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始まりの涙
ずっと、あなたを愛していた。
約束も、運命も、神話でさえも無視して、ただあなたがいればそれでよかった。
他には何もいらなかった。
大好きだった。
だから、逃したくなかった。
このままずっと、炎の檻に閉じ込めてしまえたら、どんなに幸せだろうか。
でも、それはできないのだ。
あなたは死んでもあの子のところへ行くのでしょう。
あなたは死んでもあの子を想い続けるのでしょう。
約束も、運命も、女神さえも無視して、ただひらすらにあの子の元へ。
ならば、私は死んでもあなたのことを想い続けよう。
弾け舞う金の花びらと、揺らぎ蠢く炎の舞台。
斜陽に満ちた静謐な神殿で、永遠の呪いを、あなたに。
私に。
────ずっとあなたを、愛し続ける。
次の話から本編です。