みにゃんの冒険
そこは、ねこぉ達の住むにゃんにゃん王国。
みにゃんはねこぉの中でも身体が小さく、いつも遠くへはいけません。いつかは冒険に出たい。そんな想いを抱えるみにゃんはある日の夜、相棒であり兄のにぃみゃんと共に庭で星空を見ていました。
「みゃぁ」
みにゃんが星空を見ていると、まるできらきらと輝く金色の星のような毛並みのねこぉと会いました。そのねこぉはみにゃんとにぃみゃんと同じ、小柄なねこぉです。
「にゃぁ。にゃぁはみにゃんにゃ」
「にぃみゃんにゃ」
「……ふぃーめにゃんみゃ。みゃぁも、一緒に星空を眺めても良いみゃ? 」
「よろこんでなのにゃ」
みにゃんとにぃみゃんは快くふぃーめにゃんを受け入れます。三人で眠くなるまでずっと星空を眺めています。
そして、いつのまにかみにゃんとにぃみゃんは眠ってしまいました。
みにゃんとにぃみゃんが起きるとふぃーめにゃんはいません。星空のような金色の毛並みを持つねこぉは伝説の存在ですから、みにゃんとにぃみゃんは幸せな夢でも見ていたのだろうと思いお部屋へ戻りました。
その日の昼、みにゃんの頭に高級なハートの飾り、にぃみゃんの頭に同じく高級な氷の結晶の飾りっついている事に二匹は気が付きました。
ふぃーめにゃんは夢じゃなかったんだ。きっとふぃーめにゃんがこの飾りをくれたんだ。
みにゃんとにぃみゃんは、再びふぃーめにゃんに会いたいと思いました。
「にぃみゃん、一緒に探すにゃ」
「ふぃーめにゃんを探すにゃ」
みにゃんとにぃみゃんは、昨晩出会ったふぃーめにゃんを探すため広い広い外の世界へ出る事を決めました。
身体の小さいみにゃんとにぃみゃんには外の世界は過酷です。ふぃーめにゃんもきっとそうだったのでしょう。それでも会いにきてくれたふぃーめにゃんに会いたい。その一心で初めての外の世界を冒険します。
「まずはかわいいお店で情報あつめにゃ」
かわいいお店は情報をいっぱい取り扱っております。みにゃんとにぃみゃんは、かわいいお店に入りました。
「かわいいお店の店員だにゃ。どんな情報がお望みにゃ」
「ふぃーめにゃんっていう金色の毛並みのねこぉを探しているにゃ」
「ににゃ⁉︎ そ、そのねこぉは、伝説のにゃんひめ(おす)にゃ! 悪い大にゃんに攫われた伝説のにゃんひめ(おす)にゃ! にゃん達はどこでそのひめを知ったにゃん」
「きのうあったにゃ。きっとがんばって会いにきてくれたにゃ。今度はみにゃん達が会いにいく番にゃ! 」
ふぃーめにゃんの正体は攫われたでんせつのにゃんひめ。みにゃんとにぃみゃんは、あの日逃げ出して会いにきてくれたにゃんひめを救う事を決意しました。
かわいい店員はみにゃん達のためにふぃーめにゃんがいる場所を知っている案内人がいるという情報をおまけで教えてくれました。案内人は暗い洞窟を抜けた先にいます。
みにゃんはにぃみゃんと共に暗い洞窟に入りました。
「立てにゃん⁉︎ にゃんは立てるわけないにゃん! 」
「ねこぉは立てない事で有名なんだにゃ! 」
暗い洞窟を抜けるためには二足で立つ必要があるようです。しかしみにゃんとにぃみゃんはねこぉ二足歩行はできないねこぉです。
「にゃ、にゃぁ」
ふぃーめにゃんを助けるためだとみにゃんは立ちます。ですが、立っていられるのは数秒だけです。
「ふぃーめにゃんのためにゃー」
どれだけ頑張っても立つ事はできません。何回も何回も立とうと挑戦しますが立てません。
やっと立てるようになっても歩く事はできません。二足歩行で歩く事はできないのがねこぉです。それでもみにゃんとにぃみゃんは諦めませんでした。
何回も何回も立って歩こうとしては転んで、それでも諦めません。
「……みゃぁ」
夢を見ているのでしょうか。攫われたふぃーめにゃんがみにゃんとにぃみゃんの前に姿を見せます。
「みゃぁ」
ふぃーめにゃんは、すぐに姿を消しました。
するとみにゃんとにぃみゃんは立って歩く事ができるようになりました。ふぃーめにゃんが奇跡を起こしたのでしょうか。
みにゃんとにぃみゃんは暗い洞窟を抜け、案内人の元へやってきました。
「案内人のねこぉにゃ」
「うさうさ」
「ふぃーめにゃんのところへ案内するにゃ」
案内人はみにゃんとにぃみゃんをふぃーめにゃんのいる場所へ案内してくれます。
どこまで歩けどふぃーめにゃんのいる場所につきません。
「にゃっにゃっにゃ」
「みんなみんなみみながぞくとなってしまえうさ」
案内人はねこぉみみながぞくかを目論むねこぉとうさだったようです。
みにゃんとにぃみゃんはみみながぞくの里に閉じ込められてしまいました。
「にゃ、にゃぁ。にゃんは、にゃんはみみみじかぞくにゃ! 」
みにゃんはそう宣言するとにゃんにゃん魔法かわいいこねこぉだにゃんを発動させました。
「か、かわいすぎるにゃんだうさ⁉︎ こ、こんなにゃんはみみながぞくになってしまえにゃん! 」
みにゃんのにゃんにゃん魔法は逆効果です。みにゃんとにぃみゃんはみみながぞくにされないよう、必死で逃げます。ですが、みにゃんとにぃみゃんは身体が小さく足も短いねこぉです。必死の抵抗も虚しく捕まってしまいます。
捕まったみにゃんとにぃみゃんは檻に入れられ、みみながぞくとなる準備をされます。
「もうすぐだにゃ。みみながぞくになるんだにゃ」
「うさ」
檻の中には何もありません。みにゃんとにぃみゃんはみみながぞくにされる日を待つだけでしょうか。
「にゃん達はねるにゃんけどおとなしくしているにゃんよ」
みにゃんとにぃみゃんの監視をしている案内人が寝ました。みにゃんとにぃみゃんも眠いですが、檻から出るにはこの時しかありません。
みにゃんとにぃみゃんは檻からでる方法を探します。ですが、檻は頑丈で案内人は鍵を持っていなさそうです。
ふぃーめにゃんに会うのを諦めるしかないのでしょうか。
「にゃん? 」
檻の中にふぃーめにゃんがつけていた飾りと似た蝶が飛んできました。蝶はにぃみゃんの頭の上に止まりました。
蝶が、にぃみゃんににゃんにゃん魔法しゃぁーを教えます。
「にゃ? にゃんだ、このひかる蝶は」
みにゃんとにぃみゃんが逃げようとしていましたが、案内人が起きてしまいます。
「しゃぁー」
「つ、強そうにゃ⁉︎ でも、負けないにゃ! しゃぁぁーーー‼︎ 」
案内人も負けじとにゃんにゃん魔法しゃぁーを使ってきます。にぃみゃんよりも強そうなしゃぁーです。
ですが、ここで負けるわけにはいきません。
「しゃぁー! 」
「しゃぁぁーーー‼︎ 」
にぃみゃんが負けじとにゃんにゃん魔法しゃぁーを使っていますが、このままでは負けてしまいそうです。
「にゃんにゃん魔法かわいい威嚇にゃ。しゃぁ」
「しゃぁぁーーー‼︎ 」
「ぴにゃぁぁ。ぷるぷるにゃ」
みにゃんが案内人に負けて怖がっています。
「にゃんのみにゃんをいじめるにゃー! しゃぁー! 」
「しゃぁぁーーー‼︎‼︎‼︎ 」
「ぴにゃぁ。ぷるぷるにゃぁ」
にぃみゃんも案内人に負けて怖がってしまいます。
みみながぞくになってしまえばふぃーめにゃんを忘れてしまうでしょう。
ふぃーめにゃんに会いたい。その想いがみにゃんとにぃみゃんに勇気を与えます。
「にゃ、にゃぁ。ふぃーめにゃんに会うんだにゃ」
「会うんだにゃ」
みにゃんとにぃみゃんは立ち上がり、二匹で一緒ににゃんにゃん魔法しゃぁーを使います。
「しゃぁーー‼︎ 」
「しゃぁーー‼︎ 」
「かわいさにしゃぁさがまじってるにゃ! こんなしゃぁは見た事ないにゃ! にゃぁーー」
みにゃんとにぃみゃんのにゃんにゃん魔法しゃぁーで案内人は逃げて行きました。
「抜け穴あるにゃ」
みにゃんは抜け穴を見つけ、檻から出ました。
檻の外は里の外に繋がっていました。みにゃんとにぃみゃんはみみながぞくの里を出ました。
みみながぞくの里を抜けた先で大きなお城があります。
「きっとこの中にいるにゃ」
「ふぃーめにゃんに会いに行くにゃ」
みにゃんとにぃみゃんはお城を目指します。ですが、お城の入り口には門番のねこぉがいました。みにゃんとにぃみゃんよりもはるかに大きいです。
「びしゃぁぁーーーー‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎ 」
「ぴ、ぴにゃぁーーー」
「ぴ、ぴにゃぁーーー」
みにゃんとにぃみゃんよりもはるかに大きなねこぉにみにゃんとにぃみゃんは逃げてしまいます。
「にゃ、だめだにゃ! にゃんはふぃーめにゃんに会うまでは諦めないにゃ! 」
「諦めないにゃ! 」
みにゃんとにぃみゃんが城の方へ戻り、大きなねこぉに立ち向かいます。
「にゃんだにゃんー‼︎ 」
「にゃんだにゃん! 」
みにゃんとにぃみゃんはにゃんにゃん魔法にゃんだにゃんを使い勇気を見せます。
「こんなに勇敢なこねこぉは初めてにゃ。ふにゃ、ここを通してやるにゃ。あのにゃんに会えると良いにゃ。にゃが、急いだ方が良いにゃ。もうすぐにゃぁん様との結婚式が始めるにゃ」
「にゃ⁉︎ 急ぐにゃ! ふぃーめにゃんをたすけるにゃ! 」
「にゃ⁉︎ ありがとにゃ、急ぐにゃ! 」
みにゃんとにぃみゃんは急いでお城の中へ入りました。
みにゃんとにぃみゃんはお城の中へ入りました。
お城の中で悲しそうにふぃーめにゃんが檻に入れられています。
「みゃぁ」
「ふぃーめにゃんにゃ! 結婚にゃんてさせにゃいにゃ! 」
「にゃ! 」
「にゃっにゃっにゃっ、それは無理なはなしにゃ」
案内人のねこぉがお城の奥から出てきました。
「にゃ⁉︎ にゃなの⁉︎ 」
「にゃなの⁉︎ 」
案内人のねこぉは巨大化してお城の天井くらいの大きさになります。
「これでも敵うと思っているのかにゃ? 」
「にゃ、しゃぁー」
「ふしゃぁぁぁーーーーーーーーーー‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」
お城が揺れるほどの威嚇にみにゃんとにぃみゃんは逃げ出したくなります。ですが、目の前に会いたかったふぃーめにゃんがいるので逃げ出しません。
ですが、案内人のねこぉににゃんにゃん魔法しゃぁーは効かないでしょう。
「にゃ、ふぃーめにゃんはきっとお外に出たがっているにゃ」
「にゃん達がだしてあげるにゃ」
「みにゃん様、にぃみゃん様」
みにゃんとにぃみゃんのふぃーめにゃんを想う気持ちが奇跡を起こします。にゃんにゃん魔法最強はかわいいしゃぁだにゃをみにゃんとにぃみゃんは覚えて使いました。
「しゃぁしゃぁー♡」
「しゃぁしゃぁー♡」
「にゃ、にゃんだにゃ! 巨大化がとけるにゃぁー⁉︎ 」
巨大化していた案内人のねこぉが小さくなりました。
「にゃ、にゃぁ。おぼえてろにゃー」
案内人のねこぉは鍵を落として城の奥へ逃げて行きました。
みにゃんは鍵を使ってふぃーめにゃんを檻から出してあげます。
「みゃぁー。みゃぁー」
「にゃんにゃん」
「にゃぁにゃぁ」
長い冒険の末にようやく会う事のできたふぃーめにゃんと一緒にみにゃんとにぃみゃんはおうちに帰りました。
お家がないふぃーめにゃんはみにゃんとにぃみゃんと一緒に暮らす事になりました。
「みゃぁ、みにゃん」
「にゃ⁉︎ か、かわいすぎるにゃ⁉︎ そんなお洋服どこで買ったにゃ⁉︎ お外にでたのかにゃ⁉︎ 」
「お外には出てないみゃ。秘密みゃ。みにゃんとにぃみゃんの分もあるから着てほしいみゃ」
可愛らしいお洋服をみにゃん達は着ました。そのお洋服を着て、あの日のように星空を三匹で見上げました。




