(番外編)セリとナズナとふたりの別離
「わたしが思うに、まずはじめにやるべきことは――」
一同を見渡してナズナが言う。はいはい、なんでしょうか。
「公的機関に保護を申し出ることだと思うの」なるほど。
公的機関って帝国警察とか帝室保安庁のことですか?でもどうやって?
「そういうことなら話は早いですよ姫殿下」早いのかよメスゴリラ。
「オレの部隊の駐屯する星系に行って、そこで身分を明かせばいいんです。保護も受けられるしオレは原隊復帰できるし部下の安否も確かめられる」なるほど。
「そりゃあ名案じゃのう!」ゴギョウさんもそう思いますか。
「だからね」なんですかナズナさん?
「あやしげな忍者さんとはここでお別れです」なるほど。
えっ!?
「そうじゃな、正体不明の忍者風情に付きまとわれては、ナーズナディール皇女のご威光お名前に陰りがさすというものよ」ええっ!?
「ホレホレ、どこでも好きなところに行っちまえよフリーランス忍者さんよ」チクショウ、やはりとどめを刺しておくべきだったな。
「それじゃあさよなら、カラスエンドさん。おいしいお水と変なお団子をありがとう」待って、待ってよナズナ。僕だよセリだよ、いま正体を教えてあげるよ!!
脱げない、ヘルメットが脱げない。ジタバタやってるうちにみんなどんどん遠くへ行っちゃう!待ってくれ!!おいてかないで!!!
ハッ!!!!!!!!!!!!!!!
……夢か。
嫌な夢見たなあ……。
寝直そう。




