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ESCAPE from 異世界ナイトメア  作者: プリン皇帝
10/12

~チートを用いた俺の冒険~

台風で外出できないので小説書きます(不真面目)

俺は怒りに身を任せて思いきりラグナの胸元に掴みかかった。



「ふざけるなよ!何だそりゃ!? 俺がこの異世界から帰るのは不可能だって!? この狂った世界で潔く死ねってか!?」



「ま、待て待て! 何だ、急にどうした!? つい先ほど『このことは全部水に流しましょう』と言ったばかりではないか!?」



「そんときはまだちゃんとした説明を受けてなかったからだよ!! こんなナイトメアモードな世界から帰る方法が無い、なんて分かった今ならそんなこと絶対に言わねーよ、バーカ!!!」


完全に頭に血が昇った俺は、相手が日本を支配する神であることも忘れて一方的に早口で捲し立てた。



「わ、我だって本当に申し訳なく思っているのだ!日本の治安と平穏を守る神として、下界の何の罪もない人間を巻き込んでしまったことは本当に申し訳なく・・・」



ラグナは俺を宥めるように肩を抑えながら、丁寧な口調で俺の眼を見て誠意を伝えた。


が・・・



「だったら今すぐこの世界を取り潰すなり自害するなりして俺を元の世界に返してくれよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!! そんでアンタはまた新しい世界を創って、そこにまた引きこもればいいだろ!? それで万事解決だよなぁ!?」



俺は声を荒げてラグナの誠意を思いきり踏みにじった。


ラグナの言葉に誠意が感じられなかった訳じゃない。



それは一言で言えばただの八つ当たりだった。



自分の未来が一瞬でかき消されたことに対するやるせなさややり場の無い怒りを目の前の対象に言葉の限りぶつけている、ただそれだけのことだった。



「そ、それで解決するならもう既にそうしている!! まずこの世界を取り潰すことは本質的に不可能なのだ!! ワールド・クリエイトには世界を創造する力はあっても、世界を破壊する力は無いのだよ!!」



「なっ!?・・・あっ!でもアンタは確か『終焉を司る神』だったよな!? だったらアンタの神としての力を使えば・・・」



俺は必死に抵抗した。



「神としての力なんぞ天界に置いてきたわ! 我はこの世界では『神』ではなく『魔王』! 世界を丸ごと消滅させるほどの力など持ち合わせておらん!」



「だ、だったら・・・自害するのは何でできないんだよ!? 神じゃないならこの世界で命を絶つことは出来るはずだろ?」



俺は必死に訴えた。



「もちろん自害することはできる。そうでなければ勇者が魔王を倒せず、そもそものゲームシステムが崩れるからな」



「・・・? じゃあ何で?」



「我が自害してもおまえが天界に帰れるゲートは現れないということだ。 エリア1~8の全てのエリアボスを倒して初めてゲームクリアとなる。 我が死んだだけでは何の意味も無いのだ」



「マジか・・・」



「大マジだ。ちなみに、我がエリア1~7のエリアボスを倒すこともできないぞ。魔王軍幹部同士のFF(フレンドリー・ファイア)は認められていないのだよ」



「はー・・・ ははっ、なるほど。 本当にアンタにもどうしようも無いってわけだな」




ここに来て突然、俺の中で燃えたぎっていた怒りの炎がその熱を失った。





蝋燭の火が一瞬で吹き消されるように、不思議な程にあっさりと。






一体どうして?



理由は自分でも分かっていた。




どう抵抗しても、何を訴えても、何も事態が好転しないことが、やっと身に染みて理解できたからだ。




「うむ・・・本当にすまない」



「別に良いさ。アンタ・・・ラグナさんだって故意に俺を巻き込んだ訳じゃないんだし。 悪かったよ、ついカッとなっちまって・・・」




さっきまであれほど緊張していたのが嘘のように、身体中の力が抜けた。




肩の力が抜けてリラックスした、という訳ではない。




あまりに大きな絶望に心を蝕まれ、身体中の神経が活動する気力を失ってしまったのだ。










絶望。





あまりに大きな絶望。





人の力はおろか、神の力ですらほどくことのできない運命の鎖に自分の全てを封じ込められた、圧倒的な絶望。





その黒く大きな絶望は俺の心に影を落とし俺の身体中の神経を使って自らを濾過した挙げ句、俺の涙腺から一筋の透明な滴となって流れ落ちた。




「・・・ちくしょう、どうすればいいんだよ・・・こんなの。どうしようもねぇじゃねえか・・・」




ゴミが散らかった狭く薄暗い部屋に俺の痛々しい嗚咽だけが響いた。



「ちくしょう・・・ちくしょう・・・」



この異世界に来て、涙を流すのは2度目になるだろうか。



この短時間に2度も涙を流しているのに、俺の涙は枯れることはない。



まったく人体ってのは不思議なもんだ。


「すまん・・・本当に悪いことをした。 我にも何か出来れば良いのだが・・・」





「・・・いいさ。そんなに気を・・・使わないでくれよ」


そう声を絞り出すのが精一杯だった。



「本当に・・・本当に何もできない自分が情けな・・・ん?待てよ? 貴様が助かる方法・・・無いことは無いか!?」



ラグナも俺を励ますのが精一杯で・・・













俺は猛スピードでラグナを床に押し倒した。



「あるのか!?俺が助かる方法が!!」



「うおぅ!?あ、あぁ、一応な!? しかし100%助かるかと言われれば分からんし、貴様にもそれなりの危険が・・・」



「良い!何でも良い!!助かる可能性が1%でもあるなら教えてくれ!!俺に出来ることなら何でもするから!!」



「ではまず我の上から退いてくれ!!男に押し倒される趣味は無いのだ!!!!」




「よっしゃあああああああああああ!!助かるんだああああああああああああ!!」




「早く降りろおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」














ーー3分後ーー



俺たちは部屋の真ん中に正座で向かい合って座った。



「じゃ、じゃあ、教えてくれ!」




「う、うむ。まぁ、単純な話なのだが・・・」







俺は唾を飲み込みゴクリと喉を鳴らす。






部屋の空気が心なしか張りつめたように感じ、ついさっきまで力が抜けていた体に再び緊張が走る。





俺が生きてこの世界から出られる唯一の方法っていったい・・・?




「貴様には・・・」





「俺には・・・?」





「普通にエリア1から順番にこの異世界を最後まで攻略してもらおうと思う」




「え・・・?  い、いやいや、ラグナさん、冗談は止してくれよ。俺の力じゃエリア1を攻略するのさえ無理だっていう話だったじゃないか」




「うむ。確かに貴様とリーべの力だけでは、そこら辺のスライムに飲み込まれてゲームオーバーが関の山だろうな。 だから、そこに新たな戦力を投入しようという算段だ」




「・・・新たな戦力?そいつがいれば俺はこの異世界を攻略出来るようになるのか?」



「まぁ、それは貴様次第といったところであろうな。新たな戦力が投入されたからといって、確実におまえが助かる保障は無い。 だが、この異世界の難易度がナイトメアモードからハードモード程度に下がることは確かだ」




「・・・す、すげぇ!十分にすげぇよ!! そいつが俺たちの戦力に加わるだけで人間でも攻略可能な世界になるってことだろ!? そんな頼もしい奴がいるのか!?」




「あぁ、いるからこんな提案をしているのだ」




「ど、どこに!? そいつはどこにいるんだ!?」





ラグナは無言で腕を起こし、そのほっそりとした白い手で・・・


















ラグナ自身を指差した。








「・・・ん? あ、あぁ、なるほど! ラグナが今から魔王の力を使って、鬼みたいに強い魔神みたいのを創って、それを俺たちの仲間に加えてくれるんだな!? そりゃあ頼もし・・・」





「いや、違う違う」




「え?そういうことじゃないのか? じゃあいったい誰が・・・」





ラグナは自分を差している指を再びチョイチョイと動かして、口を開いた。







「我が貴様らの仲間になるということだ」



「お薬出しときますね」



「なっ!?いや、別に考えすぎて頭がおかしくなったわけではないぞ!? 名案じゃないか!?」



「いや、どこが名案? 冒険の果てに待ち構えてるはずの魔王が序盤からパーティーに加わるって・・・じゃあ俺らは何を倒すために冒険に出るんだ?」



「そりゃあ魔王だろうよ」



「これもうわかんねえな」




「ちょっ!?ちょっと待て! 詳しく説明するから!!」



















ーー5分後ーー



「なるほど・・・つまり、まとめるとこういうことか?



ラグナが俺たちのパーティーに加わって精一杯手助けをしてくれる。



精一杯といっても常に手取り足取り俺たちを手助けしてくれるわけではない。



『ここは今のレベルでは明らかに攻略できない』『ここは初見だと絶対に攻略できない』とラグナが感じた所でのみ手助けをしてくれる。



キチガイみたいなレベルのモンスターと出くわしてもある程度は討伐を請け負ってくれる。



ただし、魔王軍幹部、つまりエリアボスとの戦闘においてはFF防止補整が働くために手助けは一切できない。



そうして全てのエリアを攻略し魔王城まで辿り着いた暁には、俺たちのパーティーから抜けてラスボスである魔王として俺たちの前に立ちはだかる・・・



っていうことで良いのか?」




「うむ、そういうことだが・・・どうだ?」




「いや・・・どうだ、ってそんなの断る理由がないだろうよ。 魔王、言ってしまえばこの世界の絶対的王者であるラグナがパーティーに加わってくれる・・・これ以上に頼もしいことなんて無いだろ」




「・・・ふっふっふ、決まりだな! さて、我はやると決めたからにはとことんやる男だ! 全力で貴様らをサポートしようではないか!!」



ラグナはすっと立ち上がって神話に出てきそうな神々しいポーズをとって見せた。


この環境、その服装でポーズを決められても完全に重度の中二病患者にしか見えないのだが黙っておいてやろう。



「おぉ、それは嬉しいんだが・・・ラグナさんよぉ、ちょっとばかし疑問に思ったことがあってだな・・・」



「うん?何だ?」



「いや、別に大した疑問じゃないんだが・・・アンタってえらく親切じゃないか? 何つーかこう・・・優しすぎるっつーかさ。 俺を助ける為とはいえ、わざわざヤバいモンスターがゴロゴロいるエリアに一緒に来て戦ってくれるなんて・・・ やっぱり元々は神様だからどうしてもほっとけないって感じなのか?」



俺はふと感じた疑問をラグナにぶつけた。



『当たり前だろう!?それが神の務めというものだ!!』ってな感じの返答を予想していたが・・・



「うーむ・・・まぁ、もちろんそれもあるが・・・それだけではない気もするな」



何だか煮え切らない返答が返ってきた。



「それだけじゃねーってのはどういうことだ? やっぱりラグナにも何か個人的な理由があるのか?」



俺がラグナの返答に被せるように再び疑問を投げかけると、ラグナは少し間を置いた後、大きく息を吐き「まぁ、別段隠すようなことでもないが」と前置きをした上で淡々と話し始めた。



「やはり、単純にリーベの様子が気になるというのもあるな。 あいつはバカでも我の大事な部下だ。それ相応の思い入れがある。 いや、バカだからこそ思い入れが強いと言うべきか・・・ まぁ、そんな愛する部下がこの異世界で酷い思いをしないか少し気がかりなのだよ」



「なるほど。まぁ、そりゃあそうだろうな・・・」



何だい、俺を守るのはついでかい。



「ん?でもよぉ、リーベは別にこの世界で死んでも天界に戻れるんだろ?別におまえが心配する必要も無いんじゃないか?」



俺がそう言った刹那、ラグナの顔色がほんの少しだが暗くなった。


ラグナは少しの間口を閉ざした後、おもむろに立ち上がってその白く端正な口から言葉を洩らした。


「・・・出掛ける前にこの部屋の惨状をどうにかしておきたい。少し片付けさせてもらっても良いだろうか?」



「え!?あ、あぁ、別に構わねーよ」



突然の発言に俺は少し面食らったが、ラグナも何か思うところがあるのだろうと察し、俺もこれ以上は聞かないことにした・・・





魔王と一緒に魔王を倒す冒険に出かけるっていう設定はもう既にどっかのラノベがやってんのかね?


やってたとしても僕は知らないのでパクリではありません(暴論)

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