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知略の魔導師  作者: 金網
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生まれし魔物

 目を開けると視界には緑が広がっていた。

 現在地はわからないが深い森に飛ばされたということだけはわかる。

 だが、人間種ではないので地図が簡単には手に入らないというのはやはり不便なものだと感じる。


 周りを見るのは後にしてまずは自身について知っておかなくては。


「ステータス。」

 そう唱えると目の前に数値の書かれた半透明のボードが出てくる。


 名前:カイ

 種族:レッサーミミック

 職業:魔導師

 Lv:1

 HP:15

 MP:50

 攻撃:10

 守備:20

 素早さ:30

 魔法防御:40

 魔力:60

 運:10

 技術:35

 スキル:初級魔術、擬態Lv1


 種族の欄を見て驚いた。ランダムに選択される魔物の中でも自分の目指すスタイルにハマりそうなものが来るとは思っていなかった。


 レッサーミミックとはRPGをやる人ならばある程度知っているであろう宝箱などに擬態して敵を襲うあのミミックの下位種だろう。最悪の場合スケルトンやスライム、ゴブリンといった最下級種族でどのように行動して行くかを考えていた俺にとってはとても嬉しい誤算だ。


 そして次に確認すべきはステータスとスキルだ。ステータスはLv1の人間かつ一般職の平均が30前後だったはずなので少し尖ってはいるがやりたいことが明確になるステータスだ。スキルの方は自分の所持スキルに関しては説明が見れるのでそちらを確認する。


 初級魔術:初歩の魔法を覚えることができるスキル。属性などは付いていないが使用することで派生魔術を得ることができる魔法も存在する。

 使用可能魔法

 ブレット:無属性低威力の攻撃魔法

 スロウ:対象の動きを遅くするデバフをかける。

 ディフェンド:対象の防御を上げる魔法


 擬態:自分の体を他のものに変化させることができる。Lv1、自分の体と同じ大きさの物に擬態できる。


 説明を見てみると、初級魔術は攻撃魔法、デバフ、バフがそれぞれ一種類ずつ、そして擬態はレベルが上がると効果も上がって行く仕様で現在は自分の体つまり20センチ程度の岩や草になることしかできないというわけだ。擬態のレベルを早くあげたいが使い続けると上がるのかどうかがわからないため少し森の中で岩に擬態していようと思う。





 30分ほど待っているとうさぎのような生き物が歩いてきた。草の多いこの場所で隠れつつ食事をする様子だ。


 うまく擬態できているのか気づかれる様子はないためスロウをかけてみると、明らかに動きが遅くなったのを感じる。うさぎも異変を感じたのか立ち去ろうとするがその前にブレットで攻撃する。魔力弾はうさぎに直撃し、大きく体制を崩すことに成功する。


 うさぎ相手にブレットが効いていることがわかったので残りのMPを使い切る直前までブレットを放つとうさぎはヨロヨロと倒れ込み光となって消えてしまった。


 うさぎがいたところにはアイテムが落ちていたので多分これがドロップアイテムだろう。拾ってみると「レッサーアルミラージの皮」と書かれており、先ほどのうさぎがレッサーアルミラージ出会ったことがわかった。


 この調子で今日は擬態のレベル上げをすることにする。2時間ほど擬態をし、MPが回復したらウサギを倒すことを続けているとレベルが2に上がった。


 名前:カイ

 種族:レッサーミミック

 職業:魔導師

 Lv:2

 HP:18

 MP:62

 攻撃:12

 守備:22

 素早さ:32

 魔法防御:46

 魔力:70

 運:11

 技術:38

 スキル:初級魔術、擬態Lv1


 とりあえず少しはステータスも上がりレッサーアルミラージを先ほどよりも楽に倒せそうになったところで今日はログアウトすることにする。近くの洞窟近くの岩に擬態しておき、万が一の場合を考えながら俺はログアウトを選択した。


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