待宵 作者: 喜瑚 掲載日:2025/11/07 二〇〇五年十月十九日 夕日が力尽き、月の光に人々が頼ろうとする頃 私の今世の片道切符は切られた。 終点はどこだ。 同い年くらいの人が途中下車をする。 いつのまにかいなくなっている人もいる。 それを横目に見送りながら私は進む。 死んだように生きていた19の夏。 7日後に土へ還る蝉は一声に魂を込めて叫ぶ。 夜空を照らす花は一瞬にして消える。 私を捨て、"わたし"を見つけた。 20の私に少しの希望を望む。 一向に到着しない電車の中で私はわたしを生きる。