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願子はなにをしているのだろう

 現象には、結果のみがあるのでは無い。その結果に至る過程、その結果の中身や内訳がある。

 遅く帰ってくるならば、その時間になるまでの間が、なんらかにて消費されるという内訳がなくては成立しない。

 その内訳が知りたいと思った。



 感覚を延ばしてみよう。


 ファミレスの時のように、手の者を使うところは変わらないが、今度は物理的に確認させるわけではない。


 尾行をさせて突き止めるといった手もあるが、それは感覚の範囲を超え意志になる。


 例えば離婚を有利に進めたい人が探偵を雇うように、意図と目的に対する手段としての明確な行動だ。


 独立した一個人の情報を知るために取る物理的で直截的な行動として見るなら、ストーキングと大差ない。

 あくまでも自然な日常生活を営む範囲内で、必要な情報を得るのが、「感覚を延ばす」なのだ。



 私は古い友人たちに最近のがんこの様子を尋ねるメッセージを送った。


 かつてがんこをいじったりイジメたりし、私の介在によりがんこの友だちとなった者たちだ。

 その際に、私の友だちにもなった彼ら彼女らはがんちゃんの同級生が多く、がんちゃんの学校での様子などを訊かせてもらっていた。


 未だに頻繁にがんことやり取りをしている者は少ないが、多少の近況報告を交わしていた者がいた。



 どうも、がんこは音楽の習い事かなにかをはじめたらしい。


 初耳だった。おそらく母にも言っていない。

 なぜ隠す?

 音楽の習い事なら塾やバイトよりも喜びそうなものだが。

 母を喜ばせるのが癪だとか、そういう捻くれた発想だろうか?



 ギターは独学だったからかすぐに辞めてしまったが、習い事なら続くかもしれない。

 頻度はそれほど多くなく、月に数回程度。家で練習している様子は見受けられない、というか、楽器の音が聞こえてくると言ったことは今の所ない。


 音楽系の習い事がそれで上達するのかという疑問はあるが、趣味でやるならむしろそれくらいの方が長続きしそうだ。


 がんちゃんのギター挫折で諦めていた姉妹セッションの夢が、そっと首をもたげた。


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