銀色の少年
俺がそう名乗った時、ヒドルさんは真剣な表情でこちらを見ていた。
「あのね、タオ君。君に言っておかなければならないことがあるんだ」
あまりに真剣なので、俺は思わず、息を飲んだ。
「君は、もう人間ではないんだ」
「え??何言ってるんですか?」
予想以上にぶっ飛んだ話で思考が追いつかない。
「実は、君が魔法陣の中に現れた時僕は、武器の錬成をしていたんだ」
「それって…」
「うん、そのまま君ごとモンスターを錬成してしまったんだ」
そういったきり、ヒドルさんは黙ってしまった。
てことは、俺って半分モンスターって事⁇
にしてもヒドルさんイケメンすぎうらやましい
俺は改めてヒドルさんを眺める。
暗い表情をしていても、とても絵になる。って話がズレてる!
流石に、俺の体が気になるな。下半身蜘蛛とかだったらなんかやだなぁ
「そうだよね、何も知らないまま話進められて不安だよね」
俺の不安そうな、表情を悟ったのか、ヒドルさんはそう言って自嘲的な笑みをこぼす
「話だけでは伝わらないと思うし、一度自分の姿を確認するといい。」
そう言ってヒドルさんは、
「魔力解放」
と呟いた
次の瞬間、ヒドルさんの目が光り始めた。
「[鏡]」
すると、空間に俺の顔が映し出された。
そこには、黒髮で白い肌の俺はいなくて代わりに、銀髪で肌がメタリックな奴がいた。
「え…」
肌や髪の色もとても気になったが、何よりも目がおかしかった。
瞳は金色(それ自体は悪くないが)
本来白目であるはずの部分が黒いのだ。アメコミばりに
「なんだこの目⁇」
俺がそう言うと、ヒドルさんは苦い顔をして
「ごめん、もっと僕に魔力があれば、打ち消せたのに…いやだよねその見た目……」
と言って俯いた
「かっけー」
「え??」
うわっ恥ず/// 思わず声に出てしまった。
でもでも、カッコ良すぎだろ!サイボーグって感じだな手と足は……おぉ⁉︎カッコいい!!
なんかめっちゃ強そう、これは、異世界でモテまくりのハーレム生活が始まったり?
「嫌じゃないのかい?」
「もちろんですよ!」
「きみは不思議だな」
「そうですかね?でも異世界と無双とハーレムに憧れる、厨二心を忘れない男だったらこんなもんですよ。」
「ムソウ?チュウニ?どこの言葉かな?」
やべお約束やっちまった。
「まあまあ、気にしないで下さい。とにかく‼︎男のロマンてやつですよ」
「そういうものなのか…。うんでも良かった君が落ち込んでなくて」
そう言って、ヒドルさんは微笑んだ
「そういえば、俺の体って何がベースなんですか?」
「ああ、《メタルスライム》だよ」
は?え、最弱ってわけでもないけど、雑魚キャラの域を出ないあの?
ええ〜ビミョーすぎる。もっとあるだろー
同じメタルでも、メタルドラゴンとかさぁ、メタル系のムカデとか……なんでだよ‼︎!
こんなんじゃ、対して能力値変わんねーだろ!
「そのメタルスライムは、この森一帯の主でね。倒すのに一ヶ月もかかってしまったんだ」
ん?まてよ?
「だから、多少君の能力値」は上がっていると思うよ」
まじですか。タオ無双のチート生活が始まったり?
「あの、ステータスってどやって分かるんですか?」
「え?何を言ってるんだ。もしかして君測ったことないの?」
「はい…」
「ふうん…じゃあ僕と一緒に行かないか?」
「え!いいんですか?」
「勿論さ」
よかったーしばらくの間、仲間ができたな
俺のステータスどうなってんだろ楽しみだなーー