静かな夜
私は夜が好きだ。
すべきことを全て終え、何に使っても良い時間。
アロマを炊いたり音楽を掛けたり。お茶やココアを用意して安らぐ時間にしても良い。
本や映像で、知識や感動をインプットする時間にしても良い。
勉強やアイデアだし、作業などに充てるのも集中できて良い。
さて今日は。
やりたいことを少しでも進めよう。
ゴールドのMacBookをひらく。カラー表記はゴールドだが、ややピンクがかった色味をしていた。
学校の授業で使用していた端末がiPadだったので、同じApple製品が良いだろうと父が中学の入学祝いに購入してくれて以来、Macユーザーになっている。使いこなせているとは思えないが、使用感は好ましかった。今となってはプレゼン資料をグラフィカルにする作業や動画編集などでは重宝している。
ただ、メーカーを揃えたからといってiOSのプログラミング授業で有利になったとは特に思わなかったが。
私のお祝いを買いながら、なぜか父もMacBookを購入していた。自分のを買う口実だったのかもしれない。
先日のプレゼンの際に使用した部屋にあったプロジェクターなどの一式。そこにあった端末はWindowsだった。多くの日本の一般企業が社内PCをWindowsで揃えているとしたら、父も会社ではWindowsを使用していると考えられる。
特に仕事での必要性に駆られることはないだろう。となると、単に格好良いからとか、そんな理由で買いたかったのかもしれない。父には意外と形から入る部分がある。
同じ理由でがんちゃんにもMacBookを買い与えたときも、何故かiPadをついでに買っていた。
なんでも、私の例で授業に直接的には寄与しないことを知ったから、実際に授業で触る端末もあった方が良いだろう、とのこと。
尚、iPadは一応誰でも使って良いことになっていたが、ほぼ父の所有物と化している。
実はミーハーな父によってもたらされたMacBookは、さほどクリエイティブなことをしているわけではない私にとっても、これまでのいくつかの戦果を共に挙げた愛用の武器となっていた。
開くだけで画面が立ち上がる。起動時も指紋認証で入れれば良いのにと思いながらパスコードを入力する。そのように設定できるのかもしれないが、やり方がわからない。
『ソルエス』関連に絞っても、やりたいことはいくつもある。
同時に少しずつ、できるところから進めてはいるが、まだまだ具体的な形になっているものは無い。
少しずつでも、進めてさえいれば必ずゴールには辿り着く。
と思いつつも、やりながら新たなやりたいことができてくるので、それもオンして進めることになる。
新しい取り組みが増えたからといって、仕掛かり中のものを投げたりはしない。
ハルに無理はしないよう念を押されてるから、そこは気にしつつ、新たに生まれたやりたいことをまずは頭の中でまとめてみる。
プレゼン終わりで四人で入ったらーめん屋で、今回の実演パフォーマンスをパッケージにしたいねなんて話が出た。
ひとつの演目としてのパッケージとして確立できる感覚は私にもあった。加えて、今回同様、案件を取るための営業的な動きに於けるデモンストレーションとしてのパッケージにもなり得るなと思った。
両側面でブラッシュアップしつつ、いくつかの構成を組み換えて種類を増やせれば、色々な場面で使えそうだ。
演目や曲目を入れ替えたり、メンバーを入れ替えたり。
誰かの都合や練習量に左右されない、安定した素材になりそうだ。
パッケージというなら、その計画全体をパッケージ化してみよう。
早速ざっくりと簡単な計画書にして、ハルに提案してみよう。
作業に取り掛かったところで、メールの受信を示すアラートに気づいた。