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ほづみとひいとにーな

 今までよりはがんちゃんと会話をする機会は増えたが、終始おしゃべりに興じるといった状況はまだない。

 がんちゃんも私も、生来のおしゃべり好きといった気質ではないのだからそれは自然だと思う。

 とは言え、同じ趣味を持つ同好の士でもある。これからは少しずつ会話の機会も増えるだろう。

 学校での出来事なども話してもらえるかもしれない。

 ひいとのことはもちろん、ほづみとも仲良くしてもらっているようだから、ふたりのことも話題に出てくるはずだが、どうせなら、彼女たちと共通の友人という立ち位置で会話をしたい。


 感じの良いふたりだし、なによりがんちゃんを選び、がんちゃんが選んだ友人だ。素敵な人物なのだろう。



「がんちゃんのお姉さん! よろしくー!」


 ふたりとの会話に混ざってきたこの女性は、はじめて挨拶に伺った日、私の対応をしてくれたひとみの質問にいい加減な返事をしていたひとだ。

 その後の体験を終えた時にも、がんちゃんの様子を聞いてきたのを覚えている。

 状況は知らないはずだったが、心底心配そうだった。いい加減な回答をしていたひとと同一人物とは思えないくらいに。

 それは、がんちゃんを心から案じている証明とも思えた。このひともまた、がんちゃんを想ってくれているひとなのだろう。

 確か名前はーー


「にーなです! よろしくね。

がんちゃんはね、わたしのイマジナリー弟子なの! 今はあのガラの悪いやからみたいなのに取られちゃってるけど、いつかノペ教えてあげるんだ!

いのりにも教えたいなぁ」


 ノペとは、『サンバ・ノ・ぺ』というサンバの基本ステップのことだ。


 いのりはスラっとしてるんだし、ダンサー向きだよ! ダンスやりなよーなんて言っている。

 きっとがんこにもこの調子で勧誘したのだろうな。


「はい、ぜひ、機会があれば」


 つい苦笑を浮かべての答えになってしまったが、楽器だからといって基本ステップはできているに越したことはないと思う。社交辞令ではなく、本当に機会が作れたら教えてもらいたいと思った。

 基本ステップを身につけることで、音への理解の深度を深めることだろう。


「やたー! ふたり目の弟子げっとぉ」


 これで弟子になってしまうのか?

 まあにーなも嬉しそうだから別に良いか。と思っていたが、


「弟子になるとは言ってなくない?

そもそもがんちゃんも弟子じゃないでしょう?」


「そーだよ。にーな図々しい!

イマジナリーって妄想でしょ。この前アキに突っ込まれてたじゃん。悲しくなんない?」


 ほづみとひいの姉妹に速攻突っ込まれている。特にひいの突っ込みは鋭すぎて「うぐ」とか言ってるにーなが少し可哀想になった。



 確かアキは男性ダンサーだ。

 ハルからはハルと同じポジションの男性ダンサーが計三人いると聞いていた。アキとウリという。

 練習場を見回すとそれっぽいダンサーを確認できた。

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