表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある神になり損ねた者の末路  作者: TomSmith
辰見 努、彼の場合
7/30

夢の中 七月二十一日 深夜

 突然視界が黒く遮られた。目の周りの違和感からどうやら目隠しをされているらしい。また、縄のような何かで拘束されて身動きが取れない。聞こえる金属のこすれる音と僕を呼ぶ声。

「辰見!辰見!!」

 担任の先生の声だ。

「先生、先生!!」

 ここから逃げてと言いたかったが僕の口は先生を呼ぶことしかできなかった。

「ようやく目覚めたか。じゃあ始めるか。」

 金属がこすれる音が一際大きく聞こえた後、ブンッという風を切る音が聞こえ僕の背中に激痛が走った。

 先生の叫び声僕の悲鳴骨の折れる音風を切る音深夜の静寂金属のこすれる音

 今のようにどんなに痛くてもどんなに苦しくても気絶できない。呼吸すらままならない。永遠の痛みが僕を襲う。

 イタイ

 イタイイタイ

 イタイイタイイタイイタイ

 イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ

 イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ

 



「さて、そろそろ終わりにするか」

 持ち上げられる僕の体。

「待て!何をするつもりだ!?」

「こいつをここから落とす」

「やめろ!お前は自分が何をしようとしているかわかっているのか!?」

「わかってやってるし俺は正気だ」

「俺はどうなってもいい!!だから…だから辰見にはこれ以上手を出すな!!!!」

「やなこった」

 ふわっとした浮遊感。その直後地球の重力に導かれ地面に近づいていく僕の体。

 突如、足が引っ張られるような感覚がして落下が止まった。宙吊りの状態。頭に血が上る。

「おっと、運が悪いなぁ。辰見君は宙ぶらりんになって助かってしまった。まぁ、あの玩具でまた遊べるんだったらいいか」

「てめぇ…」

「でも、これで辰見君にこれ以上手を出せないから先生、好きにさせてもらいますよ」

 ガツンと言う打撃音が続く。続く。続く。

 先生は悲鳴を上げない。

 ガツン。ガツン。ガツン。ガツン。ガツン。ガツン。ガツン。ガツン。ガツン。ガツン。ガツン。ガツン。ガツン。ガツン。ガツン。ガツン。ガツン。ガツン。ガツン。ガツン。ガツン。ガツン。ガツン。ガツン。ガツン。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ