出会いは突然に
温かい。
痛みが消えて行く。自分でも、傷が癒えていくのが良く分かる。
力が戻ってくる。
思考がはっきりする。
これが《魔法》
すげぇ、本当に来たのか
憧れの【異世界】に‼︎
~数時間前~
俺は、立花桃真。
2/14生まれの高校2年生
甘い物が好きなフツーの高校生だ。
今日は、月曜日。
加えて、新学期だ。
憂鬱な気持ちを抑え込んで、鞄を持つ。
誰もいない家に、「いってきます」
と声をかけ、扉を開けた
一歩足を踏み出した時
俺は、まばゆい光に包まれた。
目を開けると、目の前には、驚いた顔でこちらを見つめるイケメンがいた
足元に違和感を覚えて、自分の足元を見る
「なんだこれ、 魔法陣みたいな…」
再び青年に目を向けると、青年は何かを訴えてきた
「何言ってんだ? 聞こえないんだけど」
その時だった。
足元の魔法陣が、 光を増した。意識が遠のく
「何なんだまじで、 意..み…分か..ん....ね」
俺の思考はそこでシャットアウトした
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー「ん、ここは?」
目の前には見知らぬ天 井があった。
「気がついたみたいだ ね、 良かった」
声のする方を見ると、そこには、さっきのイケメンがいた。
二十代そこそこと言ったところか、サラサラの金髪に緑色の瞳…。これだけ聞くと金髪碧眼のイケメンだが、
奇妙な点があった。イケメンの耳は長く尖っていたのだ、いわゆる、エルフ耳ってヤツ。
「その耳…」
思わず、口にしてしまう。
コスプレか?いやそれにしてはやけにリアルだ。
「あー、その…」
イケメンおにーさんは、罰が悪そうな顔をした。
「すみません…俺「いいんだ、気になるよなぁ、そりゃ」
謝罪を口にするが、おにーさんは笑顔でこちらを見て、とんでも無いことを言った。
「僕は、ハーフエルフなんだ、父が人間でね。髪と目の色は父譲りなんだけど、この耳は母からなんだ」
はい?ちょっとこのおにーさん何言ってんだ。もしかして厨二びr
でも、おにーさんの顔を見る限り嘘をついているとは思えなかった。
それにしても、ここはどこなんだ?倒れる前にチラリと見えた街並みは、日本では見られないものだった。
中世のヨーロッパのような………
「えーっとお兄さん? ここは、一体?」
恐る恐るたずねると、
「ヒドルで良いよ、ここは、シトラント王国の郊外の森だよ。」
と爽やかな笑顔付きで返された。
予想はしてたけど、日本じゃないのか、しかも知らない国だ
窓から差し込む光を見る限り、時間はあまり立っていないっぽいし、それにこんな短時間のうちに全く別の知らない世界に来るなんて、まるで異世界転生せ……あれ?嘘だよな
流石に、そんなラノベみたいなハハ…
え〜〜〜〜〜っ⁈
俺異世界来ちゃった⁉︎
なんてひとり脳内パニックに陥っていると、ヒドルさんに声を掛けられた。
「ところで君はの名前は?」
そういえば、まだ名乗っていなかったな
「あっはい僕は…」
俺は、立花桃真と名乗ろうとしてやめた。
今までの流れから、ここが自分のいた世界では無いと察しがついたし、
そうなりゃ、ここであっちの名前を名乗るのもどうかと思ったからだ。
俺は少し考えて答えた
「俺の名前は〈タオ〉です。」