表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
175/215

いざ、徳島へ(LINK:primeira desejo 130)

 いよいよ『阿波ゼルコーバファン感謝イベント』の開催が目前となった。


 前日入りするメンバーも多く、私は妹と、ほづみ達姉妹、マルガとルイの母子、みこと、アリスンの八名が浜松町駅で待ち合わせ、羽田空港まで移動して徳島まで飛行機に乗ることにしていた。


 

 金曜日である今日は普通の平日なので、学校を終えたがんちゃんは一度帰宅し、慌ただしく着替えてから出発する。

 余裕があるとまではいえないものの、予期しないことが起こらなければ多少の電車遅延くらいなら吸収できるスケジュール感だ。ビジネスマンのように国内線に乗り慣れている者はいないので、空港で多少まごつくことも想定している。


「よし、みんな集まったね! いくよー」

「はーい」


 無事浜松町駅で合流を果たした私たちは、マルガの先導で飛行機の乗り場まで行く。


 マルガは美人ということもあるが、服装も華やかで目を引く。

 マルガの娘ルイは化粧っ気や華美さはないが、トップダンサーとしての立ち居振る舞いが身についているのでオーラがある。

 美人姉妹のほづみとひい。ファッショナブルなほづみは言わずもがな、妹のひいもほづみよりも高い身長を活かしたコーディネートでドレスアップしていた。

 長身にやや日本人離れした美貌を持つみこと、北欧の妖精そのもののアリスン。

 私たち姉妹も劣っているとは思えない。がんちゃんはとてもかわいい。とても、かわいい。


 マルガに引き連れられて、アイドルグループのように華やかに、颯爽と、私たちは空港を征く。



「あ、ごめん、こっちだ」



 クールに道を間違えるマルガ。

 踵を返す姿も優雅に。ついていく私たちもまた、美しく翻った。



 麗しきカルガモ縦隊は、途中で見かけたコンビニで飛行機の中で食べるおやつなどを買い足すなどの寄り道を経て、無事乗り場へと辿り着く。

 それでもなお、時間には僅かに余裕があった。

 適切な計画は大切だ。安心と余裕をもたらしてくれる。そして、余裕が美しさをもたらすのだ。

 出発は定刻通りの模様。私たちは飛行機に乗り込んだ。


 

 座席は予約の時点で指定できたが、八名がまとまれる席は無く、二列シートにマルガ、みこと、三列シートにほづみ、ひい、がんちゃん、もうひとつの三列シートに私、ルイ、アリスンと言う座り方になった。一応各シートにマルガ、ほづみ、私と年長者がばらされている。


 がんちゃんのシートでは、さっそくがんちゃんが買ってきたグミやほづみが買ったしみチョコを回し合っている。ひいはファミチキを早速むさぼっていた。なんと言うか、安定感がある。

 

 

「たべる?」


 現地までは一時間強。眠るほどの時間はないが、ちょっとした遠足くらいの旅路だ。

 がんちゃんたちに倣い、私も隣のルイにじゃがりこを差し出し、その隣のアリスンにも回してもらう。

 

「ありがとう!」

 

 ルイは言いながら、ココア味のプチを分けてくれた。アリスンもコンビニ袋からお菓子を出し分ける準備をしている。

 ルイは他にチーズ味のプチを持っているようだ。

 私はポッキーもある。アリスンは北欧のルーツを全身で現しているような見た目ながら、塗れせんべいと激辛せんべいという渋い米菓の組み合わせだ。

 このシートは甘い系と塩系に、辛さという刺激も加わったバランスの良いお菓子タイムが楽しめる席になりそうだ。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ