過去の勇者
0:悪魔は酒場に瓶の弁償分まで働き、ちょっとした小遣い程度の給料も発生していた。
0:今日は悪魔悪魔は昼間、家にいた。普段は酒場でつまみの仕込みや荷下ろしなんかをする時間だった。
0:急に家の扉が開く。
人間の女:「マー君! 今日! 休業日だった!」
悪魔:「カレンダーには未定と書いてあったが、休業になったか」
人間の女:「店長がね! 英雄感謝祭だから家族サービスするために今日だけお店休むんだって! 私、英雄感謝祭の存在忘れてた!」
悪魔:「英雄感謝祭?」
人間の女:「私が生まれる前の話なんだけど、ドラゴンがこの村の近くの山で巣を作ったの」
人間の女:「凶暴な魔物が山から降りてきて村が大変だった時期があって」
人間の女:「それを聞いた勇者一行がこの村を訪れて、たった一週間で村に降りてきた魔物たちを全部倒して、ドラゴンを追っ払ってくれたの」
人間の女:「だから毎年勇者への感謝を忘れない為に2日間かけて、お祭りをおこなってるの」
悪魔:「そうだったのか」
人間の女:「マー君が来てから初めての初めてのお祭だね!」
悪魔:「それなら、店長は休業せずに、2日間店を出した方が稼げるんじゃないのか? 稼ぎ時になぜ?」
人間の女:「人間は理屈に合わないことをするもの! 店長は家族とお祭を楽しみたいんだよ」
人間の女:「あと、マー君の事も考えてるんじゃないの?」
悪魔:「どういうことだ?」
人間の女:「村にきて最初のお祭りを楽しんでほしいんだよ!」
悪魔:「彼は雇用主で俺はただの労働者という関係なだけだぞ。金銭の対価に時間と労力をつかうだけの関係だ」
人間の女:「人と人との関係をまだまだわかってないなぁ〜」
0:人間の女はニヤリと笑う
悪魔:「俺は悪魔だ」
人間の女:「そうだったね」
人間の女:「とにかく一緒にお祭まわろ! マー君の給料、使い道なかったし!」
悪魔:「俺の給料はお前が使っていいと言っただろう?」
人間の女:「だめだよ! マー君が働いたお金じゃん!」
悪魔:「ここに住まわせてもらってる家賃だ」
人間の女:「それでもマー君の給料全部は高いって! 高級賃貸になっちゃう!」
悪魔:「分かった。お前に何かあった時のために俺が貯金しておく。あと今回の祭りは全部俺が出す」
人間の女:「え!? 一緒にお祭回ってくれるの!?」
悪魔:「ああ、どうせ酒場も休みだしな」
人間の女:「マー君! ありがとう!」
0:悪魔は酒場に瓶の弁償分まで働き、ちょっとした小遣い程度の給料も発生していた。
0:今日は悪魔悪魔は昼間、家にいた。普段は酒場でつまみの仕込みや荷下ろしなんかをする時間だった。
0:急に家の扉が開く。
人間の女:「マー君! 今日! 休業日だった!」
悪魔:「カレンダーには未定と書いてあったが、休業になったか」
人間の女:「店長がね! 英雄感謝祭だから家族サービスするために今日だけお店休むんだって! 私、英雄感謝祭の存在忘れてた!」
悪魔:「英雄感謝祭?」
人間の女:「私が生まれる前の話なんだけど、ドラゴンがこの村の近くの山で巣を作ったの」
人間の女:「凶暴な魔物が山から降りてきて村が大変だった時期があって」
人間の女:「それを聞いた勇者一行がこの村を訪れて、たった一週間で村に降りてきた魔物たちを全部倒して、ドラゴンを追っ払ってくれたの」
人間の女:「だから毎年勇者への感謝を忘れない為に2日間かけて、お祭りをおこなってるの」
悪魔:「そうだったのか」
人間の女:「マー君が来てから初めての初めてのお祭だね!」
悪魔:「それなら、店長は休業せずに、2日間店を出した方が稼げるんじゃないのか? 稼ぎ時になぜ?」
人間の女:「人間は理屈に合わないことをするもの! 店長は家族とお祭を楽しみたいんだよ」
人間の女:「あと、マー君の事も考えてるんじゃないの?」
悪魔:「どういうことだ?」
人間の女:「村にきて最初のお祭りを楽しんでほしいんだよ!」
悪魔:「彼は雇用主で俺はただの労働者という関係なだけだぞ。金銭の対価に時間と労力をつかうだけの関係だ」
人間の女:「人と人との関係をまだまだわかってないなぁ〜」
0:人間の女はニヤリと笑う
悪魔:「俺は悪魔だ」
人間の女:「そうだったね」
人間の女:「とにかく一緒にお祭まわろ! マー君の給料、使い道なかったし!」
悪魔:「俺の給料はお前が使っていいと言っただろう?」
人間の女:「だめだよ! マー君が働いたお金じゃん!」
悪魔:「ここに住まわせてもらってる家賃だ」
人間の女:「それでもマー君の給料全部は高いって! 高級賃貸になっちゃう!」
悪魔:「分かった。お前に何かあった時のために俺が貯金しておく。あと今回の祭りは全部俺が出す」
人間の女:「え!? 一緒にお祭回ってくれるの!?」
悪魔:「ああ、どうせ酒場も休みだしな」
人間の女:「マー君! ありがとう!」
0:悪魔の目に止まったのは屋台の花屋だった。
悪魔:「ほう、これは綺麗だな。そういえばこの村に花屋なんてなかったか……」
悪魔:「あいつにひとつ買ってみるか……店主! 花束をひとつ作ってほしい」
悪魔:「不思議だな。腹を満たすわけでもない何かを俺が欲しがるなんて……」
0:悪魔の後ろから人間の女が声をかける。
人間の女:「まーふん(マー君)! ほれ、おいひいよお(これ、おいしいよ)!」
0:口いっぱいに頬張りながらだった。
人間の女:「はいめてはべた(初めて食べた)! ゔっ!」
0:人間の女は喉に詰まらせてしまった。
悪魔:「落ち着いて食べろ。窒息してしまうぞ。店主、飲料水をもらえるか?」
0:人間の女も落ち着き、2人はベンチに腰掛けていた。
人間の女:「(ゴクゴク飲む)あー! 助かったあ!」
悪魔:「一気に食べようとするからそうなる。よく噛んで、ゆっくり食べろ」
人間の女:「スミマセン……気をつけます……」
悪魔:「ああ」
人間の女:「そういえば、何か買ったの?」
悪魔:「ああ、これか……」
人間の女:「お花!? マー君お花好きだったの!?」
悪魔:「お前に渡そうと思って買ったんだ」
人間の女:「…………え?」
悪魔:「要らないか? お前枯らしそうだからな。迷惑なら処分する」
人間の女:「いやびっくりして! マー君からのプレゼントだったから……」
悪魔:「店長の妻が店長から花をプレゼントされていて喜んでいた。店長は都会に行く用事のついでに買ってきたみたいだが」
0:間
悪魔:「お前も………喜ぶと思って………」
人間の女:「マー君はあったかくなったね」
悪魔:「体温は変わってないが?」
人間の女:「そうですね〜!」
悪魔:「ん?」
人間の女:「ありがとマー君。すごく嬉しいよ! 大事にするね!」
悪魔:「ああ、家に花瓶もなかったから買って帰る。今度はいつしかの酒瓶のようには割らない」
人間の女:「ふふふふ。まだ気にしてたんだ!」
悪魔:「ああ、お前にも店長にも迷惑かけた」
人間の女:「気にしてないよ! ささ! 祭を楽しも!」