小説を書きたいと思っていたら、気付けば嘘つきになっていた 練習小説・執筆者の戯言混合
約9000文字
10月1日に小説が投稿されるのを待ってくださった方々に、深い謝罪と感謝と共に私の血と臓物を差し上げます。
申し訳ありませんでした!
そして今回もこの小説を開いてくれてありがとうございます!
(血と臓物は余計か……そもそも出来ない)
無言に包まれた空間の中に突然不吉な効果音が流れ出した。
「え、今の何?」
「分かりません、ただなんだか不吉な予感がします」
『執筆中ノ小説データノエラーヲ確認、再起動シマシタ。諦メテ始メカラ執筆シ直シテクダサイ——ヴッ』
部屋のテーブルに置かれていた黒い無線機から、そんな機械音が聞こえた。
「えっと、つまり?」
「なんでしょうか……」
つまり折角執筆していた小説がいきなり全部消えたということです! 良かったね! また小説を書く練習ガデキルヨ……執筆スル気力ガナクナル、心折れそう。
この小説のタイトルがこれだからダメだったのか!? カコヲフリカエッチャイカンヨって、適当なタイトル付けたのが気に食わなかったのかこのポンコツラジオめ!
黒い無線機から再び機械音が流れた。
『——執筆者サン、カコヲフリカエッチャイカンヨ? ——ヴッ』
やかましいわ黒無線機。
「あー、まあ……頑張れ執筆者、挫けるんじゃないぞー!」
「そこで挫けたらもう一生小説書けなくなりそうですからね」
そうだ、失った物ばかり考えてても仕方ない。そんなこと考えててもその場で足踏みしてるのとなんら変わらないからな。
前に進まなければならない……新しく小説を執筆して行くしかないのだ。あー、無常だ、虚無感が……ツレェ! そうだこう考えよう。神様が私に半年も新しい小説を出していないことに対する天罰を下してくれたと考えるんだ! (神様なんて信じてないけど……)
とりあえずテンションおかしいから執筆作業一旦やめよう……
「まあ気を取り直して、次の話題に行こうか。前回から——」
「——先輩」
「1ヶ月、なんだ新作者?」
「その質問って先輩がやるよりも僕が質問した方が普通だと思うんです。ほら、ペンネームはまだ変わってないから、僕じゃなくて先輩が執筆してる(という設定)でしょ」
前作者の針の動きが固まった。
新作者の体が撓む。
『マタデスカ、固マッテナイデ早ク話ヲ進メテクダサイ——ヴッ』
「ま、まあお前の言ってることにも一理あるな……そこまで言うなら仕方ない、質問する役割を君に譲ろう」
前作者の針が再び回り始めた。
「なんでそんな偉そうなんですか、まあ有り難く質問させてもらいますけど。
前回から1ヶ月以上間が空いたけど、先輩は何をやっていたんですか?」
そう聞かれた瞬間、前作者の針がまた一瞬固まり、数秒後にギギ、ギギギギギという効果音が聞こえそうなほどぎこちなく回り始めた。
『前作者サン、ドウカシマシタカ? ソノ時計ノ針ニ油デモサシマショウカ? ——ヴッ』
「余計なお世話だ黒無線機。まあ、色々だよ……? 台風とか……あ、そうだ思い出した小説を書いたんだよ! あの新しい小説を半年も出せなかった私が!」
前作者時代が突然時計の針を高速回転させる。
「なんですか突然、新しい小説って……遂に新しく小説を出すことが出来るんですか!」
白紙の体をこれでもかとばかりに広げて新作者は驚きを必死に表現する。
想像して見たらなんか和んだ。
『黙ッテテクダサイ執筆者、話ガ進ミマセン——ヴッ』
「落ち着け新作者、期待させたようで悪いが実はもうその小説投稿してるんだよ」
「え? 本当ですか! でもマイページを開いてもそれらしい物は無かったですよ?」
「それはそうだ、投稿したのは別の小説投稿サイトだからな」
「え……? なんで別のサイトに投稿したんですか……!」
「その必要があったからだよ」
新作者はそれを聞いて徐々に体を皺くちゃにさせていった。
「まさか……ペンネームを変えるだなんて言い出したのはそういうことですか! 別の小説投稿サイトで新しく小説家人生を始めるっていうことなんですか!」
皺くちゃ状態から一気に体を広げて怒りを露わにする。
「へ? いや——ぶへっ!」
前作者が何か言おうとするのを遮って、新作者は自分の体をハリセンの形を素早く折って前作者を叩いた。
「今までこの小説家になろうで頑張ってきたじゃないですか! たしかに、小説をまともに投稿できないまま半年以上も過ぎた……それでも! そのことに自己嫌悪しながらも、今まで必死に執筆しようと頑張ってきた! この『小説家になろう』で! それなのに……これからは別サイトで頑張るって、過去を捨てるんじゃない! 今回のタイトルの意味もそういうことなんでしょう……」
ハリセンに折った自分の体を、丁度真ん中で更に折って悲しんだ。
前作者はその様子を見ながら秒針をゆっくり左右に動かす。
「これからもここで頑張りましょうよ。良い小説、自分の納得が行く小説を書くことは出来なかった、でも小説を書きたいという衝動はいくらでもあった。それを全然形に出来なくて、自己嫌悪に陥って、小説家に向いてないんじゃないかって心が折れそうにもなった。それでも、今日も書いてきた。より良い小説を書くために、自分の納得がいく小説を書くために、練習用短編小説集に投稿し続けてきた。この過去は……出来れば燃やしたい過去だ、何故ならこの小説は、自分の汚点そのもの、ネットでよく聞く黒歴史だからだ。他人には見られたくないもの、ならなんでここに投稿してんのか分からんけど……。
でも今更この過去を捨てるなんて、遅過ぎやしませんか? 捨てるならあの、なんだろ、真っ白な世界とか書いてるうちに早く捨てるべきでしたよ。でもこの過去を捨てずここまできた。あの時からこの練習用短編小説集の全体文字数は増えてきた。その文字量は毎日書き続けている人達に比べれば物凄く少ない、ゴミと思われるレベルだ。小説の質も低いしアクセス数も天と地の差だ。これで執筆者が自分の小説に対して求めていたことが栄光、他人から褒めてもらうことやかっこつけたらすることだったなら、直ぐに消して納得が行く小説を書けるように裏で猛練習に励んでいたことだろう……あれ、そっちの方が良くないか? いやいや、栄光とかを求めていたならすぐに挫折して別のことをしていた、こっちの方が正しいか、とりあえず小説を執筆することはやめていた筈だ。
今まで必死に執筆し続けてきた。ゲームとかの娯楽や日常生活を送っている間も、後悔し続けてきた。こんなことしてる場合じゃないだろ! 小説を書かないと駄目だろって夜になってから自分を責めた。
そんな歴史というか、先輩の人生が詰まった場所なんだ! その場所を、今更捨ててどっかに行くなんて……どうかしてるよ!」
新作者はそう言い終えると泣きだした。
無論紙なので涙は出ない。
前作者の秒針が困ったように左右に揺れる
「あー……折角良いこと言ってくれた後で申し訳ないけど、別に新しいサイトで始めようって訳じゃないからね? 心配要らないよ」
「本当ですか?」
「本当だ、嘘は嫌いだからね」
「前回10月1日にこの小説投稿するっていってすっぽかしたのって誰でしたっけ?」
「…………これでも反省してるんだよ? 大体投稿遅れたのは執筆してた小説が——」
「言い訳はいいです」
踏ん反り返られた。
そりゃ言い訳と取られるだろうとは思ってたけど実際に言われると傷付くよ……私メンタル弱いし。
楽しみにしてた方はごめんなさい! この場を持ってお詫び申し上げます! え? 謝罪だけじゃ足りない? 誠意を見せろ? 謝罪はいいから小説を書け? はは、ははは……ハイ、ガンバリマス。
『執筆者サン、次ハ遅レナイヨウニスルナドノ約束事ハナインデスカ? ——ヴッ』
…………逆に聞くが黒無線機、ここで約束してどうなる? おそらく私はもう一回すっぽかすことになる、そんな自信がある。「そんな自信なんか捨てちまえ!」
執筆者が突然声を変えてそう言った。一人芝居虚しい。
別に約束を破っても何かある訳じゃない。いや読者様との信頼関係が崩れることになるか……。
命を狙われることはない、金を取られる訳でもない。
だから約束する意味は……まあほとんど……いや信頼関係を保つためという意味がある。
これは持論というかどっかの誰かの受け売りだが、守れない約束をしても信頼関係が崩れて損するだけだ。それも高い確率で破ってしまうであろう約束なんてしても嘘つきと言われるだけだ。だから、約束は守れる約束だけするんだ。
その約束は高確率で守れないだろうからしない。
『10月1日ニコノ小説ヲ出ストイウ約束ハ? ——ヴッ』
…………
『他ニモ、暗(略)ヲ書キ直ストイウ約束モ守レソウニナイト言ッテタハズデスヨネ? 今マデ何度約束ヲ破ッテキタト思ッテルンデスカ? 何度嘘ヲツイテキマシタカ? ——ヴッ』
…………
『読者様ト執筆者サンノ信頼関係ハ、トックニ破綻シテマスヨ。マタツイタ一ツノ嘘ヲ、マタ一ツ謝ッタダケデス。謝レバソレデ許シテクレル、ソウ思ッテイルンデショウ? ……違イマスネ、形ダケデモ謝ッテオコウ、ソウ思ッテイル。ドウセ誰モ見テイナインダト、ソウ思ッテ。
アナタハ嘘ツキデスヨ、執筆者。自分ノ言ッタコトヲ守ラナイ、無責任デ、口先ダケノ、最低ナ人間ノ一人デス——ヴッ』
……………………心にグサグサと刺さって、取りたくても取れない取れないような、痛くて痛くて苦しい、無様にのたうち回りたくなりそうな言葉、ありがとう。
…………ハー……これから言うことは、ただの言い訳だ。自己満足なね。
私は最初に叩いた大口から今まで、その時は絶対に守ると意志を固めていた……その時は、ね——
でも、時間が経つ内に忘れていった。あんなに守ろう守ろうと思っていたのにな。
あの時の情熱が、時間が経つ内にどんどんどんどんと……無くなっていった。そして気付いた時には私は——
——嘘つきになっていた。そして更にそれが積み重なって、私は大嘘つきになった。
一応言っておこう。絶対に信じられないだろうし、何を言ってるんだと失笑を買うことだろうけど——私は嘘をつく人間が嫌いだ。
だから、私は嘘をつく私が嫌いだ。それで自己嫌悪に陥っている。
自己嫌悪は小説書き始める前からよくしていたと思うが……その自己嫌悪の材料がまた増えた。
種類は多分一種だけ、それは自分の設定した目標やルールを達成、または守ることが出来ないこと。
決めた事を出来なかった私はいつも自己嫌悪に陥る、と言っても軽くだけど。「あー、クソ、またやりたいことが出来なかった」といった感じ。
そういえば、自己嫌悪が過ぎるとどうなるか分かるか?
『ストレスガ溜マルンジャナイデスカ? ——ヴッ』
まあそうなんだけど、私が聞きたいのはそういうことじゃないんだ……。出来ない自分に対して自己嫌悪、つまりストレスを溜めると、死にたくなるんだ。
それはストレスが一番の原因だ。自己嫌悪はストレスを溜めるある種の道具みたいなものかな。
ストレスを溜め続けると日常生活が死ぬことよりも辛いと思えてくる、ならばいっそ死んだ方が楽じゃないか、と思って死にたくなる。
自己嫌悪でストレスを溜め続けると至らない自分が死ぬことよりも嫌になって死にたくなる。
大切な人が亡くなった時のストレスを溜め続ける……いやこれは一気に溜まるものか。大切な人がいないことが死ぬことよりも辛くなって死にたくなる。
仕事でストレスを溜め続けると仕事をすることが死ぬことよりも辛くなって死にたくなる。
これは全部私の推測だが、大体合ってると思う。
つまり何が言いたいかと言うと、何が言いたいか……何を言いたかったんだろう。
『……………………——ヴッ』
その場で思いついた事を考えなしに次から次へと書いていくとこうなるっていう典型的な例だな。
とりあえず多分、私は自己嫌悪をしている。死にたくなるほどではないけれど、このまま自己嫌悪の材料を増やしていけば、いつかはそうなりそう。(自己嫌悪で自殺したって話を私は耳にしてないけれど)
だから今後も自己嫌悪をしないように頑張っていきます。ってこれ前にも言ってなかったかな? というかなんで嘘をつくことになったのかの言い訳からこの話になったんだろう、なんで自己嫌悪の話になった。
まさか言い訳すら出来ないなんて……いやその代わり話題を逸らすという意味が出てきたけども、今言ったから意味ないわ。
あー、なんで私ってこんなんなんだろうなぁ。
自分の至らなさに思わず天を仰いだ。
『自己嫌悪ヲシナイヨウニスルト言ッタ側カラ破ル神経ガ私ニハ理解出来マセン——ヴッ』
あ、しまった。また自己嫌悪してしまった。クソ……
『ソレモ自己嫌悪デスヨ——ヴッ』
…………
『黙ッテ自己嫌悪をシナイデクダサイ——』
ここまで茶番、というのは嘘です。思いついてた事をそのまま書いただけです。
ただ、こんな事を考えている間に、何故私が小説を書こうと思っても書けないのか、それが分かったような気がします。
小説を書かないと駄目なのに、なんで私は……という自己嫌悪をしたくないから小説を書けないのかもしれない。
小説を書かないと駄目だ。出来なければ私は駄目な人間だ。という自分を責める感情を思い出したくないから、ゲーム等の娯楽に走ったのかもしれない。
無意識のうちに、小説を書かないといけないということを頭の中から必死に消そうとしていた。何か楽しいことや忙しい事をして、その記憶を掻き消そうとした。
自己嫌悪に陥らない為に——
どういう事なのかいまいち分からないと思われるだろう。ただ、そういう事だと今の私はそう確信を持って言う。(時間が経つとまた違う考えが出るかもしれないから一応保険をかける)
自己嫌悪に陥らない為と言っても、それは一時的な事だ。もっと言えば娯楽等に浸っている時だけだ。
だから、そうやって自己嫌悪を避けても、何もしない時間が来た時、例えば寝る時間が来た時にその小説を書かないといけないという記憶が頭に浮かんで来て、激しい自己嫌悪に陥る、娯楽に走ったという記憶があるから尚更ね。
だから、その寝る時はどうしていたかというと、その事を忘れて寝ようとしたり、音楽を聴きながら寝るようにしたり、(眠れないと思われるだろうけど意外と眠れるものなんだ、睡眠不足の時は特に……それは誰でも一緒だろ)寝る前に明日は絶対に書くんだというようなメモを書いたりして、安心した後に寝たりした。(メモを残しても書かない場合が大半)
そうかと思えば、寝る前に小説を書こうという考えにもなる。
この練習用短編小説集を大体夜に投稿してるのはその為だ。
さて、何故自己嫌悪に陥らない為に(略の話に戻ろうか。
何故更に自己嫌悪をしてしまうのに娯楽に走るのか、それは私の精神力が弱いからに他ならない。
つまり、目の前の自己嫌悪というストレスを感じたくないから娯楽に走ったんです。その先ではさっき避けたストレスが更に肥大化して待っているのにもかかわらず……私はそれを娯楽に走る前から知っていた。既に何度も味わっていたから。だから小説を書かないと、書かないとと思った。もう分かっていると思いますが『この書かないと……』と思うことは自己嫌悪:ストレスです。
そのストレスを避ける為にまた、娯楽に走った。そのストレスに立ち向かう精神力がなかったから、私は小説を半年以上も書けないでいた。これって言い訳かな? ……どうでもいいか。
負の悪循環だ……。この流れに乗っている限り、私はいつまで経っても小説を書けない……。
そう今私は思ったんですけどねー……書いてるんですよね。小説と言えるかどうか分からないけれど、執筆している、今この瞬間も、普通この悪循環だと最終的に小説を書かなくなるものだと思うんです。この練習用短編小説集の他にも、練習用の小説って結構あるんです。それらを適当に流し読みしながらその作者のその後を見てみると、途中で更新が止まってるんですよ。多分私と同じように小説を書けない自己嫌悪という負の悪循環に陥って、最終的に小説を書くのやめてこの自己嫌悪から解放されて楽になろうと思ったんでしょう。
『ソレハ極端ジャナイデスカ? 仕事の関係デヤムナク書クコトヲ諦メタリ、自分ニハ才能ガナイト思挫折シタ等ノ考エガ出テクルデショウ——ヴッ』
それって最終的に今言った負の悪循環に入って、小説を書く事をやめる丁度良い理由を見つけたから書くのをやめたんじゃないのか?
『執筆者、ソウイウコトハ心ノ内ニデモ黙ッテシマッテオイテ《アー、確カニソウデスネ》ト、受ケ答エヲスルモノナンジャナイデスカ? ——ヴッ』
これを言って怒るのはプライドが無駄に高い人だけじゃないか? 私も無駄にプライドが高いから言われたら腹立つだろうけど。
最終的に書くのをやめたのはその人なんだから文句を言われたくない。文句を言うなら小説を書いてからで、もしくは文句を言う暇があったら小説を書け、です。
『執筆者、今絶対他ノ作者様カラ一生小説ヲ書ケナイ呪イヲカケラレマシタヨ——ヴッ』
そんな呪いが本当にかかったならそれはそれで受け入れるつもりだ。呪いをかけられる種を蒔いたのは私自身なんだし。その時は小説のネタをネットに流して終わりだ……そんな時は来ないと思いたいけど。
えーと、負の悪循環に陥った私はもうとっくに小説を書くのをやめている筈なのに、今もまだ小説を書き続けているのってすごくないか? ってまあちょっと腹立つ話題だったかな。(そんなもん毎日書いてる人からしたら階段を一段登って凄くないかと喜んでる子供を暖かい目で見るような小さな小さな自慢だろうけど)その話に戻ろうか。
私が今でも小説を書く気を火薬みたいに爆発させては一時的に起こしていけてるのは、書きたいと思っている小説の量のおかげだろう(もう一つ心当たりがあるけどそれは秘密)そして、こんな不安定な執筆をすることになった原因でもある? かは微妙か。
それで、その書きたいと思っている小説の量だが……確認しただけで26個はあった。全部短編? 長編、いや中編が殆どじゃないかな? 短編は長編よりも少なかった筈。
これにアレを足して28個、29個か? おかしい……アレを足さないで少し前までは23個だった筈なのに、3つ増えてる……あ、あの小説を数に入れちゃダメなんだった。それじゃあ25個か。
あの小説と言うのは……前に没になった奴はどっちにも含んでいたはずなので……
罪の海
悪いことをして良心を痛めた善人は自分の罪に囚われる。それを克服しないと生きていけないから、悪いことをしたとは思わないようにした。
これのことです。メモしたのは良かったんですが、なにせ内容がこれだけなもので……頭の中を物理的にほじくり返せば思い出せるかもしれないですが、そんな死ぬかもしれないリスク、背負いたくない。
という冗談は置いといてこれだけじゃどんな小説を書けばいいのかサッパリです。いやまあ改めてこの小説を一字一句見て大体こういう感じだったかな? って考えて書いてもいいんですが、それならまだ内容が残ってる、マシな小説を書いていけばいい話で……。
この小説は確か時代は現代で、主人公は学生、それで、物語は主人公がいじめか何かを結果的に親しい友人にやってしまって、そのことに囚われると死にたくなるからいじめたとは思わないようにして生きていく所から始めるんだったか? この小説の売りは確か罪を犯した主人公がその後どうやって生きていくかの筈……。
書きませんよ? 書きませんけどこのまま放っておくとなんか気持ち悪いじゃないですか。あ、この小説書きたいって人がいたら書いてもらって良いですよ。
私には書けなさそうなので……誰も書かないで放置されそうだなぁ。(済まない、折角お前を思いついたっていうのに書けなくて……それもこれも思い付く小説の量が悪い)
正直この25個の小説は私も玉石混合だと思っています。良さそうな小説は……大体17個、その内書けそうなのは……13個か? 書きたいものも入れてたかな、まあ誤差だろう。
とにかく、書きたい小説がこれくらいあるんです。だからこそ、こんな所で躓いている暇はない……! だけどそれで書かないと……っていうストレスになって書けない、でも今こうやって書くのは書きたい小説があるから。
でも、この状況は長続きはしないと感じています。その内、ネットにその小説のネタを流すだけになってしまうかもしれない……それは嫌だ。
絶対にこの状況を改善したい! このままシューティングゲームのボムを抱えたまま死ぬようなことはしたくない! だから——
——私は小説を書かないようにします。
その代わりに、楽しいことを書いていきたいと思います。楽しいことって言うのは……まあ例えばゲームしたとか、思いついた駄洒落とかを書くとかそう言うのです。
混乱してると思うので説明すると、今私は小説を書くことに対して自己嫌悪によりストレスを感じています。
だから、小説を書かなくてもいいと思うことで、小説を書くということに対するストレスを少しずつなくしていこうかと、でもそれだけじゃ駄目だと私は思いました。何故かというと、ストレスを減少させることは出来ても、私の小説に対する認識は書かないといけないもので固定されているので、減少してきた所でまた書こうと思っても、その認識のままなので、今の状況の二の舞になると考えました。そこで、小説を書くということに対してではなく、考えたことを書くということをしていこうかと思ったんです。深夜に書いてるので文章がおかしいのは目を閉じて頂けると助かります……。
小説を書くことに対してだけでなく、文字を書くということに対してもストレスを感じているんじゃないかと思うんです。なので、書かないと駄目なものという認識を変えていくために、文字を書くのは楽しいことと自分に少しずつ思い込ませていって、徐々に小説を書くようにしていこうかと思うんです。
楽しいことを書くのは……なんか楽しくない事書いてもそれは楽しくないから、文字を書くことに対しての認識が楽しくないことになってしまう可能性があるからです。
とりあえず、書きたいことはこれくらいかな? 物凄く眠たい。
「お疲れ様だ執筆者、私達作者の出番が殆ど無かったぞ」
前作者は時計の針を勢いよく回した後、2時9分を指した。
「まあいいじゃないですか、これからも出番があればね」
新作者の白い体が徐々に黒く変化していく。
ぜ、善処します(怖っ)
「そうだ先輩、新しく書いて別サイトに上げたっていう小説の出来はどうですか?」
「いつも通り、納得のいかない出来だ。2つも書いたけど」
「いつも通りですか……2つも書いたって、凄いじゃないですか! 練習用短編小説集を書き始めた時くらいの勢いじゃないですか?」
「確かに、2つ目の小説はそれくらいの勢いだった筈だが、1つ目の奴は10日くらいかかったよ。1つ目の奴の文字数は8000くらい2つ目は3500くらいだったかな?」
前作者の時計盤の表示が変わり、目にも止まらぬ速さで針を何回転もさせて、8000、3500を指した
「へぇー……そういえばまたなんでその2つの小説を別サイトなんかに?」
「それは秘密だ、少し言うならば、その必要があったからだ」
『ピー、執筆者ノ限界ガ来マシタ。今回ハココデ終ワリニシマス。最後まで付き合ってクダサッタ方々へ——アリガトウゴザイマス——ヴッ』
前書きに変なこと書いて申し訳ないです。
深夜に書いているので大目に見て下さい! お願いします! 約9000文字書いたので許してください! 夜にしかまだ書けないので!
次回の投稿は未定です。もしかしたら書いた文字を投稿するかもしれない、ってそれで期待させて応えられなかったらどうすんだ……いや、もうそれ遅いか……どうにか年内には小説に対する認識を変えて、小説書いていきたいです。
ところで、今回がこの練習用短編小説集の中で一番文字を書いた小説じゃないかな。なんか妙な達成感が……いやまあ書きたいことを書いたらそうなっただけだけども。