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第五十一話 採寸

 王城で一晩を明かした私は翌朝の早い時間帯に帰路についた。家に帰り、自室のベッドに横になると再び眠気が襲ってくる。このままもう一眠りしても良いかもしれない。なんせ今日は休日だからな、そんなことを考えていると自室の扉が勢いよく開いた。

 「お姉さま!帰ってきたならなぜ一言言ってくださらなかったの⁉︎」

 そこにはメイドの制止を振り切りズカズカと私の部屋に入ってくるメリッサの姿があった。

 「メリッサ?どうしたの?」

 私が問いかけるとメリッサは自分のメイドを呼び私の肩を持ち上げるように指示をした。

 「ちょっと待って本当にわかんない!メリッサ!」

 「さぁ、行きますわ。」

 そうして私は暖かな自室から離れることとなった。


 メリッサ一行に連れてこられたのはメリッサが普段オフィスとして使っている部屋だった。カラフルな布が綺麗に整頓されておりデスクの近くにあるボードにはいくつものデザイン画が貼られていた。

 「今日は創世祭に着ていくドレスの採寸をしますわ。」

 「え、でも採寸ってこの間ドレス作った時にもしたよね?」

 「お姉さま。人間の体は日々変わっています。先日と同じ寸法でドレスを作ってみたら採寸をしていなかったせいで見た目が悪くなってしまった!なんてこと起こしたくありませんの。私は常にパーフェクトな商品をお客様にお届けするのが仕事!と言うわけでお姉さま、指示にしたがってくださいまし。」

 そう言うとメリッサの部下たちがメジャーを持って近づいてくる。逃げ場はない。私は大人しく採寸を受けることにした。

 「あら、お姉さま。」

 「何?メリッサ。」

 「胸のあたりが前回測った時よりも大きくなっていますわ。」

 メリッサはニヤニヤとしながら言ってきた。

 「それが何?」

 「全く、神様というのは不公平だなと思っただけですわ。お姉さまの体はメリハリがしっかりしているからドレスの作り甲斐があります。」

 胸が大きくなっているとは思わなかった。思い返せば制服の胸のあたりが最近キツく感じるようになった気がする。太ったのかと思ったがそうでもないらしい。

 採寸自体は思ったよりも早く終わった。早々に解放された私はオフィスを去り、王城での出来事と先日起きたリーシャとの出来事を伝え直すべきだと考えお父様の書斎へと向かった。その途中で声をかけられる。

 「エレナ、王女殿下との一時は楽しかったか?」

 「お兄様!」

 私はお兄様に駆け寄るとお兄様は頭を撫でてくれた。その行動が何を意味するのかはわからないが心地よい。

 「王城殿下とは一体何を話したんだい?」

 「それを今からお父様に報告しようと思ってたの。」

 「そうだったのか。一緒に行ってもいいかい?ちょうど僕もお父様に用事があるんだ。」

 「もちろん。一緒に行きましょう。」

 そうして私とお兄様はお父様の待つ書斎へと向かった。

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