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投稿は改稿地獄の始まり

 自分は、長編一作目を投稿後にエタり、短編で復帰しました。


 どうしてエタっていたのか。

 それも話は一応、最後まで出来ていたのに。


 後は残りのラスト一話と裏話二話を、投稿するだけだったというのに……。


 まぁ、出来ていたとは言いましたが、それは人に読ませる文章には、なっていなかったんですよね。


 というか、恐ろしいことにそれまでの投稿分、全てがそうだった……。


 妄想をほぼそのまま、ダイレクトにネットの海へと、垂れ流していた。

 

 日記帳でも、ブログやSNSでもないというのに……。

 句読点、てにをは、文章校正の基本ルール、全部が無茶苦茶で。


 分かり難い以前に、お話にもなっていなかった。

 

 あぁ、小学生からやり直したい。

 黒歴史を消しに、タイム・リープしたい。


 状況描写もろくにないから、どこで何をしているのか常に不明だし、説明回は説明にすらなっていない。


 キャラに設定を語らせるにしても、書いていた本人が読み直しても『コイツが何言っているのか全く理解できない』状態で……。


 修正を始めた作者は「お前、一体いくつなんだよっ!」と、恥ずか死にそうになりました。

 

 あんなのでも一応、投稿前には見直していたんですよ。

 本当です。

 哀しいことに、本当なんです……。

 

 脳内の妄想通り、完璧な仕上がりとしか認識できていなかったんです。

 気が付いてから、直しても直してもどうにもならなくて。


 鼻息の荒いキモオタが、デュフデュフ言いながら、早口で好きなものを語っているまんまな光景ですよ。

  

 そう。文章的にはゴミ以外の何モノでもなくても、自分はあの話が好きなんですよ。


 だから誰かに、読んで欲しかった。

 

 アツい想いを語る言葉が絡まって絡まって、何を言いたいのかさえ分からなくなっていたような……、拗らせメンヘラ。


 それが自分でした。

 

 本人的にはパーフェクトな仕上がりっ! と思って投稿してしまったんです。


 素人ながら、思いついたからには、書かなきゃ、伝えなきゃと。


 脳内では上手く展開されていたので、てっきり正しく分かり易い出力が、なされているとものばかり……。


 出力には、文章力がいる。

 そのことにさえ、気が付いていなかったのです。

 

 自覚したら、もう無理だよ。 

 これ以上振り返って、推敲なんて出来ないよ……。


 おまけにオチは、俺戦エンド。

 

 この物語の区切り的に、絶対に不可欠で作者的にはこれしかないオチなんですが、ここまで貴重な時間を賜り、駄文を読まされ続けるという苦行に耐え読んでお付き合い頂いた読者の方々に、それはあまりにも失礼なことではないかと……、そこで立ち止まり、悩んでしまいました。


 というか、情弱でカササギの使い方も知らなかった当時の自分はブクマして下さった方だけが、読者様なのだと思っていたんです。


 この三十人弱に少しでも楽しんで欲しいけど、もう、どうしたらいいものやら。 


 というかこの人たちは、本当に実在しているの?

 もしかして、BOT?

 あるいは妄想?

 観察記録を取っている、何かの専門家?

 

 いやいや、そんなことは無かろう。

 きっと、なにかしら感じるものがあったのだろう。


 広い世の中には、何かしら刺さってくれた奇特な方が、いてくれたのかもしれない。

 

 ならば、彼・彼女らのためにも、少しでも分かりやすいように直さないと書かないとっ!


 でもごめん。もう無理……。

 現実から目を背けた作者は、読み専に戻りました。

 

 

 その後、何を血迷ったのか、今度は短編を投稿してしまいました。



 ゴールデンウィークで、暇だったのです。

 

『婚約者は、わたくしに縛り付けられるのを望んでおります!!』


 「彼を縛り付けるのをヤメテー!!」で、お馴染みのテンプレ。


 降ってきたストーリーに、まだ書いている人がいないなら早く書かないとと、謎の使命感に支配されたのです。


 いつか誰かが書くかもしれないけど、その時には気付かないかもしれないし、わたしは今読みたいんだ! だから書こう。


 その後の短編も書いておかないとの繰り返しです。


 毎回いったい何を受信してるのでしょうか。

 良く分からないけど、コレが執筆動機です。


 

 そんな衝動のまま投稿した二作目で、何故かランキング二位になりました。


 初めての感想が書かれ、嬉しくも意味が分からず、表紙を見て理由を知り焦りました。カササギを覚え、喜びにうち震えました。


 わざわざ立ち止まり、手間と時間をかけ声をかけてくれてるんですよ!


 SNSではリア友か、趣味の内輪ネタ、時事ネタでいいコト言った感がある時ぐらいしか、絡みなんてありませんよ。


 鼻息荒く語る「わたしの思いついた、スゲーおもしれー話」にこんなにも、反応をくれるなんてっ!



 皆様、とても丁寧にお読み頂いて、文章の細かいところにも気づいて下さったり、それぞれの目線で楽しんで貰えたのです。

 

 本当にありがとうございました。

 これには、こちらも襟を正して誠実に応えたくなります。

 

 自分にしては良く書けていますが、書籍化作家さん、ランキング上位常連さん、自分の好きな長編作家さんたちと比べると、完全にアレです。

 

 ほぼほぼ、タイミングと運です。

 小説としての質ではなく、ネタの弄り方に笑って頂けた的な、そういう類のラッキーです。

 

 毎回、執筆時のテンションがいろいろとおかしいのです。

 

 今でも完璧だっ! と錯誤して投稿しアラを見つけては手直しするという自爆投稿です。

 

 世の中への責任を取るべく、読み直しては改稿しています。

 

 最近も、自分の脳内では夕日の前でガッツポーズしているシーンをちゃんと書けていたのに、投稿後に読み返したら、何故か夕日がない? 


 ナンデ?  


 あ、重いコンダラを引かせようとしていた登場人物と「違うよ。それは励ましじゃなくて、罰ゲームだよ。センセー」と脳内で会話をして、ど忘れしていたコンダラの正式名称をぐぐって確認したら、コンダラの名前と一緒に、夕日の存在まで即座に忘れて……。


 こんな感じで、何かしら書き忘れてますし、書いた文章を読み返して流れが悪いと直します。内容は変えませんが、アラは直してしまいます。


 読み直す度、見つかるという地獄……。

 書き手としては、もう完全にアレレです。

 

 本来はちゃんと完成品を投稿して、読者の方に同一の満足感を得て欲しいのですが、どうにも難しい。


 早い段階で目にした方ほど「えっ? こんなのが?」と思われることでしょう。(直してもアレですが)


 投稿を納品として考えたら、完全にアウトです。

 

 内容は変えないで、通読性を高め、言い回しを直し、描写不足を補うという改稿作業なのですが、ハッキリ言えば、卑怯者です。


 動画投稿サイトでは絶対に出来ない荒業が、ここでは出来る。


 小説投稿サイトで、よかった……。


 売り物ではありませんので、どうかお許しを下さい。

 新規読者様や再読して頂く方に、少しでも満足感を得て頂きたいのです。

 

 自分も生み出した以上、責任がありますので。


 執筆スタイルや、作品との向き合い方は、人それぞれです。


 安易な改稿をしないことこそが責任と考える方もおられますし、たくさんの作品を書くことを重視される方、課題は次の作品で生かす方も、多いでしょう。


 読者としての自分は、そちらの方を支持します。

 細かいことはいいから、続きが読みたいもの。

 黙って作品だけで語る潔さは、カッコイイし。


 そういうスタイルに憧れつつも……、卑怯者は今日も改稿してしまいます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] こんにちは、とても面白いためになるエッセイですね。 作品もポイントもブクマも多くて羨ましいです。 感想書きたくなったのは、貴方様の改稿の話、私の心にはグサグサ来ました。 何故なら私も投稿し…
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