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異世界に転移してカフェを開いたら、王子に迫られて、思ったより壮大な話に…あらやだラノベみたいな長いタイトル  作者: 井上さん


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視点が変わったりします

 翌朝。


囮の人は、まだ部屋にいた。

敵も、こちらの事を伺っているのか?


何事もなく、普段通りに振る舞い、店に行く。

 荷馬車で移動すると、どこからともなく馬に乗った騎士が後ろに現れて、一定の距離でついてくる。


「ラガマフィンがつけた護衛だ」


 ラグドールさんの言葉に、私は頷いた。


バーマンさんに頼んで、騎士さん達に差し入れを持っていってもらった。

私が護衛されるなんてびっくりだ。


 この日も、ラグドールさんの添い寝で眠った。






 次の日の朝、起きたら囮の人は誘拐されていた。

ラガマフィンさんの騎士達が尾行したはずだ。

そして、誘拐された事は、ラガマフィンさんにも報告が行っているだろう。


 私は誘拐されて、家にいないはずなので、家で引きこもる事になっている。

 お店もお休みだ。


暇なので、ラグドールさんに字を教えてもらった。


「時間あるから勉強が捗る〜」


 と言ったら、ラグドールさんに呆れられた。


「解決したら、新商品を出しましょう」


 ラグドールさんに提案した。


「新商品?」


「ジャムサンドと〜プリンサンドとかどうです?」


 適当に言った。女子は甘い物好きだし。


「プリンサンド…?」


 ラグドールさんが、興味持ったので、試作品を作ってバーマンさんと3人で食べた。

店に出す事に決定して、ラグドールさんとバーマンさんが、料金を考えくれた。


 そして、今日もラグドールさんと一緒に寝る事になった。


ラグドールさんが、やたら心配するから、ね。






 第4王子の離宮。


第4王子は、名乗りもせず、話しだした。

女は、手を縄で縛られていた。


「お前の国の事を教えろ」


「何でですか?」


「言う事を聞かないと殺すぞ」

 

 第4王子は、腰にある剣に触れた。


「殺したら、情報を得られませんよ」


「くっ…」


「何の為に情報が必要なんですか?」


「…国王になる為だ」


「貴方が?」


「それはどうでもいいだろう?」


「貴方に私の話が理解できますか?」


「理解できるやつが聞いている」


「私が言った事を、違うふうに捉えられても困ります」


 その時、もう1人の男が現れた。

第2王子だ。


「私が聞くから問題ない」


「貴方が国王になりたいんですか?」


「そうだ」


「何故国王になりたいんですか?」


「私は国王になる器だ。私より早く生まれただけの男が国王になるのはおかしい」


 女は一瞬考えて


「…それなら実力主義はどうですか?」


「実力主義?」


「沢山功績を上げた人が、役職に就く…つまり、国王になる」


「なるほど…で、功績になるものは?」


 第2王子が、一歩近づく。


「職業訓練校です」


「職業訓練校?」


「仕事が無い人に、専門的な仕事を教える学校です。早ければ、半年で、結果が出ます」


「半年か…」


 第2王子は、逡巡した。もっと早く成果が欲しい。


「その間に、他の功績を上げる準備をすれば、あっという間ですよ」


「…なるほど」


「まずは、職業訓練校の提案と推進をしてください」


「分かった」


 第2王子は、部屋を出ていった。






 第2王子が、定例の貴族会議に提案を出した。

貴族会議は、王族と伯爵家以上の主要貴族が話し合い、国の政策を決める会議だ。


 第2王子の提案を聞いた貴族達は


「ほぅ…」


「素晴らしい…」


「さすがだ…」


「今までに無い考えだ…」


 と、褒めそやした。


第2王子は、ニヤリと笑った。

王太子派閥の宰相や、公爵が、提案を絶賛していた。

 陰で、実力主義の話を進めていけば、王太子の地位もすぐに手に入る…







 第2王子は、誘拐した、異界から来た娘に話を聞きに行った。


「もっと話せ」


「何をですか?」


「次の功績だ」


「ただで情報を得られるとでも?」


「何だと!?」


「王様に会わせてください。次の情報は、王様に会った後で渡しましょう」


「調子に乗るなよ!」


 第2王子は不機嫌に出ていった。






 今日も、店は臨時休業。

ラグドールさんの家で、作戦会議だ。

ラガマフィンさんとサイベリアンさんもいる。


「第4王子って、どんな人ですか?」


 私が聞くと


「剣術バカだな」


「絶えず剣術の稽古している」


 ラグドールさんとラガマフィンさんが言った。


「…稽古も大事だけど、心と身体作りも大切…って話でもしましょうか」


「身体作り?」


「第4王子は、何を理由に協力すると思いますか?」


「強い剣とか装備をやる」


「国王になったら、騎士団長に任命する」


 ラガマフィンさんと、ラグドールさんが予想を出す。






 ラガマフィンが、第2王子を呼び出して、職業訓練校の詳細を説明させる。


「素晴らしいな!協力しよう」


「私のアイデアを奪うつもりか!」


「まさか!兄弟だから、協力するのは当たり前じゃないか」


「お前の協力などいらぬ」


「そうか…残念だよ」


 ラガマフィンが目を細めて笑ったが、第2王子は気付かなかった。







 第2王子がラガマフィンさんに呼び出されているうちに、第4王子の所へ行く私とラグドールさん。


「異界から来た人を誘拐しましたね?」


「それが何だ?」


「誘拐したのは偽物です」


「何!?」


 動揺している第4王子に畳み掛ける。


「達人は、武器を選ばない」


「は?」


「剣を使いこなせる人と、剣に振り回される人、どちらが良いですか?

身分を使いこなす人と身分に振り回される人、どちらが良いですか?」


 私の突然の問答に、戸惑いながらも答える第4王子。


「使いこなせる人だ」


「立派な剣を使いこなすには、心も身体も大事です。訓練も大事ですが、身体を動かす筋肉を、鍛える方法や、育てる方法があれば…どうですか?」


「そんな方法があるのか?」


「私の国では、人の身体について研究が進められていて、ある食べ物を食べると、筋肉が作られやすいと分かったんです」


「それは何だ?教えてくれ!」


 身を乗り出す第4王子に、悠然と言う。


「どうして誘拐したか、教えてくれれば、その食べ物が何か、教えますよ」


「教えてくれ!話すから!」


「では、王太子殿下の所へ行きましょう。王太子殿下に忠誠を誓い、全部話してください」


「…分かった」







 私達は、第4王子と囮の人と、ラガマフィンさんの所へ行く。 

第2王子とは会わないように、別の部屋に行くように言われている。


「兄上…話があります」


 第4王子話し出す。


「なんだい?」


 ラガマフィンさんは、悠然としている。


「異界から来た娘を、誘拐しました」


「何?」


「第2王子に言われたんです。異界から来た娘を誘拐して、情報を聞き出せ、と。そうしたら、素晴らしい剣をやる、と。そして、自分が国王になった時に騎士団長にする、と」


「それで?」


「第2王子が用意した騎士達に誘拐させました。それが彼女です」


 囮の女騎士さんを示した。


「そうか。では、国王の前でも証言しろ」


「え!?」


「誘拐は犯罪だ。しかも、異界から来た娘は、この国にとって大事な存在。それを誘拐したのだから、死罪は免れないだろう」


「そんな…」


 第4王子の顔が青ざめる。


「だが、国王の前で証言すれば、命だけは助けてやる」


「…分かりました…」






 国王と謁見する事になった。


 謁見の間には、国王と王妃、5人の王子や大臣などが揃った。 

そして、王太子妃のバーミーズさんの隣に、私がいた。


「私は先日、誘拐されました」


 私は話し出した。


「な…何だと!?」


 第2王子が驚くが、周りの誰も驚いていない。が、第2王子は気付かない。


「私を誘拐した男は、私がいた国の情報を話せと言いました。話したら、もっと話せと言われました。報酬も無く。ですから、報酬を頂きに参りました」


 私は、第2王子を見る。


「な…何だ…?お前は一体何者なんだ?」


 第2王子は私を指差す。


「あら、誘拐しようとした女の顔を、ご存知ないのですか?」


「何だと?!」


 第2王子は、第4王子を見る。


「第2王子に言われ、異界から来た娘を誘拐しました」


 第4王子が発言した。


「何だと!何を言っている!」


 第2王子を無視して、第4王子が続ける。


「…異界から来た娘を誘拐して、情報を聞き出せ。そうしたら、素晴らしい剣をやる。そして、自分が国王になった時に騎士団長にする、と第2王子に言われたからです」


「嘘だ!私を陥れようとしているな!」


 第2王子が叫ぶが


「実は、彼女には、誘拐犯に、ある情報を流せと言っていました」


 ラガマフィンさんが言う。


「ある情報?」


 第2王子がラガマフィンさんを見た。


「職業訓練校」


「!?」


 ラガマフィンさんの言葉に、第2王子が目を見開いた。


「誘拐犯に、職業訓練校の情報を渡す。職業訓練校の提案をした人物が、誘拐犯だ。私は、私の派閥の貴族に、その提案を絶賛しろ、と言った」


 全員の視線が、第2王子に集まる。


「実力主義の話もありましたよ」


 第2王子の派閥のはずの、侯爵が言った。


「お前!何で…!」


「申し訳ありません。私は、王太子のスパイでしてね」


 第2王子の顔が、青くなる。


「私は国王になる器だ。私より早く生まれただけの男が国王になるのはおかしい、と、おっしゃいましたよね」


 私の隣に、囮になった女騎士さんが立つ。


「お前は!」


「お前が、異界から来た娘を誘拐するだろう事は分かっていたからね、罠を張ったのさ」


 ラガマフィンさんの言葉に、第2王子がガックリと項垂れた。


「罠を見破れなかった時点で、実力が無かったと言う事さ。残念だよ」


「第2王子の王位継承権を剥奪し、離宮に幽閉する」


 王様が、威厳のある声で宣言する。


「それなら、第4王子だって誘拐に加担したじゃないか!」


「第4王子は、司法取引したから幽閉されません」


 私が言った。


「しほう…?」


「犯罪を証言する代わりに、罰を軽くする事です」


「ならば、私にもそれをしろ!」


「まさか…貴方、私が教えた職業訓練校の事、自分のアイデアって言ったそうじゃないですか。報酬も払って無いのに。あり得ないから、報酬を頂く事にしました」


「報酬?」


「貴方の王位継承権の剥奪って言う報酬です」


「何!?ラガマフィンには情報提供したじゃないか!」


「ラガマフィンさんは、ちゃんと報酬をくれましたよ。それに、労ってもくれました。だから、情報提供しようって気になるんです。人徳の差ですね」


「くっ…」


「職業訓練校の話、予算も人員も立地も、細かい事は何も無いのに、しかも、今までにない話なのに、反対意見が無いのは、おかしいと思わなかったんですか?」


 顔を赤くした第2王子は、私を睨みつけた。


「そんな事も気付かないのに、自分が王の器なんて、自分で言ったらだめですよ。学生ならともかく、いい歳した大人が恥ずかしいです。現実をちゃんと見てください。奢れる者は久しからず、ですよ」


 第2王子は、ガックリと膝をついた。


王様が目で合図して、騎士達が第2王子を連れて行った。


「息子が迷惑を掛けたな。すまない」


 王様が私に言った。

ヒィ!王様に話しかけられた!


「いえ!それより、ラグドールさんとラガマフィンさんにはお世話になってます!」


 私は、アワアワとして言った。


「聡明と聞いていたが、随分と可愛らしいお嬢さんじゃないか」


 それは、私がアワアワしているからお子様っぽく見えると言う事ですか?


「父上、星は、王族には慣れてないんです。いじめないでください」


 ラグドールさんが言う。よく考えなくても、ラグドールさんも王族じゃないの。


「大丈夫だよ、星。父上は、顔は怖いけど、根は優しいから。ね、バーミーズ?」


 ラガマフィンさんが言う。


「そうですわ。私の事も、娘のように可愛がってくれますよ」


 バーミーズさんも言う。

ラガマフィンさんの奥さん綺麗だな〜


「あら、私も娘のように思ってますよ」


 王妃様も参戦してきた。


「ラガマフィンから話を聞いて、会うのを楽しみにしていたのよ。ラグドールとはどうなの?」


「母上!」


 ラグドールさんが慌てた。


「どう…?」


 私は首を傾げて、ラグドールさんを見る。


「なんでもない!とにかく話は終わりだ!帰るぞ!」


 ラグドールさんの言葉に


「あらいやだ。今から女同士のお茶会をしようと思ってたのに!」


 バーミーズさんが言う。


お茶会?貴族がよくやる?

 見たい…

いや、私が参加するって事?


「あの兄上が反論できなかったなんて…お前、すげぇな」


 第3王子が割り込んだ。


「えぇ…一般常識ですけど…」


「兄上に忠誠を誓ったので、筋肉に良い食べ物を教えてください」


 第4王子も割り込んできた。


「あ〜…鶏肉です」


 あっちからもこっちからも話しかけないでほしい。


「よし、帰ろう」


 ラグドールさんが、私の腕を引っ張る。


「あらぁ…せっかく来たんだから、ご飯食べていけば良いのに〜」


 王妃様が言う。実家のお母さんかな?

お母さんか。5人の子持ちの。

あと、ここラグドールさんの実家(王城)。


「ここで聞いておけ。店に来られるよりはマシだろう?」


 ラガマフィンさんの言葉に、ラグドールさんが、ぐぅと詰まる。

確かに、店に王様や王妃様が来たら困るなぁ…


…常連の王太子が言う事かな?


「…分かった」


「あら、やったわ!まずはお茶会からね!その後、皆でご飯食べましょう。泊まっていっても良いわよ」


 王妃様テンション高いなぁ…


「女同士のお茶会している間に、男同士の話をしてらっしゃい」


 王妃様は、渋い顔をするラグドールさんの肩を叩き、私とバーミーズさんを連れて行く。


「じゃあ、また後で〜」


 私は、ラグドールさんに手を振った。


「肝が据わってるなぁ…」


「ワシそんなに怖いかなぁ…?」


誘拐された人が第2王子と第4王子だと分かったのは、王太子の部下の騎士で、顔を知っていたからです

と、ここで書く。


読んでいただきありがとうございます!

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