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細工 (LINK:primeira desejo75)

 概要はおおよそ定まった。

必要な素材もほぼ揃ったとみている。


 父からもたらされた回答は色良い返事だった。

 段取りもつけてもらっている。具体的な手筈を整える段階に入れる。


 ハルには必要な確認は済ませてある。承認とチームとしての支援の約束を得られた。


 ウリへの相談も功を奏している。

 ウリをはじめ、ウリの会社に勤めている同じく起業インカレサークル『TA +d』の出身者を含めた卒業生も何人か協力をとりつけてくれたようだ。資料や提案内容の確認やアドバイスのほか、情報収集や分析も担ってくれるそうだ。

 情報は計画立案のスタートのタイミングで必須だし、計画の整備にも関わる重要な要素だ。


 実働に入るに当たり、御輿は形になったと言って良いだろう。

 あとは、担ぐべき者に乗ってもらうだけだ。


 リビングの扉を開けると、がんちゃんが新聞を眺めていた。

 我が家の教育方針のおおよそは母の差配によるが、新聞を読むという習慣は父からもたらされた。しかもうちの場合、普通の全国紙の他日経新聞と日経MJも取っていた。三誌のすべてを読むわけでは無いが、見出しなど一通り目を通すということは姉妹とも幼い頃から続けていた。



「がんちゃん、ちょっと話せる?」


 声を掛けると、がんちゃんは顔を上げこちらを向いた。

 


「うん」



「部屋に行こっか」


 がんちゃんは頷いてついて来た。


「どっちの部屋にする?」と聞くと「祷の」と答えるので、部屋へと通す。

 開けていないほうじ茶のペットボトルがあったのでがんちゃんに渡した。


「手首はどう?」


 がんちゃんはこの前と同じポジションでクッションを抱えて座っている。

 ほうじ茶を開けて一口飲んでいる。


「もう全然痛くない。違和感ももうない、と思う」


「良かった。明日のエンサイオでは慣らし程度に叩くことはできそうだね」


 頑張りすぎてしまうきらいのあるがんちゃんだ。今まで制限していた鬱憤が、もしかしたらイベントに出られないことによる鬱積した想いが、ついつい練習に熱を入れてしまうかもしれない。あくまでも慣らし程度に抑え、油断はしないように伝えた。


 がんこは素直に頷いている。


 もうひとつ、先に、早めに、クリアにしておかないことがある。


「キョウさんと、ちゃんと話せる?」


「うん。ちゃんと、話す」


 がんちゃんは少し俯き、クッションを抱えた腕の先にある両手をきゅっと握っていた。

 みてる側からするとかわいいでしかないが、本人の中には固い決意があるのだろう。


 がんちゃんの素直さはやっぱり美徳だ。

 間違えてしまうことは多いが、すぐに気づけ、すべきであると思いさえすれば、意固地になってしまいがちなことや気まずいこと、言いにくいことにも果敢に立ち向かえる。


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