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みことに訊いてみよう

 少し話しただけだが、みことも柊と同様、基本的には人当たりが良く話しやすい人物のようだ。比較的はっきりものを言うタイプにも思えた。その辺も柊に似ている。

 外交的ではありそうだが柊よりは控えめなところと、柊とは異なり直情的ではなさそうなところが差異だろうか。



「あはは、そっか、じゃあ私からは言わないね。がんちゃんと話せる機会があったら直接の伝えてもらえたら嬉しいなぁ」


 がんちゃんを心配してくれていたことを本人に伝えると言うと、照れながらそれはやめてと言っていたみこと。

 私の返しには「いのり、がんこちゃんのママみたい」なんて笑ってる。この様子なら、話しかけてくれそうだ。

 これをきっかけにがんちゃんとの会話が生まれて、仲が深まったら良いな。

 柊と近い属性なら、柊と仲の良いがんちゃんはみこととも仲良くなれるかもしれない。そうなったら素敵だ。


「みことはなんでサンバはじめたの?」


 せっかくの会話の機会は無駄にしない。関係作りはまずは相手を知るところから。

 とは言え、この質問にはみことの情報収集とは別に、市場調査としての意図もあった。

 ダンスや音楽が身近な高校生は多いだろう。ただ、その中でサンバを選ぶと言うのは珍しいのではないだろうか。

 私の知り合いでは、把握している範疇では1人もいない。

 私自身、音楽をやっているにも関わらず、がんこというきっかけがなければ選択肢として掠ることさえなかっただろう。サンバという分野自体は知っているのに。

 私やがんこのように、あるいはジアンまわりのひとたちのように、知り合いから紹介されてというパターンが多そうに思えた。

 みことは入会前からつながっているメンバーはいなかったはずだ。どういうルートで知り、入ろうという決意を固められたのか、単純に気になった。



 ハルからは、なかなかメンバーが増えにくいと言ったことを聞いたことがあった。これは『ソルエス』に限った問題ではなく、業界全体の課題だった。特に若い世代が集まらない。

 そういう背景もあり、特に印象の薄いバテリアについてはアイジが認知向上や啓蒙の活動に取り組んでいるという。

 華やかでアイコン的でもあるダンサーにしても、決して競技人口が多いわけではない。早晩何らかの手当が必要になるだろう。


 そういう意味でも、当事者から「なぜはじめたのか」「どのような点に魅力があるのか」の情報が集まれば、効果的な手を講じられるのではないかと思った。



「わたしは......」


 みことの話に耳を傾けた。




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