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天使さまの子守歌  作者: 晶石かいや
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街を目指して2人は歩く

俺は、現在となりのイケメン…ヒドルさんと一緒に、街を目指して森の中を歩いている。

「にしても、気味の悪い森ですね」

「そうだね、でも街まではここを抜けるのが一番近いんだ。とはいえここには強いモンスターも多いし僕から

離れないでね」

「分かりました」

強いモンスターか…何がいるんだろ?

その時だった。

奥の茂みから「ガサガサ」という物音がした

すると、ツノの生えた人型のモンスターが数体現れた。

「何なんだ⁈こいつら」

「《小鬼ゴブリンだよ」

小鬼?て事はそんな強くないのか?

その時、一体の小鬼がこちらに向かってきた。

「そっちがその気ならやってやろうじゃねーか」

俺は、小鬼に向かって一歩足を踏み出した。

「カキーン」

金属と金属がぶつかる音がして腹を見る。

そこには、俺の腹を鋭い爪でえぐろうとして失敗した小鬼の姿があった。

あ、あぶねーメタルでよかった。

安心してため息を漏らす。

その時、腹に鋭い痛みが走った。

「痛っ⁉︎」

慌てて腹を見ると、先程の小鬼がドリルのようなもので俺の腹に穴を開けていた。

焦って小鬼を突き飛ばすと腹を抑える。

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い…………………

腹からたくさんの血が流れる。

体が金属でも血は出るのか…なんて馬鹿げたことを思いながら、前を見る。

小鬼は、してやったぜと言った表情で、こちらを見つめている。

ちくしょう、痛え

涙がにじむ。

意識が朦朧とする。

体温が奪われる感じがした。

俺死ぬのか?こんな所で?

ヒドルさんの方を見ると、ヒドルさんは取り乱しているようだった。

と思えば、こちらを向いて両手をかざす。

「魔力開放」

「[治癒(ヒール]!!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

温かい。

痛みが消えていく。自分でも、 傷が癒えていくのがよく分かる。

力が戻ってくる。

思考がはっきりする。

これが《魔法》

すげぇ、本当に来たのか

憧れの【異世界】に‼︎


いつの間にか、胸を襲っていた不安は消え去った。代わりに、どうしようもない興奮と、これから訪れる非日常に対する期待が押し寄せてきた。

「さっきのお返しだ!この野郎」

俺は、先ほどの小鬼に思い切り蹴りを入れた。

小鬼は、「ギャッ」という声と共に吹っ飛んだ。

駆けつけた他の小鬼も同様に吹っ飛ばすと、ヒドルさんの方に向かった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「いやぁ心臓止まるかと思ったよ!全く」

「ハハ、スイマセン…」

「まぁ、無事で良かったよ。」

それにしても、この人強いんだな。ヒドルさんの周りには小鬼がたくさんいたのに、あっという間に倒したもんな。

「タオ君、小鬼は確かに弱いモンスターだけど油断しないこと!タオ君みたいに油断して命を落とす人がたくさんいるんだ」

「気をつけます」

「あ、それと敬語は慣れないから、タメ口でお願いするよ」

「ああ、分かった。」

そう言うと満足したようにヒドルさんは笑った。

あ、もうすぐ街が見えてくるよ。

その声に俺の心臓は跳ね上がった

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