第12話
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「いや、意味分かんねえよ…」
言っている意味が理解できずに困惑する。神童はそれをきにかける様子もなく、ただ下を向き、目の前を見つめている。
「動揺させてしまったならすまない。でも、必要な事だと思ったんだ。これから先、自分の本質を知らないままヒーローになれば、行動理念もない救助活動なんて、いずれ見返りを求め始める。それは駄目だ。俺達の望むヒーローじゃない。その理由のない正義感は、お前の本質だ。それを思い出すんだ。」
神童は立ち上がり、誠太朗に背を向け、歩き始める。
「この事は他言無用で頼む。…二次試験は明日からだ。この施設内に自分の番号が振られた部屋があるから。今日はゆっくり休んで、気持ちを整理してくれ。ご飯は支給されないらしいから、ちゃんとコンビニとかで買って食えよ。」
そう言った神童の背中を、見えなくなるまで見続ける。しばらく突っ立っていると、事情も知らない桃崎たちが帰ってきた。
「あれ?神童くんは?」
「………………」
「神霧くん?」
「あ…あぁ。ごめん。ご飯支給されないらしいよ。」
「いや聞いてないけど。」
「じゃあ、どこか食べに行きましょうか?この近くにおいしいラーメン屋さんがあるんですよ。」
「手持ちないから俺はパス。」
「もちろん奢りますよ、先輩。」
「ゆ゛い゛あ゛ち゛ゃ゛ん゛わ゛た゛し゛は゛~!?」
「お、奢りますから。しがみつかないでください…」
神童はもう寝た事にした誠太朗は、桃崎と唯唖と2人でラーメン屋に行った。女の子に払わせるのは気が引けたが、「ただ飯食えた」事のほうが勝ち、笑顔で店を出た。施設内に戻ると、自分の番号が振られた部屋に行き、うつ伏せでベットに飛び込む。血糖値が上がり、襲いくる眠気の中で、神童の言葉が頭の中でぐるぐる回る。気が付いたら、眠りに落ちていた。
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