5/30
夢の中 七月十三日 放課後 職員室 辰見のクラス前担任の席
ここは、夢の中なのか?なぜかとても寒い。窓から夕焼けが二人の人影に投げかけられている。事務机がたくさん並んでる見覚えのある光景。
ここは職員室だろう。寒いのはクーラーのせいか。だとすると夏…
夕焼け……夏……職員室……よみがえるトラウマ。
そうか、あの夢か。最悪の悪夢だ。
背の高い人影が背の低い人影に語りかける。
「成程…辰見は郷田や姉川に虐めを受けていると。」
背の低い人影は確かに僕の声でそれに答える。
「はい。どうか…どうか僕を助けてくださいッ!!」
僕は先生に相談したことを後々後悔する。なんで、あの時先生に相談したんだろう。きっと藁にもすがる思いだったんだろう。余計な事をしなくてよかったのに。傷付くのは僕だけで良かったのに。
「良し、分かった。先生は辰見の味方だ。必ず助けてやる。」
「あ、ありがとうございます。ありがとうございますうぅぅゥ…」
何考えているんだ昔の僕。誰かに頼っても逆に迷惑かけるだけなのに。