新たな魔法
昨日はレベルを上げた後、時間も遅かったため眠りについたが、今日は土曜日のため午前中から始めることができる。とりあえず今日は擬態と初級魔術のレベル上げを目的にしながらモンスターを倒していこうと思う。
早速ログインして前回ログアウトした岩山から飛び出していく。今日は昨日とは違う場所で狩りをしてみよう。
今回やってきたのは森の中にある湖近辺だ。おそらくここには水棲系の魔物がいるのだろう。見える範囲でもカエルのような魔物と魚の魔物がいるのがわかる。
とりあえず水場に近いところの岩に擬態をする。今回は群れで動いている魔物が多いためまずはディフェンドを使用して防御にバフをかける。これで生存の可能性をあげたあと、群れと離れた位置にいるカエルに魔力弾での攻撃を仕掛ける。しかし、距離が遠くカエルまでは届かなかった。
魔力弾が着弾した音とその魔力を感じてか、カエルは警戒しながらこちらに近づいてくる。口周りが膨らんでいるため何かを仕掛けようとしているのは間違いないだろう。それならばスロウをかけて奴の動きを遅くして簡単に逃げられないようにしてから確実に仕留めようと思う。
狙い通りにカエルにデバフがかかった瞬間カエルは俺ない場所を悟り攻撃を仕掛けられる範囲内に入ろうと動き出した。しかしスロウの効果により動きが遅くなっているため動き出しからうまく進まず、俺の魔力弾の餌食となった。
カエルのドロップアイテムは"トードの粘液"だった。何かに役立つのだろうか疑問に思うアイテムだが、このゲームの自由度から見て何か役に立つ時が来るのかもしれない。
この方法である程度トードを倒していこうと思う。この方法ならばレベル上げもうさぎよりも早く済む上、デバフや攻撃魔法に擬態も多く使用するためレベル上げや新スキルにつながる可能性もある。
狩りを続けて2、3時間ほど経っただろうか。少し疲れも出てきたがその分の収穫はあった。今のステータスはこの時間で大きく上がった。
名前:カイ
種族:レッサーミミック
職業:魔導師
Lv:4
HP:29
MP:86
攻撃:18
守備:31
素早さ:43
魔法防御:57
魔力:89
運:15
技術:45
スキル:初級魔術、擬態Lv2、弱体魔術、
称号:弱体の心得
ステータスもだいぶ上がっているがまず目につくのはスキルと称号の欄だろう。
まず新スキルの弱体魔術は対象に様々な弱体効果を付与する魔法を覚えることができるスキルだ。各魔法を見て行くと、
ウィーク:対象の攻撃を下げる効果を付与する
ブレイク:対象の守備を下げる効果を付与する
ダウン:対象の魔法防御を下げる効果を付与する
オスペル:対象の魔力を下げる効果を付与する
これらにスロウを加えた五つが基本の弱体化魔法なのだろうか。今回はトードを倒す際にスロウを何回かかけていたので、弱体魔術の取得要因がそれで満たされたと仮定すると魔法を繰り返し使ったり、同系統の魔法の使用は新たなスキルを得るきっかけになりうると考えられるので今後も続けていこう。
そして擬態のレベルが上がったことで自分とサイズの違うものにも擬態できるようになった。しかし生命体に擬態することはできないようなのでまだ岩に擬態する日々が続きそうだ。
ここまでは想定していた範囲内なので良いとして、問題はこの称号である。
弱体の心得:弱体魔術師の駆け出し。弱体魔法の付与がしやすくなる。
このような効果なのだが取得方法が特殊である。弱体魔法を二回以上かけた敵を十匹以上倒すとあるのでデバフを主体に戦うものに送られる称号なのだろう。効果がはっきりとしていないためどのぐらい有用な称号かはわからないがデメリットなどはないことはよかった。
今後は弱体魔法などに特化した戦いをして行くのもいいなと思いながら俺は湖から離れることにした。