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土砂降りに見えた幻 練習用短編小説②


 前回で人は減った気がするけど……気にしないようにしよう……。


 私は話を書いている内についつい寄り道をしてしまう事が、今まで書いてきて自覚しているので、先ずメモを取ります。


 以下今回書く予定の小説の内容を箇条書きにした物


●ボールが跳ねて転がって離れて行く


●そのボールに向かってまたボールが同じように跳ねて転がって行き、それが繰り返される


●そこは部屋の中、主人公は扉から入ってきてその光景を目撃


●ボールはある程度転がって行くと部屋の隅にある四角い穴の中に入って行くが、この穴はボールよりも小さい


●ボールはその四角い穴よりも少し小さめの形になってから入っていることに気づく


 これを元に小説を書いていく事にする。


 以下、タイトルの短編小説


————————————————————————




 俺は今玄関の外にいる。


 家に帰る途中、激しい雨が降ってきた所為で今は服とズボンはびしょ濡れだ。

 自分が着ている物に気持ち悪い感覚を持ちつつ、俺は玄関の前で一人突っ立っていた。


 小説で、雨の中こうして一人だけ突っ立っていると聞いたら、彼女と喧嘩して振られた哀れな男を想像するだろうが、俺はそうじゃないんだ。


 鍵が取れない


 その所為で俺は家に入れないし、玄関の前に屋根もないから今も雨に打たれている。

 何故鍵を取れないのか? 答えは単純、両手が塞がっているからだ。

 晩飯のおかずが入ったビニール袋と、ドライアイスとバニラが入っているビニール袋をそれぞれ右と左に持っている。

 鍵はズボンの右ポケットにあるので、右に持っている袋を左手で持てばいいだけなのだが……その右の袋がどうにも重いと感じたから確認してみれば……。


「うわ……ああ……クソ」


 信じられない事に、袋には大量の雨水が入っていた。中にあるはずのおかずは全てパックの中に入っているが……恐らく全滅だろう。

 右の袋を確認して、左に持っている袋の中をなんとなく想像し、見たくないと思いながらも確認してみると……。


「…………はは……畜生……」


 もう言葉に表したくないが、左の袋も同様に雨水でいっぱいだった。そして中に入っているドライアイスは全部溶けていた。……どうりで走って帰っている途中、シュウシュウと音がうるさかった訳だ。

 アイス? ……買ったのがソフトクリームと言えば想像がつくだろう。


「あああ、畜生! なんで、こんなことに……金が無駄になったじゃないか……」

 そう言って目を瞑ったまま空に顔を上げた


……だが……ここで絶望に打ちひしがれるよりも先にやることがあるな……。

 そう思った俺は雨に打たれる中、ゆっくりとした動作で右のゴミ袋を地面に落とし、右ポケットに手を突っ込んだ。

 しかし鍵が中々出てこず、ついにイライラしてきた俺は手をポケットの中で暴れさせ、ようやく出て来た鍵で攻撃するようにドアの鍵穴に刺し、右に回してドアノブを引いたが開かなかった。

 俺は雨に濡れて寒い所為か、冷たい手の震えを抑えながらゆっくりと鍵を左に回して、ガチャン、という音を聞き、ドアノブを引いた。今度はドアが開いた。


 俺はそのまま左にゴミ袋を持ってトボトボと玄関の中に入って行った。

 しかし玄関で靴を脱ごうとした時、ふと思った。

……そうだな、ゴミを玄関に置くのは汚い……。


 俺はそう考えて左に持っているもう一つのゴミを玄関を入ってすぐの廊下に……置く前に玄関の外に雨水を流して廊下に放った。

 その後、顔に左手を当てながら急ぎ足でゴミ袋の前まで歩いて流れるように……取ろうとしたのだが取れなかった。


「……」


 再び無言のまま袋の取っ手を掴んでその場で同じようにゴミ袋に入っている雨水を捨てて玄関まで早足で歩き、先ほど置いたゴミ袋の横に並べた。


 その後、置いて並べたゴミ袋を見てボーっと考えた。


……はあ、金をドブに捨てた気分だ。そもそもよく袋に雨水が溜まったな、そのことに気付かない俺も俺だが……あ……そうだった、雨に濡れてたんだったよ……。


 そう考えて俺は靴を剥いで、廊下に足跡をつけながら風呂場に向かった。


 後で床拭かないとなぁ、ということをボーっと考えながら風呂場のドアを横に開けると……。


「……なんだこれ?」


 部屋が暗い為よく分からないが、目の前には、左にあるシャワーの無数の小さな穴から野球ボールくらいの大きさのボールが生成されて、床に落ちて跳ねながら右の壁の下にある丸い排水口に入って行く光景があった。

 明らかにボールの方が排水口の沢山の小さな穴より大きいのに……いやそれよりも異常なのはこの現象が何回も起こっていることだよ。


 ショックで幻覚でも見てんのか俺は?


 なんとなく排水口に入っていくボールをよく見てみると、ボールが水のように形を変えながら入っていくように見えた。もしかしてこれってシャワーの水なのか? よく耳を澄ませてみれば跳ねる瞬間、ボチャンって音がするな。


 そうハッと思いついた考えが正しいか確かめる為に部屋の電気をつけて確認すると、思った通り水でできたボールだった。

 それを確認した後次はシャワーの蛇口にある青い線を見てみると蛇口は捻られている状態だということが分かった。


 マジか、水出したまま買い物に行ったのかよ……勿体ねぇ。


 そう思い、すぐに蛇口の方に近寄り、シャワーから水が出ないように蛇口を捻った。すると先ほどの不思議な現象は最後の水のボールが排水口に入っていくと、ピタリと止んだ。


 そうなるとなんだか寂しい感じがして、またシャワーから水が出るように蛇口を捻った。


「うお!?」


 すると今度は先ほどの現象とは違い、普段と同じようにザーっと音を出しながら水が流れたのだが、その水が体に掛かってしまい、冷たさを感じた為すぐにシャワーの蛇口を捻って水を止めた。部屋の中はしばらくの間、静寂に包まれた。


「……全く今日は最悪だ」


 そう愚痴を零しつつ、着ている物を全て脱いで近くにある洗濯機に入れた後、先ほどの不思議な現象のことは忘れてシャワーを浴び、風呂場から出て体をタオルで拭きながら、玄関の扉まで行って鍵穴から鍵を家の中から取って、玄関の鍵を掛けた。

 その後なんとなくゴミ袋の中身が実際どうなったのか気になり、確認することにした。

 先ずアイスがあった(・・・)袋は……あなたのご想像にお任せする。多分あなたの想像通りだ。

 もう一つの袋にある晩飯のおかずは……全て、とはいえないが無事な物もあった。


「……まあ、とりあえず金を出した分が全て無駄になった訳じゃなくて良かった……」


 俺はそう思うことにし、晩飯のご飯を炊く為、台所に向かった。

自信? ……ないです笑

やはり寄り道が多くなってしまうようです。

ハア……ガチガチに寄り道する余裕がないくらい設定をつけるか……。

最初に考えた設定が微妙に無視されてるのはあんまり気にしないように。

……次は人の会話のシーンを書いてみるか……。


次の日付になってしまった……ギリギリアウトになるかな……

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