サンバ文化振興計画
サンバという文化について、私には思うところがある。
私がエスコーラに所属して識ったサンバのダンス。それは格好良く美しいものとして私の中に入ってきた。
サンバの曲や歌はどうか。気持ちを昂らせ、またはしっとりと聴かせる曲たちは、広く聴かれている他ジャンルの楽曲と比較して、特別聴きにくいとか、癖があるというものではなく、違和感なく聞くことができた。
現代のこの国の文化にて、流行っていたり人気があったりする音楽やダンスなどに対し、良いと思える私が、サンバのダンスや楽曲もまた違和感なく好ましいと思えているのだ。
同等の価値観であろう平均的な日本人に、受け容れてもらえないとは思えない。
要は見せ方、伝え方なのだと思う。
単純に、一般的な日本人にとって、馴染みのある音楽やダンスに溶け込ませて知らせることができたら、ハードルは下がるのではと思った。或いは、興味を持たせた後で、「これ、実はサンバなんだ」と認識させるのも良い。
別の切り口もある。
例えば独特なデザインのエスコーラTシャツ。これをもう少し普段遣いのできるようデザインをアジャストし、ファッションの分野からサンバ文化を染み込ませていく。
例えばパゴーヂという飲食と音楽とダンスが融合できる文化は、クラブなどで日常的に音楽やダンスをアルコールと共に楽しめるひとたちへの選択肢、ジャンルのひとつとしてカスタマイズする。
サンバという多彩な側面を持つ文化を、特異なものとして紹介するのではなく、敷居の高い遠い異国の文化のまま、飛び込んでくるひとが現れるのを待つのでもなく、日本国内で馴染みのある文化や遊びのなかに、溶け込ませることによる浸透と広がりにて、サンバを楽しむひとたちを増やせるのではないかと思っている。
その仕掛けを展開していきたいと思っている。
実際に、具体的な動きを少しずつ、進めて行こうと手を進めていた。
新しいエスコーラシャツの作成にはアイデア出しには関わらせてもらった。
それを足掛かりに、一般ユーズドへの展開を狙ったグッズ販売としての側面も持つアパレル部門の立ち上げ許可をハルにもらい、デザイン素案やマーケティングは進めながら、デザイナーのルイぷるやコピーライターとアイジ、広告代理店でクリエイティブディレクターを務めるジアンの手を借りながら、形を作るスタートを切った。
国内で流行している楽曲やダンスのサンバアレンジや、サンバの楽曲のロックアレンジ、ダンスのヒップホップアレンジなど、ミックスやフュージョンの計画も進めていた。
マイナーなものを周知させるという意味では、町興しのスキームも応用できる。
キャラクターを立てるのはどうだろうか。
グッズ販売による周知と収益への効果はもちろん、着ぐるみによるパフォーマンスはサンバパフォーマンスと相性が良さそうだ。
あらゆる切り口から、同時進行で、サンバへの認知を高める活動、認識を深める取り組みを累ねていく。
イメージとしては、それぞれに百の手順が必要な百ある有効な手段。手を順次打ち続け、途絶えたものに備え随時十の手段を追加し続ける。
それくらいして、ようやく異文化を日常に浸透させられると思っている。膨大で、果てしない。
打つ手を止める行為は停滞ではなく後退に等しいと考えていた。




