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第四十九話 突撃!今すぐうちで私とお茶会ですわ!

 最近私は学園に居づらい。かろうじて授業は受けているが晒されたことのない好奇の視線に耐えることができず放課後は逃げるように帰る日々を送っていた。こんな中寮で生活しているお兄様はどんな気持ちなのか、気になってしかたなかった。

 私のせいで我が家には汚名がついてまわるようになってしまった。本当に申し訳ない。一度考え始めると宿題をする手が止まり何もできなくなる。

 『悪魔じゃないなら堂々とする』

 これがなかなかに難しかった。私はこの気持ちを誰にも話すことができずモヤモヤとした日々を送っていた。

 気分転換でもしようとバルコニーにでる。夕焼けがとても綺麗だった。そういえば私の髪色は夕焼けの用だと言われることが多い。今の時間なら溶けて一緒になって見えるだろうか。

 「馬鹿らしい。」

 自分の考えの馬鹿馬鹿しさに失笑していると上から誰かが降ってきた。

 「きゃー⁉︎」

 思わず悲鳴を上げてしまう。そら誰だって一人だと思ってた空間に誰かが落ちて来たら悲鳴の一つもでる。

 「よお、エレナ嬢。」

 「ゆ、ユーシェン様?」

 「どうして俺を置いて先に帰るんだ。寂しいだろ。」

 「あの、ここ二階・・・。」

 確かにユーシェン様の部屋は三階にある。それはわかる。

 「あぁ、ちょっと一息入れようと思ったら儚げな美人がいたから思わず飛び降りてしまった。」

 驚きと理由に言葉も出なかった。儚げな美人ってなに?てかなんで階段を使わないできたんだこの人は。

 「どうして階段を使わなかったの?」

 「こっちの方が早いだろ。」

 「でもケガとかしたら・・・。」

 「体は丈夫だから安心して欲しい。それよりもだ。」

 今まで隣で喋っていたユーシェン様が私の正面に立ちはだかる。改めて見ると大きい。まるで山のようだ。

 「目の下がクマだらけだぞ。よく寝れてないな?」

 「別にそんなことないよ。面白い本があったから徹夜しちゃって。」

 「苦しいな。」

 ふわりと風が揺れた。ユーシェン様と同じ真っ赤な色をした枯葉がバルコニーに飛んでくる。それから目が離せなくて私は誘われるようにその葉を手に取った。

 「どうしたんだ?」

 枯れ葉を夕焼けにかざす。とても綺麗だ。

 「この枯れ葉は綺麗ね。まるでユーシェン様の瞳のよう。」

 私は自分の言ってることの不敬さにすぐに気がつき慌てて弁明をしようと口を開く。

 「あ、あのこれはね、枯れ葉のことじゃなくてユーシェン様の瞳が綺麗だっていう話で枯れ葉はあまり関係なくて、いやあるのか?ともかくユーシェン様のことを点そうとしたわけじゃないから!」

 「それはわかってる。なぁ、エレナ嬢。俺の瞳はそんなに綺麗か?」

 意外な質問だった。ユーシェン様からそんな言葉が飛び出すのも意外だった。

 「綺麗ですよ。まるで炎を瞳に閉じ込めたみたい。」

 「そ、そうか。」

 ユーシェン様は顔を夕日のように赤くしていた。何か失礼なことを言った覚えはない。いや、言ったか。なら照れている?私の言葉で?心の中のイタズラ心がニョキニョキと芽を出し始めた時だった。

 「エレナ!うちでお泊まり回をしますわよ〜!」

 聞きなれた声に私とユーシェン様の視線が自然と扉の方へと向かう。そこには少しゆったりとしたデザインのドレスを身につけたサーラが立っていた。

 「サーラ⁉︎」

 「あらエレナご機嫌よう。最近お話しできていなくてとても寂しいわ。ところでユーシェン様。」

 「なんだろうか。」

 「お邪魔でしたか?」

 私はその一言に思わず咳き込んでしまった。



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