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火事屋の楽しみ 練習用短編小説③


 今のところキャラが安定しているのかよく分からない。私自身安定してないと思っているけど……。やっぱり自信はそう簡単には持てないなぁ。

 話がいきなり変わったりとか、描写が足りないところがあったり、語彙が足りなかったりとそんな問題が私の作品と今書いてる文章にあると思うんだよなぁ。


……こんなこと書いてる場合じゃねぇ。文章に自信がないなら自信を持てるくらい文章を書く練習をしよう。


 以下今回書くつもりの小説内容メモの箇条書き


●場所は鍛冶屋の鍛冶場


●その店主はドワーフで、剣を金槌で打っている最中


●店主が一人で仕事をしていると、客がやって来る


●客の用事は今店主が打っている剣を買うこと


●鍛冶場で二人は会話をする


●会話の途中で完成した剣を、店主が会話の最後に客に渡し、客は代金としてお金か酒を渡す


●ドワーフの店主は、職業鍛冶師で酒好き、仕事熱心、豪快な性格


●人間の客は、職業冒険者(熟練)で酒好き、守銭奴、冷静な性格


 これを元に今回の小説を書いていく


——————————————————————————————


 街の中に一人の男が「火事屋」と書かれた看板のある店まで歩いていた。


「日が高いな畜生、今のこの時間ならとっくに狩った魔物を金に換えてやっすい酒を飲んでる頃だってなによ〜まったく」


 そんな男の大声を聞いていた周りの町人は、その男に絡まれないよう距離をとっていった。


 男はその様子を見ながら心の中で『すまん』と謝っていたが、男の苛つきは収まらなかった。


「タクッ仕方ないっちゃ仕方ないことだけどよー。

 なんで今日の朝に折れるかな。折れるんならもっと後に折れとけってんだ。」


 そう男は愚痴を零しながら背中に背負っている鞘に真っ二つに折れてバラバラに納まった剣に意識を向けた。


 少し前に、今まで何回も剣を折ってきた経験からガタがきているとは思ってたが、まさか冒険者ギルドにあるトレーニング場で、いつもやってる冒険者仲間との打ち合いの最中に折れるたぁな。危うく仲間に切り殺されるところだったわ。


 そう男は考えながら「火事屋」に入って早々……。


「おーい! 鍛冶(火事)屋ー! 今日も放火してるかー! それと、前に頼んだ剣は出来てるかー!」


「放火なんぞするか馬鹿者がー! それと、オメェが頼んでった剣は今金槌で打ってる最中だわい!」


 店主のその声を聞きながら、男は剣が置かれている棚を抜けて鍛冶場に入って行った。


「それなら店の看板に火事って書くんじゃねぇよ紛らわしい。……それでどうだ、良い剣は出来そうか?」


「ふん、愚問だな。儂がオメェに一度でもボンクラを渡したことがあったか?」


 そう店主は自信満々に言いながらも、顔を未完成の剣に向けたまま、手に持った金槌をそれに振り下ろした。


「いや、ねぇな。それにジジイが打った剣はいつも調子が良い。」

「ハッ褒めても剣しかやらねぇよ。そういやオメェいつもは店の前に置いてる剣を買って行くくせに、この前突然儂に『俺が持って来た魔物の素材で最高の剣を作ってくれぇ』って言ってすぐに帰って行きやがって、どういう風の吹きまわしだ?」

「なぁに、丁度前に買ってった剣がとうとうガタがきたもんだから、この機会に新しく、それも今まで待ったことがねぇ最っ高の剣を持ってみてぇと思っただけだ。あんたは鍛冶が得意な種族、ドワーフなんだから、俺に合う最っ高な剣を作れんだろ?」


「ハッ確かにオメェに合う剣は作れるがな! あまりにも簡単な仕事過ぎて欠伸が出るわい!」


 そう店主は言うものの、この剣を作るのには二日間もかけているのは、このドワーフがそれだけの実力なのか、それともこの男の為に時間をかけたのか……それはこの冒険者の男には分からない。


「てかオメェ頼みに来た時に魔物を金に換えた夕暮れ時に取りに来るって言ってやがったくせに、なに今来てんだよ」


 店主が剣を打ち終わった後、剣身を確認しながらそう言って来た。


「ああ、そのことなんだがよ……」


「なんでぇ、オメェにしては珍しく渋るじゃねぇか?」


 冒険者の男の様子を疑問に思った店主が、剣身の確認を終えた後に剣を先ほど打っていた台の上に載せながら聞いてきた。


「……朝のトレーニング中に剣が折れちまったんだよ」

「なんでぇそんなことか! ワーハハハ、守銭奴のオメェが使わなくなる剣を売れないようにするなんざ、こりゃ明日は雨か? ハーハハハ」

「五月蝿え、笑うんじゃねぇよ。この剣が折れた所為で、今日は狩りに行ってお金を手に入れることが出来なくなったんだから、今日は散々だわ」

「ハッそれは剣の寿命を見誤ったオメェが悪い! 全くオメェももう熟練の冒険者だってのに、剣の寿命はまだ分かんねぇのかよ。まあいい、その折れた剣、儂に見せてみぃ」


 男は店主に言われた通りに背中に背負った剣を店主に差し出すと、すぐ引っ手繰るようにしながらも、大切に自分の前に持って来ると、早速剣を鞘から出し、鞘の中を見てからすぐに逆さにして剣身を出した。


「……うーむ見事に真っ二つだな……ふむ良いだろう。おいオメェ、儂がこの折れた剣を買ってやるわい」

 それを聞いて男は驚いた。

「い、いいのかよジジイ」

「ああ、これはまた焼き直して剣にするのに丁度良いわ」

 まあ、これは建前じゃがな。

「……そのかわり、分かってんだろう?」

 店主はそうニヤニヤとしながら男に言った。

 すると男はやれやれといった様子で頷いた。

「はあ、だと思ったぜ。まあいい、これも今まで剣を売ってくれた礼ということにしておいてやる。そのかわり、二杯分だけだぜ?」

「全く、オメェはやっぱり守銭奴だな」

「バカ、二杯だぞ、二杯、十分じゃねぇか」

「足りんわ! もっと酒を浴びるくらいに飲まないと飲んだ気がせんわ!」

「あーもう五月蝿いなぁ、分かったよ、三杯分! これ以上はやらねぇぞ?」

「チッ、ケチくさい奴だ。まあいい、それで勘弁しておいてやろう」


 そう言いながら、先ほど店主が打ち終えた剣を男に渡した。


「ほれ、持ってけ」

「へいへい分かったよ。それで、これでいいか?」

 男はそう言いながら、代金を店主の前に置いた。

「……確かにこれくらいでいいぞ……だが別にオメェは守銭奴なんだからよぉ、そのまま持って行っても別に良かったんだぜ?」

「ハッどうせその後にそのことで俺を弄って酒を奢らせようとするんだろ? 狸ジジイめ」


 男はそう言って足早に火事屋から出て行った。

 男が出て行った後店主はしばらく剣の置いている台を見た後。


「……チッよく分かってるじゃねぇか」


 そう言って店主は再び、剣を作る準備を始めた。


「まあだからこそ儂は、彼奴の事をそこそこ気に入ってるんだがな」


 そう言いながら剣を打つ店主の顔は、笑っていた。


今日も日付が変わってしまった……。


今回はそこそこ自信があります。

メモを改めて確認して思ったこと、人間の客:酒好き……? 冷静な性格……?



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