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そんなある日の夜に (LINK:primeira desejo36)

 夜、寝る前の時間。


 少し照明を落としたダイニングで、電子レンジが静かに唸っている。


 ダイニングチェアに座り、ミルクが温まるのを待つ。



 ダイニングと廊下を隔てていた扉が、カチャリ、と、控えめに開いた。



 入っていたのはなんだか少し気まずそうながんちゃん。

 入ったら私が居て気まずいといった風情ではなさそうだ。


 扉の開け方からして、中に私が居るのを把握していたように思えた。

 どちらかと言えば、気まずいけど私に会いに来たといった風だ。


 なんだろうこのサプライズプレゼントは。



 がんちゃんはブラウン系のもこもこしたルームウェアを着ている。

 去年のがんちゃんの誕生日に、絶対似合うと思ってプレゼントしたジェラートピケ定番ボーダーのセットアップ。フーディとショートパンツの組み合わせだ。


 フィギュア化しないかしら。このがんちゃん。



 ここしばらくは、がんちゃんからは話しかけてこなくなったし、私が話しかけても素っ気ない。

 なるべく私と距離を置こうとしている気配もある。


 それでも、私がプレゼントをすれば受け取ってくれるしお礼も言うし使ってくれる。私の誕生日にはお返しもしてくれる。


 決して姉を嫌っているわけではない。でも離れたい。

 そんな矛盾した関係性が、今のがんちゃんの表情に象徴しているように表れていた。



 対面に座ったがんちゃん。

 電子レンジから温め完了を示す電子音が鳴った。



「ココア飲む?」

 電子レンジの中から、陶器のミルクポットを取り出しながらがんちゃんに尋ねた。

 正確には、機能性の乳酸菌入りのココア粉末を温めた熱湯で溶かしたものだ。


 うん、というので、マグカップをふたつ用意し、ココア粉末を入れ、温めたミルクを投入しかき混ぜる。


 片方をがんちゃんに渡した。まだ液体はカップの中をクルクル回っている。



「ありがとう」



 両手で受け取り、軽く口をつけるがんちゃん。ミルクはそんなに熱くはしていないはずだが、ちゅっと口をつけただけでカップを置いた。少し舌を出してる。


 熱かったのかな? かわいい。



 飲むのを一旦やめたがんちゃんはカップをテーブルに置き、口を開いた。


「大学たのしい?」

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