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第十四話 夕食会

「皆様、本日は我が家が主催する夕食会に来てくださり誠にありがとうございます。辺境の地でしか味わえない珍味から郷土料理まで。多種多様な料理を準備致しましたので皆様思う存分食べ、飲み、楽しんでください。さて、挨拶はこの辺にして。」

 お父様がそう言うとウェイター達がざっと動き出し会場にいる全ての人に飲み物を配る。それが終えたのを確認するとお父様はグラスをとった。

 「本日はただの夕食会ではありません。我が友好国である凰皇国の第一皇子であるシュ・ユーシェン様が留学中我が家に滞在することとなりました。今回の夕食会で皆様がシュ・ユーシェン皇子とより親交を深められたら大変嬉しく思います。それでは今回の主催者として乾杯をさせていただきます。皆様グラスをお持ちください。」

 お父様がグラスを高く掲げるのを合図に皆が同じようにグラスを掲げた。

 「我がドラティーネ王国と凰皇国との関係がより長く続きますように乾杯!」

 「「乾杯!」」

 皆の乾杯の声を皮切りに次々に料理が運ばれてくる。どれもあまり食べることのできないものばかりであっちこっちに目移りしてしまう。どれから食べようかと悩んでいると誰かが私の肩を叩いた。

 お兄様だろうか。食事よりも先に挨拶回りだとか言いに来たのかもしれない。私は後ろを振り向くとそこにはニコニコと人の良さそうな笑顔を浮かべたユーシェン様が立っていた。

 「あら、ユーシェン様。本日は夕食会への参加いただきありがとうございます。」

 「お礼を言われるほどじゃないよ。これからお世話になる家が主催のパーティーは出席して当然だろう?それに、こんなにも美しいエレナ嬢の姿を見ることができた。まるで花の精のように美しいよ。」

 「まぁ、ありがとうございます。ユーシェン様も凰皇国の民族衣装がよくお似合いですわ。以前贈っていただいた凰皇国の反物もとても美しい金刺繍が施されていて驚きました。」

 「金刺繍の反物はうちの貿易品の中でも特に人気のある品物なんだ。」

 「そうなんですね。以前いただいた反物は実はドレスに加工いたしましたの。今日はそちらを身につければよかったかもしれませんわ。私の妹のレベッカが衣服のデザインの才能に長けてまして、その反物を使って凰皇国の伝統衣装とどラーティーネ王国の衣装の特徴を合わせたドレスのデザイン画を作ってくれて。」

 「それは気になるな。ぜひ今度見せてほしい。・・・ところでエレナ嬢、君と俺はこれから同じ学舎で勉学を学ぶ学友であると同時に君の家に滞在することにもなる。すぐには難しいと思うがもう少し砕けた口調で喋ってくれると嬉しい。」

 「あら、えっと・・・わかった。こんな感じ?」

 一国の皇子になんて口調をしているんだと内心思いながら話すとユーシェン様は満足げに笑った。

 「そう、そんな感じだ。これからよろしく頼むぞエレナ嬢。さて、俺はリーハンに挨拶回りに行けと怒鳴られそうだから一旦失礼するよ。それじゃ、エレナ嬢また後で。」

 そう言いながらユーシェン様は私の右手をとり手の甲にキスをした。

 「なっ!?」

 「ハハハ!さっきまでの済ました顔もいいがその顔も悪くないな!」

 私は耳まで真っ赤になっているであろうことが鏡を見なくともわかった。今まであんな挨拶をされたことはない。胸のドキドキも止まらないし、どうすれば良いのだろうか。

 私は近くにいたウェイターに飲み物を持ってくるように頼み、冷えたフェアリーアップルジュースをぐいっと一気飲みした。



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