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いきなり土地神になっちゃった。あやかしには狙われるけど意外と楽しいです。  作者: マロ


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26話目 黒田夏美 視点

私は黒田家と言われる陰陽師界隈では名のしれた陰陽師の一族の当主補佐だ。黒田家は陰陽師界で最大勢力の一つでもある。


今の当主は前の当主と比べてまだまだ弱いが、とても才能があり、何より若い。黒田家の力をもっと高めていくだろう。

今から将来が楽しみである。


黒田家は、力のあるものを養子に取り、陰陽師に育てていく。今も若い衆を連れ、あやかしを退治させて修行させている。


この山はいい。周りに強いあやかしもいないし、あやかしの数も多い。修行地にはぴったりだ。


修行が始まって1週間たった今日、あいつらが現れた。


「やめろ!お前たちは何をしているんだ!」

そう声を荒立て現れたのは白い仮面をして着物を着た高校生くらいのあやかしだった。

見るからに低級ではない力を放っている。後ろについている2匹の人型のあやかしもけっこうヤバそうだ。


「なぜ、この森のあやかしを攻撃する。」


なんでこの森にこんなに強そうなあやかしがいるんだ?しっかりとこちらも下調べはしてきて、こんな強いあやかしは近くにはいないはずなのだ。

私は前に出て質問に答える。


「見たところかなり力のあるあやかしのようですが、この森のあやかしでしょうか?私たちはここで修行をしているのです。」


「僕はこの森の者ではない。この森から助けを求められてきたのだ。修行だと?」


「はい、この森とこの周りには強いあやかしがいなくて、後輩育成には丁度よかったのです。」

やはり、この森のあやかしではなかったか。くそ、面倒なのものを呼んでくれたな。

なるべくこのあやかしは刺激せず、諦めて静かに帰るのが無難か。戦うとかなりめんどくさそうだ。それに今は新人も連れている。戦うのは不利だろう。

そう考えていた矢先。


「ふざけるな!お前たちただで帰れると思うなよ?」

白い仮面のあやかしがいきなり激昂した。

まずい!戦いは避けられないか!


「逃げなさい!あなたたちが敵うあやかしではありません!慎二!和樹!あなたたちは私と一緒にこのあやかしたちの足止めをするよ!」


私は咄嗟に新人たちを逃し、黒田家の精鋭の慎二と和樹に命令を出した。


「あぁ!」「ヤバい奴が出てきたなぁ、これ死ぬんじゃね?」


幸いにもこのあやかしは新人達は追わなかった。



そうして戦いが始まった。


あの黒い武者は和樹に任せ、妖狐は慎二に任せた。私が行くまで死ぬんじゃないよ…



この白い仮面のあやかしの力は異常だった。

久しぶりに私の結界にヒビが入ったよ。二発目は耐えられないだろう。


このあやかし、優しいみたいだねぇ。術で無理矢理従わせている私の式神をみて、とっても悲しそうにしていたよ。

そして苦しまないようにかなりの力を使って一撃で仕留めていた。


式神を使って体力を消耗させようかね。式神のストックはかなり余裕がある。








そうこうしている内に、やっと相手が消耗して動きがだいぶ鈍くなってきた。やれやれ、かなりの式神をやられちまった。また補充せねば。めんどくさいのぉ。


さて、そろそろ本気を出すかな。

私は先代に教えてもらった釘術で、白い仮面の妖怪を追い詰めていく。


釘術は黒田家の先代当主の術で、私と現代当主が継承しているかなり強力な術だ。


やっと攻撃が入り、白い仮面が膝をつく。


さて、この封印の魔釘を大量に打ち込んで、本家に持ち帰り、こいつも式神にしてしまおうか。

かなりの戦力アップになりそうだ。


しかし、こちらにさっきの黒い武者と妖狐がこちらに向かってきているのが見えた。


そうか、慎二と和樹は負けて殺されたのか…

いつもあやかしは人の命を奪っていく。あやかしなんて消えてなくなればいいのに。


しかたない。


3対1ではさすがに勝ち目はないだろう。撤収だ。新人くん達ももう山は降りられているだろう。


そうして私は式神にのって逃げられたのだった。





「夏美さま!よくぞご無事で!!」

麓の拠点に帰ると新人を引率していた者がこちらに駆け寄る。


「あぁ、厄介なあやかしたたちじゃった。明日撤収するぞ、ここではもう修行はできん。」


「は、はい!ところで、慎二様と和樹様はどちらでしょうか?」


「殺されたよ、二人の遺体は明日わしが拾ってくる。皆は明日の出立まで外には出るな。」


「は、はい!」


 


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