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ESCAPE from 異世界ナイトメア  作者: プリン皇帝
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プロローグ~ゲームを求める俺の冒険~

最初のうちは異世界ファンタジー要素皆無ですが、どうぞよろしくお願いします!

ーーーあれ、なんだ?この匂い。 酒?酒の匂いがするぞ?




「ねぇねぇ!龍牙(りゅうが)!ちょっと聞いて!?ひどいのよ!?こいつ!! 私、清く正しい愛の女神なのよ!? なのに、なのにこいつ私のことを怠惰の女神だの、強欲の女神だのって!! 何で私がそんな下劣な神々と一緒にされなくちゃならないのよ~!!」




ーーーうるせぇ... 何だよ、この無駄にテンション高い女は? やけに美人で綺麗な白髪だが...てか、酒くせぇ!この女相当飲んでんな!?


そうか、俺は酒場にいたんだったな...


いや、何で俺、酒場にいるんだ?

まだ未成年だろ、俺。




「いやいや、何をそんな怒鳴ってるの? どう考えても正当な判断だよね?

今回の一件で特に活躍したわけでもないのに『私が救世主です』と言わんばかりに威張り散らして、大酒かっくらって、ベロベロに酔っぱらったかと思えば口から下品な言葉しか出てこない。 おまけに服装は神々しさなんて微塵も感じさせない、布地面積が肌色面積より極端に少ないドレス...

こんな痴女を愛の女神なんて信じる頭がゴキゲンな人はいないよ~?」



「だ、誰が痴女ですってぇぇぇぇぇええ!?この絶壁女!!私のこの格好は魔力の上昇に繋がるって何度説明したら理解すんのよ!!

てゆーかてゆーかその前に!あんた何でナチュラルに私たちのパーティーに加わってるわけ!? 私一回あなたに殺されてるんですけど!? この首の...この...これ何脈って言うんだっけ? と、とにかくここら辺をザクってやられて殺されてるんですけど!?」



「いや、だからそれはボクがやったんじゃないってさんざん説明したじゃないか... ねぇ、キミ本当に大丈夫?脳がアルコール漬けにでもなってるんじゃないかって本当に心配になるんだけど...


まったく、龍牙くんも大変だね。 お酒の席になる度に毎回こんな態度も容姿も最低レベルの雌猫にダル絡みされるなんて、ボクだったら耐えられないよ」



「誰の態度が悪いって!? 誰の容姿が悪いって!? まさか私のことじゃないでしょうね!?」



「今の話の流れでキミ以外の誰のことになるって言うのさ! はー!態度も容姿も悪い上に頭も悪いなんて救いようないんじゃないの~!?」



ーーー声のでかい女と激しい口喧嘩を繰り広げている黒髪の女は俺の隣に座り俺に体を預けている



...え!?嘘!?何この状況!?

二人の美女が俺を隔てて言い争いを!?

これってあれじゃん、リア充のそれじゃん!!


...いやいや、余計に謎だ。何で俺女の子に囲まれながら酒飲んでんの? 何これ、そういう系のお店?



「アッハッハッハ! また1人、パーティーにメンバーが増えて更に賑やかな旅になりそうね、ダーリン!

まぁ、賑やかというより...騒がしい?かもだけど、いかにも冒険者らしくて楽しくなりそうじゃない!?


しかも新メンバーがこんなかわいくて強い娘ってのがまたテンション上がるわよね! 騎士団随一の腕を持つ魔法剣士で、しかも絶世の美少女なんて...まるでラノベのヒロインみたいじゃない!?


...あっ、そうだダーリン!ラノベで思い出したんだけど、このエリアのアニマートに例のラノベの新刊が出たんだって! 後で一緒に買いに行かない?」


ーーー白髪の女以上にスタイルの良いドレス姿の女が、目を輝かせながら楽しそうに俺に話しかけてくる。

いや、本当に何だよ、この娘。めちゃくちゃスタイル良くてかわいい上にラノベに理解あるって反則だろ。

ん?口からチラチラ見えるあの鋭いのは八重歯...?

...って、いや、んなことは今は関係ねーだろ!しっかりしろよ、俺!!



えっ!?俺今もしかしてこのかわいい娘3人を独り占めしてんの?

えっ、やばくない!?何そのB級ラノベみたいな展開、普通に興奮すんだけど。



「すまん、ウェイター。少し質問なのだが、この...ロイヤルミルクティーは普通のミルクティーとどう違うのだ?


ほー、紅茶にミルクを後から入れるか、紅茶をミルクで煮出すか、か。 ふむ、それなら味に違いが出るのも納得だ。なるほどな...


...だがなぜロイヤルレモンティーはないのだ? その理論だと紅茶にレモンを加えたのがレモンティーなら、レモン果汁で紅茶を煮出せばロイヤルレモンティーになるんじゃないのか?


それにその理論だとロイヤルストレートティーの立場は...」


ーーーまた別の娘が、他の3人の騒がしい女とは全く無関係だ、という雰囲気を漂わせながらウエイターと紅茶談義を繰り広げている。

銀髪で華奢な体型をしてるが、背中に見るからに強そうな黒い刃の刀を2本携えているのを見るにそうとう手練れの剣士のようだ。


うん?待て待て。つまり、今5人テーブルに俺と女の子4人で座ってるのか?




何だ、このカオスで素敵な空間は!?



これ何てエロゲ!?



いや、絶対におかしい!俺は順風満帆なヒキニート生活を送っていたはずだ! 





思い出せ! 俺は確か........













プロローグ~世界をかけるニート~








        ~数日前~




「し、しまった!!アルカナレボリューション5の発売日って今日だったのか!くそっ!すぐに買いに行かねーと! でもなぁ~ここからコダマ電気行くのにバスと電車使っても3時間はかかるんだよなぁ~」



カーテンを閉めきった薄暗い部屋の中。パソコンの前で頭を抱えながら俺はうめいた。



「やっぱネットで買って宅配してもらうか? でもなぁ~今日中にゲットしねーとネトゲ仲間にレベル差つけられるのは確実だよなぁ~」



俺の名前は朝霧(あさぎり 龍牙(りゅうが 17歳

ネットの向こうにいるたくさんの友達とディスプレイの中の彼女や嫁に囲まれ、部屋から出ずとも毎日順風満帆な生活を送っている世に言う自宅警備員だ。



「待て、冷静に考えろ、俺! 並んでゲーム買う時間も考えて最低でも7時間は日光を我慢しなきゃいけないんだぞ! 2年間日光を避けて生活してきた俺が耐えられるか!? いや、断じて無理だ!!」



そんな俺は、今現在、大いに頭を悩ませている。大人気オンラインゲーム「アルカナレボリューション」シリーズの最新作「アルカナレボリューション5」の発売日が今日だということをすっかり忘れていたのだ。



「しかし! だがしかし!! レベル差、スキル差から仲間のパーティーに馴染めず、いつしかハブられ一人寂しく黙々とソロプレイヤーとしてゲームをプレイする苦痛に比べれば! そんな肉体的苦痛、屁でもないわ!!」



普段なら何週間も前に予約を取り発売日に家に届くようにするのだが、今回の俺はそれを怠ってしまったのだ。そのため俺はゲームを求め、真夏の炎天下の中7時間にも及ぶ冒険をするハメになったのである。



「さて、久しぶりの外出だなぁ... 何を持っていけば良いんだ?財布とスマホと、後、暑さでぶっ倒れた時のために保険証も持って行くか。 あっ!そうだ!もしもの時のために遺書を書いておこう! いや、それはやりすぎか? やっべ、完全に感覚マヒってるわ、これ...」



2年ぶりにタンスから引っ張り出した半袖の服に着替え、荷物をポケットに突っ込んだ俺はゲームを買いに行くにはあまりに大げさすぎる覚悟を決め、2年ぶりに家を出た。



家を出るとき、母さんが嬉しそうな目で俺を見ていたっけ。


とても「ちょっとゲーム買ってくるわwww」なんて言える空気ではなかったので黙って家を飛び出してきた訳なんだが・・・


7時間後に帰ったら、なんて言い訳しようか?


「夢をつかんできたぜ!」抽象的すぎるな。


「学校に行って来たぜ!」すぐバレる嘘はまずいな。


「そんなことより母さん美人になった?」よし、これでいこう。



そんなくだらないことを考えながら、俺は午前9時の住宅街をバス停に向かって歩き始めた...



「いや暑っ!! 何でこんな暑いんだよ!! 地球温暖化進みすぎだろ!!」



夏。真夏。本当にそんな言葉を体現するような暑さ。


トウモロコシを放置しておいたら勝手にポンポン音をたててポップコーンができそうな、鉄板の上みたいな地獄のような暑さ。


日光による熱とアスファルトで反射された熱が、双方向から容赦なく引きこもり生活で弱った俺の肌を、呼吸器を焼いていく。


冒険が始まって1分、早くもぶっ倒れそうだ。


「こ、これはダメだ... 半袖なんかで緩和できる暑さじゃねぇぜ、これは... もう帰ろうかな...」


頭の中が「もうゴールしても良いよね」とか「次回、朝霧死す!デュエルスタンバイ!」みたいなネットスラング的パロディワードで埋めつくされる。 



もう思考回路もイカれちまったらしい。




いや、貧弱すぎんだろ、俺の思考回路。高熱で1分で焼き切れるって何だよ。何で通信制限かかってんだよ。




...へっ、こんな一人ツッコミができるんじゃ案外大丈夫かもな。



「くそっ!諦めてなるものか! 俺、生きてゲーム買って帰れたら結婚するんだ、二次元嫁と!」


そんな分かりやすい死亡フラグを立てつつも、俺はフラフラした足どりで冒険を続けた。 電気屋に眠る秘宝(ゲームソフトをゲットするために!


ストーリーのビジョンがまだ明確でないので投稿ペースはかなり不規則です!どうかゆっくりお待ちください!

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