飼い猫の話
ただの思いつきの話。
猫はおっぱいの上にいる
猫はおっぱいの上で伸びている
ゴロゴロと喉を鳴らして
ご機嫌そうに
猫はおっぱいの上にいる
猫はおっぱいの上で眠っている
時々欠伸なんかして
構って欲しそうに
猫はおっぱいの上にいる
猫はおっぱいの上でくつろいでいる
ちらちら舌を出入れして
暇を慰めるように
猫はおっぱいの上にいた
猫はおっぱいの上から消えていった
ぴょんと飛び出して
そのまま立ち去っていった
猫はおっぱいの上にいない
猫はおっぱいの上に戻ってこない
どこにいったのか
もう誰にも分からない
猫はおっぱいの上にいない
猫はおっぱいの上に戻ってこない
猫は
――どこにいったの?
誰も教えてくれない
――いや、分からない
あぁ、残念
飼い猫はおっぱいの上にいる
飼い猫はおっぱいの上で伸びている
いつか身体が冷えてしまうまで
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。