第8話
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「ねえ、せいたろうくん。せいたろうくんはさ、ひーろーになりたいんだよね。なにをしたらさ、わたしもひーろーになれるかな。
こまってるひとをたすける?
わるいひとをやっつける?
かわいそうなひとをきにかける?
…ままにきいたんだ。そうゆうのを"ひとりよがり"っていうんだって。
みんながみんな、きみにありがとうってしてるとおもう?
せいたろうくん。ひーろーってなんだろうね。
勝手に助けて、勝手に満足して。
…ほんと迷惑。」
「ッッハア!!」
飛び起きる。体をバタつかせて上半身だけを起き上がらせ、辺りを見渡すと病院のベッドで寝ていたようだ。
「…はあ…はあ…い、今のは…あ。」
「あ…お、おはよう!神霧くん!やっと起きたー!」
「桃崎…来てくれてたんだな。」
「もうー!心配したんだからー!…体、大丈夫?痛くない?」
潤んだ目で、桃崎はこちらを見つめてくる。
「あ…あぁ。うん。大丈夫。あの痛みが嘘みたいだ。」
「よかったー。あ、看護師さんに神霧くんが目を覚ましたって言ってくるね!」
駆け足で病室を出ていく桃崎を見送った後、力が抜けたように上半身を寝かせる。
(体…ほんとになんにもないんだな…もうあんま思い出したくないんだけど…あんなこと起きたのによく俺生きてるな…それにさっきの夢…?子供の声だったけど…最後の方は桃崎の声だったような…まあいいや…)
眠りに落ちる。桃崎が戻って声をかけても、しばらくは誠太朗は目覚める事はなかった。
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