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ほづみが心配してくれたのは...

 手伝うと言ったほづみの言葉に、怪我で不自由のあるがんちゃんのことを心配してくれていると思った私は礼を言った。ほづみは私をまっすぐ見つめて微笑んだ。



「うん、がんちゃんにもそうするけど、いのりにも、だよ」


 私のことを、手伝うと言ってくれているのか?


「いのりはがんちゃんのために、色々と手助けしているでしょ? そんないのりを手伝えたら良いなって」


 ありがたい申し出だった。

 しかし、どこまでのことを言っているのだろうか。

 普通に考えれば、怪我をしたがんちゃんをまめまめしくかいがいしくフォローしていることについてなのだと思う。

 流石にそれはないと思うが、人生を賭して、がんちゃんの姉としての在り方を追求していることについて言っているのだとしたら。

 私が私のためだけに生きていない。私は助けが必要な生き方をしているように見えているのだろうか。


 私はこれまでの生き方になんの不満も後悔もない。が、普通かと問われればいわゆる一般的な価値観からはずれているのだろう。それくらい理解している。

 後ろ暗いことはないのだから、隠す必要はないが、私が不自由や犠牲的だと思われるのも不本意だ。

 がんちゃんへの想いが漏れ出るような言動や行動はとっていないはずだが、自分を本当の意味で客観視するのは難しい。少し意識をしておいた方が良いかもしれない。


 ただ、ほづみからの申し出はありがたく、素直に受けようと思った。

 ほづみの言葉は、単なる親切や優しさだけではない。私という個人に対しての想いがこもっているように感じた。

 好意に遠慮はむしろ失礼だと考えている。好意は全面的に受けとる。受けた以上の感謝を返せば良いのだ。



「ありがとう。いろいろとやってること、やりたいことあるんだ。ほづみが一緒にやってくれたら心強い! 遠慮なく頼らせてもらうね」


 ほづみが力強く頷いた。

 楽しそうなことだったら私もやる! と、みことも言ってくれた。


 私はこれまでも色々な人の助けを借りて事を成してきた。個人よりもチームで、個ではできないことを成すのだ。


 今やっている取り組みで言えば、配信動画に参加してもらうのも良い。ふたりとも見た目が良いし、みことのいう「楽しいこと」の条件にも合う。


 同年齢のほづみとは一緒に色々取り組んでみたいとも思った。今度どこかで時間を作って、じっくり打ち合わせしてみよう。


 私ができること、したいこと。

 ほづみができること、したいこと。

 組み合わせて相乗効果が出せたら良い。







 私には常に計画がある。


 それはかっちりと固めた計画ではない。

 条件状況に応じて進むべき方向性、取るべき手段と選択肢。

 それを大雑把なアウトラインで組んだありとあらゆる可能性に対して用意した計画の骨子とでも呼ぶべきものだ。



 予期し得る可能性には、比較的具体的な計画を構築しておく必要がある。




 万が一に備えたものは、万が一が起こらなくても無駄にならない。

 災害に備えて用意した非常食は、災害が起こらなければキャンプなどに避難のシミュレーション的なコンセプトを加え、楽しみながら消費すれば良いのだから。




 起こり得るリスクに備えた計画を。

 起こらなかったとしても無駄とならない形で用意するにあたって。



 ほづみが協力してくれるなら頼もしい味方となるだろう。





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