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第7話

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「比呂くん。」


「…あぁ、また来たのか愛花…最近は毎日来てるな。」


「…うん。だってもう一週間だよ…家に居てもずっと気になっちゃうから…」


「そんなに心配か?大丈夫だ、あいつはこんな程度余裕で耐えて見せるはずだ。」


誠太郎に薬を受け渡してから一週間弱、誠太郎は四六時中あの部屋でもがき苦しんでいる。体が無理矢理完璧な体へ向けて、"断絶と結合"を繰り返し行う。その際に発生する肉体へのダメージは想像もできぬほどだ。全身を、肉が切れ味の悪いハサミで切られ、それを縫い針で何度も縫い付ける。薬による拒絶反応、神経がズタズタにこねくり回され、処理しきれない脳がエラーを起こし、吐き気が止まらず、寒気を感じる。脳がショートを起こしても脳神経が常にかき混ぜられるので、深刻な頭痛と不快感の発生、痛みで気絶なんて出来なかった。脳内で「殺してくれ」はゲシュタルト崩壊を起こし、大きく開き、乾いた口からは、辛うじて息を吐きだしているに過ぎなかった。その様子を、神童は学校を休み、四六時中モニタリングしていた。


「比呂くんの方もだよ…もう何日も寝てないでしょ…目元の隈ひどいよ…」


「元々俺が提案したんだ。多大なリスクを説明しても、こいつはそれを受け入れた。なら、目を離しちゃだめだ。見てなきゃ駄目なんだ。」


神童に歩み寄り、桃崎をモニターに視線を移す。


「…他に方法はなかったのかな…この姿を見るたびに、胸が痛くなるの…こんな事させるなら、あのままで_______」


「愛花!!」


言葉を遮り、声を荒げる。息を切らしながら、隈が深い目で桃崎を睨みつけている。傍から見たら、正常ではない事は明らかだった。


「俺たちで決めたことだろ…俺たちで!決めたことだ!!俺が言って!お前が賛成した!そうだろ!」


「そうだよね…ごめん。私たちで決めたことだ。」


「…もう少しだ…もう少しで…俺たちの"せいたろう"が帰ってくる…」


目を見開きながら、モニターを見て笑みを浮かべる神童を、桃崎は不満げな顔で見る。


(心配してるのは…比呂くん…君なんだよ…その"せいたろう"くんが帰って来たら…今度こそ…君は壊れちゃうんじゃないの…?)


「……っ!来た!!」


急に叫んだ神童は、桃崎の肩を吹き飛ばし、走り出す。思ったより衝撃が強く、ついしりもちをついてしまう。


「いたっ!…なに…どうしたの…」


モニターを見ると、先程まで苦しんでいた誠太郎が、ぴくりとも動かなくなっていた。一瞬背筋に悪寒が走り嫌な想像をしたが、すぐに我に返り、神童の後を追いかける。桃崎が部屋に到着したころには、既に誠太郎が担架に乗せられ、運ばれているところだった。


「ひ…!…神童くん!神霧君は?」


「…大丈夫だ。今の時点で息があるってことは…体が耐えたんだ、激痛に。」


思わず神童は拳を握り締める。


「よく耐えた…!よく耐えた誠太郎…!」


医務室に運ばれ、ベッドに運ばれた誠太朗が目覚めたのは、それから僅か2日ほどであった。


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