い方では薬のなる物も、理解がなければ王城に持ち込むことは難しいことが容易に想像された。
「・・・・う~ん・・・・。どうしようかなぁ・・・・」
『騎士団長か、オリビア殿に相談してみては?』
ローズの呟きにロウが答える。
「そうだね。それがいいね」
そう呟くと、必要な薬草を書き出した。
体力温存にはリュークシン草。花と新芽に薬効がある。リュークシン草は標高の高い山の中、崖に時々生えていることがある。月の光を浴びているときに採取すると薬効が非常に高くなる。見つけることも難しければ、薬効が高い時間帯での採取も難しい薬草の1つである。
ローズであるから見つけることが出来、薬効が高い時間に採取することができるのだ。
ただ、リュークシン草も根には毒があり、極少量であれば手足が痺れる程度であるが、多量に摂取すれば全身痺れから麻痺を起こし、死に至る。
採取されることが少ないため、研究が進んでおらず、毒があることは知られているが、体力に薬効があることは知られていない。その為、王城に持ち込むのは難しいだろう。
命を繋ぐ為には薬草では力不足だ。この辺りはは魔法に頼るしかない。
魔法との調和の為にオーブラント草。この薬草の葉の部分に効果がある。魔法と薬は相性が悪い物が多い。相互作用を高める為には必要であるが、オーブラント草は世間一般では雑草の扱いをされている。
簡単に手に入るが、なかなか薬草と認識してもらえない。
何処にでも生える薬草ではあるが、街中に生えているものでは薬効はあまり高くない。綺麗な空気と水を好むので、人が近寄らない山中で、日中土がやや乾燥している時に採取すると効果が高まる。乾燥させて使用すると、更に効果が高く、魔法と薬を融合させることの多いローズは乾燥した状態の物を効果が高い状態をキープし保存している。
そのような薬草をいくつか書き出し、その紙を右腰に下げている、亜空間のバッグに仕舞い込んだ。
ローズが薬を作る時道具を使うことはない。全て魔法で出来てしまうからだ。
なので、道具に拘りはない。しかし、道具を揃えてもらわないとどうやって調剤したのかと問われることになるので、取り敢えず一般的な物を揃えてもらった。使うつもりはないが部屋の一角にセッティングしてもらっている。
調剤道具を横目で見遣り、薬草棚から集めた使う予定の薬草を必要分取り分ける。
取り分けた薬草は勿論ローズの魔法で保存する。
薬草室で薬師として働くなら、薬草室の薬草を使わなければ不信に思われるから、不本意ではあるが薬草室に保存されている薬草を使う。
それでも、薬効が少しでも弱い物は排除した。それらに関しては、自身で採取・保存している物を使う予定だ。
陛下に依頼された以上、薔薇の魔法使いとして最善を尽くす為だ。その辺り、ローズに妥協はない。
これは、アリクウェードからの依頼というだけではなく、ローズ自身の為でもあることをロウは知っていた。
一生懸命になるローズにロウは何も言わないがその心の内を思いやってた・・・・・・
お読みいただきありがとうございます。
現国王として、前国王である父に教えを請いたいアリクウェード気持ちを察して延命に取り組むローズ。しかし、延命に一生懸命になるのはアリクウェードの気持ちを考えただけではなく・・・・・
まだまだ描ききれてない感じですが・・・・・
PCの調子が悪く、遅筆なのに更に更新が遅れることが予想されます。
ケータイで頑張って更新しようと思いますので宜しく御願い致します。