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サンバの魅力とポテンシャル

 音に合わせて踊るダンサーたちも壮観だ。


 イベントでは羽根を身につける『パシスタ』たちは、なんでもない練習着なのにとても華やかだ。


 ほづみとひいは美しい姉妹だけど、先ほど話した時の印象では、妹のひいは背は高くてもふと見せる表情には年齢相応のあどけなさがあった。それが今は、無邪気な笑顔にも見えるのだが、そこはかとない妖しい魅力も醸し出している。手足や腰などの動きが美しいからだろうか。


 るいぷるとにーなはふたりで向き合って合わせるような動きをしている。おそらく即興だろう。ふたりとも似たようなやや小柄で細身の体格だけど、ダンスには個性があった。ニーナの方は力強く体格が控えめな分却って迫力がある。るいぷるの方は激しさはありながら、しなやかで上品さを感じた。とても先ほど会話した人物と同一人物とは思えない。


 男性ダンサーの『マランドロ』たちは、シャープでスタイリッシュ、時に激しいダンスを揃えて踊っている。

 基本ステップの『サンバ・ノ・ぺ』も、基本はパシスタと同じだが印象は随分と異なる。パシスタがしなやかはなら、マランドロは激しさがあった。


 目を引いたのは旗を持つ女性と男性のペア。

『カザウ』と言うペアダンサーで、チームの象徴である『バンデイラ』を持つ特別なポジションとのことだ。

 旗を翻しながらくるくるとまわるダンスはパシスタとはまだ異なる趣があった。

 旗を持つ『ポルタ・バンデイラ』はチカとジャックの娘さんのジアン。ポルタをエスコートする『メストリ・サラ』のミカはジアンの恋人らしい。そしてアキの弟でもあるのだとか。


 メロディの弦楽器と歌、コーラスも厚みがあった。旋律や声は美しく透き通っているのだが、バテリアの音に負けていない厚みがある。



 バンドの男の子ふたりと、歌っている金髪の女の子も、がんこやひいと同年代くらいに見える。

 ダンサーにも近い年代の子たちが多い。


 大人も多いが、学生や子どもも割といて、意外と層が厚い。

 ハルは他のサンバチームに比べると人数が少ないと言っていたが、他のチームは軒並みこれを凌駕しているのなら、サンバって世の中がイメージしている以上に魅力や見応えのあるパフォーマンスなのではないだろうか。


 知る人ぞ知るくらいのマイナーな文化にしておくのは勿体無い。

 知ってさえもらえれば、もっと多くのひとを楽しませることのできる、可能性を秘めたジャンルだと思った。


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